マリウス葉と長谷川ミラがオート・プロヴァンスでロクシタンのウェルビーイング体験(マリウス編)

Image by: ロクシタン

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マリウス葉と長谷川ミラがオート・プロヴァンスでロクシタンのウェルビーイング体験(マリウス編)

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 Z世代が意識を高めるサステナビリティに、高い関心を寄せるマリウス葉さんと長谷川ミラさんが、「ロクシタン(L’OCCITANE)」が生まれた南フランスのオート・プロヴァンスを訪問。来年、メゾン誕生50周年を迎えるロクシタンは、創設当初から、自然の力で心身を満たし、芸術のようにライフスタイルを彩る製品を届けながら、地球を守る活動も続けている。ブランドの起源でもあるオート・プロヴァンスで、メゾンの神髄を体験。マリウスさんの心に響いた、“真”のサステナビリティとは⎯⎯。

ロクシタンが手がける5つ星ホテル「ル クヴォン デ ミニム」 

 今回、マリウスさんが滞在したのは、ロクシタンが南仏オート・プロヴァンスのマーヌで運営する5つ星ホテル 「ル クヴォン デ ミニム」。マルセイユ・プロヴァンス空港から車で約1時間。南フランスの爽やかな風を感じながら、のどかな田園風景が広がる道のりを経て到着です。

 このル クヴォン デ ミニムは、1613年に建てられた修道院を発祥とし、2024年にロクシタンが大切にしている持続可能な開発という信念に基づき改装オープン。そしてスパとして世界初となるエコサート認証を取得したスパも併設されています。ロクシタンがウェルビーイングの理念とする、“セルフケア”、“人と人とのつながり”、“自然との共生”を一体化した、ホリスティックな体験がそこにあります。約700平方メートルの敷地内は、手を施していない豊かな自然や、夜には水辺からカエルの美しい"合唱"が響く、単なるラグジュアリーを超える、心にうるおいと豊かさをもたらします。

ロクシタンと農家で再生させたアーモンドフィールド

その場でアーモンドの皮を割り、実を食べたマリウスさん。「ココナツのようだけど、よりまろやかで美味しい!」

「アーモンド モイスチャライジングシャワーオイル」(250mL 3960円)

 グローバルに人気を集める「アーモンド」シリーズは、ここ、オート・プロヴァンスのアーモンドフィールドから生まれます。1950年代に盛況だったアーモンド栽培は、霧が深くなることで栽培が不安定になり、収穫を増やすために農地はラベンダー栽培へと変わっていきます。ただアーモンドの持つ力を信じていたロクシタンの創設者・オリビエ・ボーサン氏は、2000年代に農夫・ジャン=ピエール・ジョベール氏とともにアーモンドの木を植え、アーモンド栽培を復活。農薬を使わないことをポリシーに、木と木の間に草を植えることで、土を暑さから守り、水の蒸発を防ぐなど、長い年月を掛けて安定した栽培に成功しました。

 近年では、ロクシタンの9人の技術者と農家が一体となり、アグロエコロジー(農業生態学)を取り入れ、生態系の原理を農業に応用し、持続可能な食料生産を目指しています。単に環境に優しい農法というだけでなく、社会や文化的な側面も重視し、地域社会の活性化や食料主権にも貢献しているという。生態系を崩さない農法を活用する広大に広がるアーモンドフィールドでは、蝉や鈴虫といった虫の鳴き声、鳥のさえずりなど、さまざまな“音”を感じ取れます。

農家と“二人三脚”で広がるラベンダーフィールド

 さまざまな種類があるラベンダーの中でも、華やかな香りで、リラクシング効果の高い香り成分が多く含まれていると言われる「真正ラベンダー」。その真正ラベンダーを使用し、さまざまな条件をクリアしたエッセンシャルオイルが得られるA.O.P.認定は、品質を判断するひとつの基準です。ロクシタンはラベンダーシリーズなど一部の製品でA.O.P.認定を受けたラベンダーエッセンシャルオイルを使用しています。

 ル クヴォン デ ミニムのホテルから1時間以上、車を走らせ、森の中に突然広がったラベンダー畑。そこでラベンダー生産者のボエンル夫婦がラベンダー栽培について教えてくれました。ラベンダー栽培を始めた時のことや、ロクシタンとの協業により、高い技術も加味しながら、農地を拡大していったこと、技術は特許を取らずに同業の人たちにオープンにし、業界全体でラベンダーを広げていること、さらにフェアトレードについてなど、さまざまな視点で現在のラベンダーフィールドが語られました。ロクシタンは契約農家と、不作の年でもビジネスを続けられるよう3年間の保証を提供するなど、ビジネスを超えた取り組みを行っています。

肌や心を満たす製品の裏側に植物の力を引き出すロクシタンの研究

 マノスクにあるロクシタンの研究施設へ。ロクシタンといえば、「ナチュラルで肌に優しい」といったイメージを持っている人が多いかと思いますが、実は“攻めた”研究もロクシタンの真髄。例えば、創設者・オリビエ氏が「永久花・イモーテルの強い再生力をスキンケアに活かすことができれば、私たちにとって有益な製品が作れるのではないか」と着目。野生だったイモーテルをオーガニック栽培することに挑戦し、その力を解明する研究を続けてきました。

