「LiccA Stylish Doll Collections」
Image by: タカラトミー
玩具メーカー「タカラトミー」のロングセラー商品「リカちゃん」が、誕生から55周年を迎えた。リカちゃんは誰もが知る、日本生まれの着せ替え人形。子どもたちの夢や憧れを体現する存在として、半世紀以上もの間、愛され続けている。
昨今、コロナの巣ごもり需要もあり、リカちゃんは再びブームに。大人がリカちゃんで遊ぶことを意味する“リカ活”という言葉も生まれている。トレンドのファッションを着こなし、企業のアンバサダーなどもこなす令和のリカちゃんの魅力とは?
いつの時代もトレンドを反映
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リカちゃんの本名は香山リカ。「あかるくてちょっぴりあわてんぼう」な小学5年生で、家族はフランス人音楽家のパパ、ファッションデザイナーのママ、ふたごの妹(ミキちゃん・マキちゃん)と三つ子の赤ちゃんの8人家族だ。1967年に誕生した初代リカちゃんからモデルチェンジを経て、今のリカちゃんは1987年から活躍する4代目。髪型やファッションなどは、常にその時代のトレンドを反映している。
今や人気インフルエンサーに
もともとは“ごっこ遊び”が主体の商品展開だったが、近年は子どもだけでなく、大人にも愛される存在に。SNSとの相性も良く、公式ツイッターやインスタグラムを使ったマーケティング戦略も話題に上る。今では総フォロワー数 約23万人を誇るインフルエンサーとなった。
リカちゃんのプロフィール
身長:142cm
趣味:ファッション・スウィーツ・旅行・スポーツ・SNS更新
特技:お菓子作り
大人も楽しめる「LiccA Stylish Doll Collections」
「かわいい」を大切にしてきた定番のリカちゃんは、未就学児のユーザーがメイン。だが、大人をターゲットにしたドールシリーズ「LiccA Stylish Doll Collections」が2015年に登場したことから、顧客の年齢層がグッと広がった。
同シリーズでは、リカちゃんの顔と身長(22cm)はそのままに、スタイルの美しさを追求した新規型のボディを採用。価格帯も大きく異なる。例えば、ハイヒールを履きこなし、上品なAラインコートを羽織った「パルフェットスノウスタイル」は1万3200円。2000~5000円台で展開する通常のシリーズと比較すると高価なこともあり、30〜50代の客層に人気だという。
「LiccA Stylish Doll Collectionsはラインナップが幅広いため、広い趣味趣向の大人層とリカちゃんとの『久しぶりの接点』が創れていると思います。ファッション誌に載っているようなリアルクローズから、キャラクターとのコラボレーションまで展開しています」とタカラトミーの担当者は語る。
エスティ ローダーのモデルに
「エスティ ローダー(ESTĒE LAUDER)」は今夏、リカちゃんをオフィシャル インフルエンサーに起用したキャンペーン「LiccA loves ESTÉE LAUDER」を実施。ブランドの公式SNSでリカちゃんのメイクアップ動画を配信するなど、オンラインおよび店頭で様々なコンテンツを展開した。リカちゃんのようなキャラクターがインフルエンサーに就任するのは、日本のエスティ ローダーとして初めての取り組みとなる。
ブランドの担当者は「リカちゃんサイズの化粧品は3Dプリンターを使い制作し、色合いなど細部までこだわって再現しました。動画はチャーミングなリカちゃんの魅力を伝えつつ、飽きずに最後まで見ていただけるよう、構成を考えました。撮影では、リカちゃんご自身でメークアップをしていただいたのですが、とても上手にスポンジなどのツールを使いこなし、『ポジティブメイク』を素早く仕上げてくださいました」とキャンペーンの制作過程を振り返る。
都内の高校に通うSJK、読モの#Licca
また、2020年には“17歳になったリカちゃん”こと「#Licca(ハッシュタグリカ)」が登場。プロフィールには「17歳 都内の高校に通うSJK、読モ」と書かれており、パッケージにはネオンカラーを取り入れている。
