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#リカ活 ブームでカスタマイズが大人気 「私だけのリカちゃん」の作り方

インスタグラムで人気のryokoさんの作品

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#リカ活 ブームでカスタマイズが大人気 「私だけのリカちゃん」の作り方

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 今、「リカ活」にハマる女性たちが増えている。リカ活とは、大人が「リカちゃん」で遊ぶこと。インスタグラムで「#リカ活」と検索すると14.5万件以上の投稿がヒットし、スタイリッシュな髪型や装いのリカちゃんの画像がずらりと並ぶ。服やドールハウスを作ったり、映えるロケーションで撮影したりと内容は様々だが、子どもの頃に遊んだリカちゃんとは一味違う大人っぽいイメージが印象的だ。あの頃と今、リカちゃん像はどう変化したのか?

「完璧な女の子」じゃないから共感できる

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 リカちゃんとは、55年の歴史を持つ「タカラトミー」のロングセラー人形。アメリカの玩具メーカー「マテル」が販売するバービー(29cm)と比較すると、リカちゃん(22cm)はかなり華奢で小柄な体型だ。公式では小学5年生という設定で、表情も愛らしく親しみやすい。だが、昨今のリカ活では、女子大生やOLとして生きる(いわば別の世界線の)リカちゃんに注目が集まっている。

 ブームの火付け役となったのは「現実を生きるリカちゃん」というSNSアカウント。会社の飲み会で憂鬱になったり、男性とのデートが不発に終わったりと、一社会人となったリカちゃんの日常をユーモラスに描いている。ズボラな一面や散らかった部屋などは、15年前に流行語大賞にノミネートされた「干物女」に似通うところもあるかもしれない。「まさに私」「毎日これ」「分かりすぎる」と女性たちの共感を呼び、Youtubeのチャンネル登録者数は58万人、Instagramのフォローは102万人を超えた。

ピンクやプリンセスのイメージは卒業

 また、リカ活では、流行のファッションもポイントだ。アイドルやプリンセスを連想させるフリルのドレスではなく、実際に大人が着るようなリアルクローズが主流となっている。30~40代の母親世代をターゲットとした雑誌「VERY」との公式コラボレーションは、今年は第4弾が発売されたほどの人気。VERY本誌のようなパッケージで、シーンに合わせた着回し方法を教えてくれるコーディネートブックも付属するという。母娘で遊べるという触れ込みだが、SNS上のリカ活でも人気を集めている。

「リカちゃんは私の特別なパートナー」

 旬のスタイルを身につけたリカちゃんは、ファッションモデルさながら。クールなスタイリングが人気のアカウント「ryoko_licca」のryokoさんは「大人っぽい服を着せたリカちゃんの写真をインスタグラムで見て、雷に打たれたような衝撃を受けた」ことがきっかけで、2020年からリカ活を始めたという。

 「リカちゃんは子供らしい愛嬌がありながら、品のある整った顔立ちのバランス感が絶妙。良い意味でスタイリッシュになりすぎず身近に感じられて、自分が着せたいと思っている『日本人女性のリアルクローズ』にしっくりハマっているのではないか」とその魅力を分析する。

 また、「ryoko_real」のアカウントでは、自分とリカちゃんとのリンクコーデも発信。「もともと幼い娘とリンクコーデをするのが好きだったんですが、娘ももう5歳になり、だんだんと私好みのシックな服を着てくれなくなりました。娘の成長を喜びつつ寂しくなった私は、リカちゃんとお揃いの服を着て遊ぶことにしたんです」。自分の着ている洋服を真似てミニチュア化することが大半だが、リカちゃん用に作った服とそっくりな服をお店で偶然見つけ、購入することもあるという。

 「自己投影して自分と同じ髪型にしたリカちゃんもいるのですが、分身というより、特別なパートナーのような感覚ですね」。

欲しい服がないのなら、作ればいい

 リカちゃんのオリジナル服やアクセサリーは、minneやラクマなどでドール作家の手掛けた服を購入することもできるが、手芸本を参考に手作りする人も多い。今年3冊目が発売された「リカちゃん着せかえソーイングBOOK」(ブティック社、1375円)は、既に重版10刷となっているヒット作。コーデュロイのオーバーオールにエコバッグを持ち、ベーカリースクールに通うリカちゃんなど、現代女性のライフスタイルを反映したような装いが魅力的だ。

 また、「かぎ針で編む リカちゃんのカジュアルワードローブ」(E&Gクリエイツ、1540円)ではワンピースやカーディガンのほか、ティペットやかごバッグの作り方も解説している。本格的な手作業もまたリカ活の醍醐味のようだ。

「リカちゃん着せかえソーイングBOOK」(ブティック社、1375円)

「リカちゃん着せかえソーイングBOOK」(ブティック社、1375円)

Image by: ©TOMY ブティック社

「かぎ針で編む リカちゃんのカジュアルワードローブ」(1540円)

「かぎ針で編む リカちゃんのカジュアルワードローブ」(1540円)

Image by: ©︎ TOMY 発行:E&Gクリエイツ 発売:日本ヴォーグ社

カスタムドールだからこそのクオリティも

 リカ活の投稿でよく見かける、関節が曲がるリカちゃんは、実は市販のものではないという。定番のリカちゃんではポーズをつけるのが難しいため、可動ボディに付け替えてカスタマイズする人が多いようだ。また、髪型やメイクの異なるリカちゃんも見かけるが、その多くは福島県の「リカちゃんキャッスル」で作られたもの。「リカちゃんキャッスル」はタカラトミーの国内製造工場の前身および展示施設で、リトルファクトリーという別会社が運営。今も国産のリカちゃんをタカラトミーとのライセンス契約で製造・販売しており、愛好家たちから熱い支持を得ている。

 このリカ活ブームは、パンデミック中にさらに勢いを増した。不自由な生活の中で癒しや喜びを与えてくれたリカちゃんは、人形という枠を超えて人々の心を支えているのだろう。細部にまでこだわりの詰まった大人のリカ活は、子どもの頃の“ごっこ遊び”に劣らず、クリエイティブなアイデアと楽しさに溢れている。

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