
Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

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「カカン(KAKAN)」のブランド初となるランウェイショーを観に渋谷ヒカリエへ。全く装飾が施されていないフラットなランウェイを、コの字型に組まれたシートが囲んでいる。シンプルな照明のもと重厚な音楽が鳴り響き、女性の朗読が流れ、ショーが始まった。
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一体目のドレスは、ブランドのシグニチャーともなっている手紡ぎ糸のボリュームあるニットドレスだった。モデルはゆっくり、真っ直ぐ歩き、また舞台袖へと戻っていく。そういった調子で一体ずつたっぷりと時間をとって見せられていく。──この潔さ。誤魔化しのない具体的な提案の仕方が、デザイナーの実直な姿勢を表しているように思える。演出で雰囲気作りをしたりしない「ただハッキリと洋服を見せたい」という堂々とした態度。モデルはほとんど皆、素足だった。

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意外だったのはテーラードスーツの多さだった。モデルのウォーキングに合わせてしなやかに揺蕩う生地がきれいで、室内着のようなリラックス感も漂っている。ニットで包まれたヴィンテージのバッグには、庭から摘んできたようにザックリ束ねられた花が差し込まれている。それから、獣のようなセットアップ、メンズスーツには大胆に合わせられたニットガウン、楽しい水べが描かれた毛足のあるマフラー、スミレの図案が入ったニットブルゾン、スラックスには三つ編みを思わせるベルト……、朴訥とした自然感覚と現代社会への眼差しが絡み合う。





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朗読は次第に複数の声となって重なり、時に旋律のようになり、また朗読に戻ることを繰り返している。物語を編んでいる。それ自体がニットと緩やかに結びつく。

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今シーズンのテーマは「WILD,NOT PURE」。インビテーションには「美しさとは野生的な物でもあり、純粋さだけではない」という意味が込められていると解説があった。ショー全体を通して、ニットからはデザイナー自身の衝動の方向性や知的好奇心が働く領域などの内的なものを、スーツからは社会構造そのものに対する挑戦など外へ向かうものが感じられた。美を追うことの困難さを思うと共に、まだ若いブランドが、これから内的自己をどのようにふくよかにし、社会に対してどのようにアプローチしていくのかが楽しみになるコレクションだった。

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