#Liccaはこれまでのリカちゃんと比べて身長が5cm高く、脚が長いのがポイントだ。通常のリカちゃんシリーズのドレスを着用することも可能だが、着用時のシルエットは異なる(※ズボンなど一部非対応)。
ユーザーは小学生が中心。よりトレンドを意識したファッションやライフスタイルを体現していることから、小学生になってもリカちゃんで遊び続けるきっかけになっている商品だという。
#Liccaのプロフィール
17歳 都内の高校に通うSJK、読モ
#ファッション #スイーツ #筋トレ #LIVE #もふもふ
#かわいいだけじゃない #カッコいい自分スタイル研究中
ティーンに人気のアパレルショップ「WEGO(ウィゴー)」は、この#Liccaとのコラボレーションを発表。トレンドファッションを取り入れた「#Licca #WEGO」を、10月15日より全国の対象店舗にて販売する。#Liccaが友達と一緒にウィゴー原宿竹下通り店に遊びに行く様子を描いた動画も公開中。青色のヘアにY2Kファッションを身につけた#Liccaは今時の女子高生そのものだ。
タカラトミーの担当者はこれらの取り組みについて「#LiccaもLliccA Stylish Doll Collectionsシリーズも、定番のリカちゃんと比べるとまだまだシェアは低いですが、続けていくことでリカちゃんのブランド拡張に繋がると考えています」と期待を込める。
キャンピングやリモートワークも
さらに時代を反映したアイテムで“ごっこ遊び”ができるのも、リカちゃんブランドの強み。昨今のアウトドアブームを取り入れたリカちゃんの「わくわくおとまりキャンピング」と「もくもくジュージュー にぎやかバーベキュー」は、アメリカのアウトドア総合メーカー「コールマン(Coleman)」とのコラボレーションによるもの。実際の商品を再現したテントや寝袋、そして本物のような煙がもくもくと出るバーベキューセットなどが揃う。
「わくわくおとまりキャンピング」5280円
Image by: タカラトミー
また、「いつでもリモート パソコン&スマホセット」は、ノートパソコン、スマートフォン、インカムマイク、ドリンクカップ、ショルダーバッグという、現代の勤務スタイルを再現したラインナップ。コロナ禍でリモートワークが定着した2021年に発売され、まさに今の時代を映し出す商品に。
「いつでもリモート パソコン&スマホセット」1430円
Image by: タカラトミー
おなじみの「リカちゃん電話」は今も変わらず
現代のファッションやライフスタイルを取り入れた、新たなリカちゃん像に少し気後れしてしまう人がいても、どうかご安心を。1968年からスタートした「リカちゃん電話」は今も健在。一人の女の子がタカラトミー本社に「リカちゃんいますか?」と電話したことをきっかけに誕生したこのテレフォンサービスは、現在も月に約1万件の電話が来るという。
リカちゃんが話す内容は、電話をかける時間帯や季節によって異なる。「お子さんはもちろん、『久しぶり』という大人の方も、ぜひリカちゃんにお電話してみてください」と担当者は語る。
子どもたちの『憧れ』や『夢』
リカちゃんの累計販売数は約6000万体。タカラトミーは昨今のリカちゃんブームについて「コロナ禍で家にいる時間が増えた中、SNSなどで“リカ活”を目にし、子どもの頃に遊んだリカちゃんと再会して下さった方が多いのでは。リカちゃんの思い出や作品をSNS上で気軽に共有しあえるのもブームになった一因ではないかと感じます」と分析する。
しかしブームに拘らず「いつの時代も、その時代の子どもたちの『憧れ』や『夢』に向き合い、子どもたちに寄り添った商品企画を続ける精神」は変わらず守り続けていくという。子どもから大人まで、あるいは孫から祖父母の世代まで、リカちゃんはこれからも私たちを魅了するアイコンであり続けてくれそうだ。
■リカちゃん:公式サイト
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