鈴木京香が実践する、“着実な”挑戦と選択の哲学

presented by LANVIN COLLECTION

FASHIONPROMOTION
黒いドレスを着た鈴木京香

鈴木京香

Image by: FASHIONSNAP

黒いドレスを着た鈴木京香

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鈴木京香が実践する、“着実な”挑戦と選択の哲学

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黒いドレスを着た鈴木京香

鈴木京香

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 100年前、パリ万博を機に世界的に普及した「アール・デコ」。同博のファッション部門のクリエイティブディレクターを務めたのは、フランス最古の現存するクチュールメゾン「ランバン(LANVIN)」の創業者 ジャンヌ・ランバンでした。時代を超えて今も人々の心を惹きつけるアール・デコの革新と美学を世界に発信したジャンヌは、クリエイターとして、経営者として、母として、当時としては革新的なキャリアを切り拓いた女性でもあります。そして、アール・デコの特徴とも言える直線と曲線が織りなす美しいシルエットにロマンティックなディテールを取り入れた彼女のデザインは、当時の女性たちの生活や価値観を一変させるほどの影響力を持っていました。その自らの道を自ら作り出す姿勢は、現代を生きる女性たちにも大きなヒントを与えてくれるはず。

 そんなジャンヌに通じるパイオニア精神で活動の場を広げる俳優・鈴木京香さんが、ジャンヌの精神を受け継いだセカンドライン「LANVIN COLLECTION」のドレスを纏い、100年前のアール・デコ様式の装飾が残る「日本郵船氷川丸」に乗船。100年前の旅人たちに想いを馳せながら語る、変化を恐れず自分らしい未来を切り拓く挑戦の日々について──。


◾️日本郵船氷川丸
1930年に日本郵船がシアトル航路用に建造した貨客船「氷川丸」は、その天窓や天井、ドアや鏡の装飾に至るまで内装やインテリアデザインには、当時フランスの船室デザイナーとして活躍していたマルク・シモンによる本場のアール・デコ様式が採用された。豪華客船として、秩父宮殿下妃殿下やチャールズ・チャップリン、嘉納治五郎など各界の著名人をはじめとした多くの人を乗せ、1960年の引退までの太平洋横断回数は254回、船客数は2万5000人を超える。1961年から横浜市山下公園前に係留保存されており、大規模な改修工事を経て建造当初の資料をもとに復元。2008年に「日本郵船氷川丸」としてリニューアルオープンした。2016年には戦前の日本で建造され現存する唯一の貨客船として国の重要文化財に指定された。

「迷ったら、YES」という生き方は、今も変わらない

── 創業者ジャンヌ・ランバンは、クリエイターとして、また経営者として、当時の女性としては珍しいキャリアを重ねた革新的な人物です。第一線で長く活躍されている鈴木さんの「ファッション」との出会い、そして駆け出し時代に目指していた将来像について教えてください。

 子どもの頃からおしゃれをするのが好きでした。母が読んでいたファッション雑誌を眺めたり、「りぼん」や「なかよし」を読んで、漫画に出てくる女の子のドレスに憧れたり。本なら好きなものをなんでも買ってもらえたので、"おしゃれ入門"のような女の子のためのハウツー本を読んだりしていました。

 ファッション好きが功を奏し、高校生の時にモデルの仕事を始めました。大学生になる頃はスーパーモデルブームの全盛期。当時のファッションショーは本当に華やかで、モデルさんひとりひとりの個性が輝いていた時代です。私自身は「背がもっと高かったら」と思うこともありました。でも当時、地元(宮城県仙台市)の小さなフロアショーなどのモデルの仕事をはじめて、少しでもお洋服を素敵に見せられるように、綺麗に歩けるようにと、熱心に練習したのを覚えています。

 俳優になったのは、モデルの仕事がきっかけです。大学生になると時間に余裕が出てきたので東京でのお仕事が増え、東京での仕事を見ていただいたことから映画監督の森田芳光さんの作品のオーディションに呼んでいただきました。それまで女優になりたいと思ったことはなかったけれど、もともと森田監督の作品が大好きだったので、声をかけていただけたことが嬉しくて。お芝居の仕事は楽しかったけれど、それまで一切演技の勉強をしていなかったことにコンプレックスがあったので、大学を卒業したら俳優の仕事はやめるかもしれないとも思っていました。でも、自然とお芝居のお仕事が増えて、上京しないとできない仕事が決まったので上京した、という流れです。なので「決意して飛び出した」という感じではありませんでした。


── 目の前のチャンスをしっかりと掴んで積み上げてきたんですね。2023年の休養期間を経て、そうした「チャンス」に対する向き合い方にも変化があったのでしょうか。

 ある時から、「迷ったら、YESと言う」ことをモットーにしてきました。大好きなことや、自分がやりたいことは、迷わず「はい」と答えられますが、40代になって「どうしようかな」と迷うことが多くなっていたんです。でも、仕事でも趣味でも、お誘いがあって少しでも迷ったら「やる」と決めてみたら、本当に良い出会いがたくさんあって。

 ただ、次第に「はい」と答える機会が増えてしまい、もともと健康に自信があったこともあり、休むことを忘れていました。結局長期間お休みをいただくことになり、多くの方にご迷惑をおかけしてしまい、本当に反省しています。

 でも、質問されてみて気がつきましたが、「迷ったら、YES」という考え方は根本的には変わっていないんです。やっぱり私は、いろんなことを知りたいし、行ってみたいし、やってみたい。病気をしたことで、以前のように自分の体力を無謀に過信することはなくなりましたから、これからも気をつけながら、迷ったら挑戦していきたいと思っています。むしろ、病気をしたからこそ、体力の続くうちにやりたいことを自分から発信していこう、とより積極的になっているのかもしれません。


