「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が10月1日、パリファッションウィークのトリとして2020年春夏ウィメンズコレクションショーを開催した。ミニマルな会場で行われたショーでは、パリの華やかな時代"ベル・エポック"期にインスパイアされ、少しノスタルジックでエレガントなルックが登場。ランウェイ背景の巨大映像を飾ったアーティストからビデオカセット型バッグまで、4つのポイントからコレクションを掘り下げる。

1. サステナブルな舞台装飾

ルーヴル美術館の中庭に設置された特設会場は、前シーズンのポンピドゥー・センターを再現して作り込んだ会場とは正反対とも言える、ナチュラルでミニマルなデザイン。会場に使われた木材は、全てサステナブルな環境で管理されたフランスの森から採取されたもので、ショーの後は全て再利用されるという。観客席を囲ったウィンドウやLEDも今回のためだけに作られたのではなく再利用が可能なもので、サステナブルに徹底したセットが作られた。
2. SOPHIEのエモーショナルな楽曲
スタートと共に会場の巨大液晶スクリーンに映し出されたのは、英国アーティストSOPHIE。エモーショナルな楽曲「It's Okay To Cry」の音楽が流れました。トップレス姿でささくように歌う中性的な魅力で、インクルーシビティを尊重する現代を反映しているかのよう。
3. "ネオ・ブルジョワ"スタイル
ニコラ・ジェスキエールがインスピレーションを得たのはベル・エポック。19世紀末から第一次世界大戦勃発までのパリが繁栄した華やかな時代に思いを馳せたという。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家 ミュシャの作風を思わせるようなアートがあしらわれたドレスをはじめ、スリーピース、ウエストを絞ったシルエットなど、クラシックでエレガントな装いを現代に向けた"ネオ・ブルジョワ"スタイルとして再解釈した。
そんなムードを象徴するアイテムは、ジャケットのラペルにつけられたオーキッドのブローチ。樹脂製で少し毒のあるカラーリングなど、ジェスキエールのエッセンスが見て取れる。
パリ郊外のアニエールに構えるルイ・ヴィトンのアトリエも着想源に。アール・ヌーヴォー様式の建築が擁するステンドグラスのパターンなど、デザインソースになったという。
4. ノスタルジックなビデオカセット型バッグ
新作バッグも充実。ノスタルジックなビデオカセット型のキャッチーなバッグをはじめ、ワンハンドルがクラシカルなシルエットの新作バッグ「Blade」、ベル・エポック期を想起させるレトロながま口クラッチ、新型のバニティバッグなどが披露された。トートバッグにプリントされたビデオカセットは、「TRUNKINATOR」 や「A TRUNK TO THE FUTURE」など有名映画をモジッたタイトルがユーモラス。