 近年では今話題の「レチノール」。そのレチノールのような効果を、イモーテルのエキスで叶えることに成功。7年かけたというディープすぎる植物研究、科学的な視点を取り入れながらも人々に幸運をもたらすウェルビーイングな製品開発に一堂が関心を寄せました。

オート・プロヴァンスの街をウェルビーイング散策

Interview with Marius Yo

⎯⎯ロクシタンの“真髄”を探索する旅でしたがいかがだったでしょうか?
 たった3日間でしたが、自分自身がひと周り、大きくなったような、短期留学に来たような感覚でした。オート・プロヴァンスの自然を背景にしたこの空間を体験しながら、ロクシタンを深く学ぶことができたと思います。仕事でありながらも、仕事ではない、かといって遊びでもない、とても充実した時間でした。
⎯⎯ひと回り大きくなった感覚を具体的に教えてください。
 最初はロクシタンの哲学や製品の製造プロセスを学び、伝えるために来たのですが、今はそれ以上に自分自身がもっとサステナブルな精神を持ち行動に移せるか、発信できるかを深く考えるようになりましたね。仕事を超え、ロクシタンからインスピレーションを受けましたね。
 世の中には、さまざまなサステナブルな文化が存在しています。ただロクシタンのように50年も前から、このような価値観を持ち続けていたことに大きな衝撃を覚え、また環境に配慮した姿勢が企業の根幹にあることを肌で感じることができたことは大きな力になります。
⎯⎯オート・プロヴァンスの環境について何を感じましたか?
 水が少なく乾燥した土地で、植物が育ちにくい厳しい環境の中、強い植物が生き残り、緑豊かな景観を作り出していることに感銘を受けました。厳しい条件下で育つからこそ、強い力や可能性を秘めている。サステナビリティの観点からも、環境と土壌のコンディションが重要なトピックだと痛感しました。
⎯⎯今回、農家の方々や研究者など、たくさんの方にお会いしました。
 毎回、白熱した会話となり、ロクシタンの方々との対話が印象的でした。録音してもう一度聞きたいほど充実した内容でしたね。大企業でありながら人間的で、ファミリーのような温かさを感じましたし、単に仕事として語るのではなく、個人として貢献する意思を持っていることに感動しました。企業は通常アプローチしにくいものですが、ロクシタンはとても人間的で話しやすく、本当に深い話ができたと実感しています。
⎯⎯アーモンドやラベンダーフィールドの訪問で印象に残ったことはなんでしょうか?
 アグロエコロジーというコンセプトの元、過酷な環境の中で実践されていること、そしてトライ・アンド・エラーの精神、現代的な技術と伝統のバランスが非常に印象的でした。農薬を一切使わずに草を高く生やすことで害虫がアーモンドの実ではなく草に留まるなど、多くの学びもありました。ラベンダーフィールドで出会った、ボエンル夫婦の愛情の豊かさや、20代で出会った2人の愛が、農家と農業を形作ったという点に愛の力の強さを感じました!
⎯⎯ロクシタンのサステナビリティへの姿勢についてどう思いますか?
 “完璧ではない”と正直に認めつつ、常に改善を目指す姿勢が素晴らしいと感じました。Bコープを取得し、世界で最も大きな企業のひとつである規模でサステナビリティに取り組んでいる。農家との関係性ビジネスを超えた支え合いの精神が素晴らしいと思います。
⎯⎯サステナビリティについて、消費者の役割はどう考えますか?
 消費者の選択は非常に大きな影響力を持っています。どの製品を選びどの会社をサポートするか、どのコミュニティの一員になりたいかを丁寧に考える責任があります。同時に、何も考えずに製品を選ぶ消費者もいると思うので、さまざまな入り口を提供することも大切ですよね。
⎯⎯どういった伝え方ができると思いますか?
 詳細な説明を好む人もいれば、ブランドの雰囲気や色から印象を受ける人、感情的な伝え方に反応する人などがいます。環境問題を単に発信するだけでなく、ロクシタンのような解決策を実践している企業の存在を明らかにすることも、その考えを変えることができるのではないでしょうか。
⎯⎯最後に、マリウスさんの夢を教えてください。
 僕は本当に“知る”ことが好きで、ただ単に情報を受け取るだけでなく、どういう問題が背景にあるのか、その問題をどう解決しようとしているのかを考えることが大切だと思っています。そういった知識を伝えていく仕事に興味があります。幼少期から表舞台に立つ仕事をしてきましたが、エンターテイメントや文化により惹かれたのは、8〜9歳の頃でしょうか。その時に感じた強い感情を、他の人にも体感してほしいという思いからでした。今後のストーリーテラーとして、ロクシタンのような「地球を救うストーリー」を伝え、人間と自然の共存やバランスについて人々の考え方を変えるようなきっかけを作っていきたいと考えています。今回の経験を今後の力にしていきたいとも願っています。

マリウス葉 | Marius Yo 2000年、ドイツ生まれ。ドイツ人と父と日本人の母を持ち、幼少期を父の故郷ハイデルベルクで過ごす。芸能活動をスタートし、Sexy Zoneのメンバーとしてデビュー。2022年12月、芸能活動を引退。2021年9月、スペインの大学に編入。現在、サステナビリティに関心を寄せ、同世代へ向け発信している。

text & edit: Akiko Fukuzaki, casting: Takashi Sasai, project management: Takako Toboku (FASHIONSNAP)

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