挑戦は勇気を持って、無謀ではなく確実に

── 俳優業だけでなく、アートや建築、音楽など幅広い領域でアクティブに活動されています。鈴木さんが新しいことに挑戦する原動力について教えてください。

 知らなかった景色を見ることができるのは、やはりとても嬉しいんです。昔この船(日本郵船氷川丸)に乗って遠い国へ向かった人たちは、長旅の中で不安もあったでしょうが、きっと素晴らしい思い出が残っただろうし、その時間で色々なことを考えられたと思うんです。

 これまでもありがたいことに、仕事を通して楽しくて綺麗なものをたくさん見る機会に恵まれましたが、それでもまだ見ていないものは世界にたくさんある。それは自分で勇気を持って出かけていったり、取り組んだりしないと得られないものだと思います。そういったものに対する“希望”が自分の中にあるから、突き動かされているんだと思います。

── 新しいことに挑戦したいけれど、不安で一歩が踏み出せない」という人に声をかけるとしたら?

 何か思いついたことや、心が突き動かされるものを感じたら、とにかくトライしてみるのがいいのではないでしょうか。もちろん、“行き先を決めずに片道切符で旅に出る”ような、無謀なことを勧めているわけではありません。私自身、旅行に行くときは慎重に全部調べていくタイプ(笑)。自分の中に生まれた新しい望みに気づいたら、それを放置しないであげてほしい。その望みを自分のために叶えてあげるために、調べたり、お休みを取って出かけてみたり、そういう小さな一歩を踏み出すことが大事だと思います。


機能性に由来するデザインに惹かれる

── 本日着用されたLANVIN COLLECTIONのドレスは、ジャンヌの提示したエレガンスを現代的に解釈してデザインされました。

 今シーズンのLANVIN COLLECTIONのアイテムには、スカートのウエストの位置を低くしたドレスなど、アール・デコ調のデザインが多く揃っていますね。当時の女性が着ていたドレスは、こんな感じだったのかなと思いを馳せたり。今日着用したジュエリーもアール・デコをイメージしたデザインで、素敵でしたね。

 アール・デコは、アール・ヌーボーをより製品化しやすいデザインとして発展してきた背景の通り、すっきりとしていて、着心地や使い心地の良さに惹かれます。私はもともとポスターデザインから何まで、アール・デコのデザインが好きで。自分にも、そういった直線的なシルエットが似合うんじゃないかと思っていたので、当時の女性の気分を味わうことができて嬉しかったです。

ウールジャカードドレス(12万1000円)、リング(49万5000円)、ネックレス(60万5000円)、イヤリング(75万9000円)

1920年代のフランスで誕生したアール・デコは、直線や幾何学模様を特徴とする装飾美術のスタイル。第一次世界大戦後の社会の変化とともに、伝統からの脱却と新しい時代への希望を象徴し、建築やファッション、インテリア、工芸品など幅広い分野に広がった。その直線的でゆとりのあるシルエットは、コルセットで締め上げるような窮屈なデザインとは対照的に、女性たちの活動の幅を広げ、女性の社会進出の象徴ともなっている。
自ら染色工場を立ち上げるなど、色彩への探究心が強かったジャンヌ。今回は、中でもジャンヌが最も愛した色であるとされる「ブラックドレス」を用意した。

── 鈴木さんが「これから」目指す理想の人物像とは?

 これからは、とにかく「いい時間の使い方」をしたいと思っています。自分がしたいこと、やりたいことを最優先にしていきたい。仕事が1番したいことだったら、きっと仕事ばかりするでしょうし、それこそ、私はまだ船旅の経験がないので、いつか船旅もしてみたいですね。訪ねてみたい美術館や、行ったことのない国もまだまだたくさんあります。やりたいことのチェックリストを作って、「望んだことにトライしているな」と思いながら、年を重ねていきたいです。


LANVIN COLLECTION(ランバン コレクション)
時代を超えて受け継がれるジャンヌの哲学を宿したラグジュアリーな素材と洗練されたカッティング、繊細なディテールを特徴とする「LANVIN」のセカンドライン。

「ART DÉCO et LANVIN(アール・デコとランバン)」
アール・デコ100周年を記念し、三菱一号館美術館で開催される「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)のコレクションを中心に」展と連動したイベントが開催。“丸の内で体験するアール・デコな3日間”をテーマに、中村圭佑率いるダイケイ・ミルズが企画演出を手掛けた。会場では、LANVIN COLLECTIONのアール・デコ100周年を記念したアイテムを販売するほか、ダイケイ・ミルズのリサーチマテリアルなどの展示を通してアール・デコを学ぶことができるコンテンツを提供する。

期間:2025年10月11日(土)~10月13日(月・祝)
会場:丸ビル1階マルキューブ
所在地:東京都千代田区丸の内2-4-1
営業時間:11:00〜19:00
入場料:無料

<第2回 江口洋介 × LANVIN COLLECTION>
<第3回 山本美月 × LANVIN en Bleu>
<第4回 マギー&大谷亮平 × LANVIN SPORT>

photography: Yuji Watanabe (Perle management) , styling: Tamao Iida, hair & makeup: Keiko Chigira | text & edit: Chikako Hashimoto, casting: Takashi Sasai, project management: Miki Takahashi, direction: Riko Miyake (FASHIONSNAP)|撮影協力:日本郵船氷川丸

最終更新日:

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アール・デコ100周年記念アイテム

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アール・デコ100周年記念アイテム

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