おもてなしのスペシャリストはこうして生まれる、「ルミネストゴールド認定式」をレポート
ルミネストゴールドに認定された13人のショップスタッフ
Image by: FASHIONSNAP
ルミネストゴールドに認定された13人のショップスタッフ
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おもてなしのスペシャリストはこうして生まれる、「ルミネストゴールド認定式」をレポート
ルミネストゴールドに認定された13人のショップスタッフ
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ルミネ・ニュウマンのショップスタッフのうち、高いスキルとマインドをもつ優秀なショップスタッフに与えられる称号「ルミネスト」をご存知ですか?新たなライフバリューを提案する“おもてなしのスペシャリスト”を育成すべく、ルミネでは毎年「ルミネスト認定会」が行われ、接客ロールプレイングを厳正に審査し、高い基準をみたすショップスタッフだけを「ルミネスト」に認定しています。今年は、約3万人のショップスタッフの中から、13人が最も優秀な「ルミネストゴールド」に認定されました。FASHIONSNAPでは、今年もルミネストゴールドのみが参加できる認定証授与式と特別なプログラムをレポート!認定証授与式の様子や、“想像力で楽しむカフェ“で行われたプログラム、認定者へのインタビューを通して、ルミネストゴールドに認定されたショップスタッフならではの接客のあり方を紐解きます。
■ルミネストとは?
株式会社ルミネが、2005年から取り組んでいる接客スキルの認定制度「ルミネスト」。ショップスタッフに必要な「精神」「感性」「理論」「技術」の4つの資質を基に、ルミネの理念「the Life Value Presenter お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす。」を実践し、新たなライフバリューを提案する“おもてなしのスペシャリスト”を「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3グレードに分けて認定しています。中でも、ルミネストゴールドは、最も高い接客スキルとマインドを持つショップスタッフにのみ与えられる称号です。
目次
3万人のうちわずか13人!ルミネストゴールドの認定証授与式
認定会の会場に選ばれたのは、昨年同様、東京都港区竹芝に位置するラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション(以下、メズム東京)」。会場にはルミネストゴールド認定者13人が集結し、ルミネの諏訪博常務取締役営業本部長から、花束と認定証、ルミネストゴールドのみの特別な名札が授与されました。認定式を終えた認定者は、周辺のスタッフと和気藹々と談笑しながら、授与された認定証や花束、名札を見て高揚した様子。ローリーズファーム ルミネ横浜店の清水満里奈さんは「接客を自分の強みにしたい、という思いからルミネストに挑戦し、今年で3年目を迎えますが、1年目はブロンズ、2年目はシルバーをいただき、ずっとゴールドを目指して励んでいたので嬉しいです。これからはルミネストゴールドとして恥じることがないよう、接客でお客さまの未来を明るくすることを目標に頑張ります」と喜びを露わにしました。
ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ルミネ北千住店 小野将太さん
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ルミネの表輝幸 代表取締役社長は「ルミネストゴールド認定おめでとうございます。みなさん一人一人が夢に向かって色々な努力をされたと思います。そんな中で掴み取ったゴールドということで、大変素晴らしい成果をあげられたと思います。ルミネの理念である『お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす。』を徹底した先にいるのがルミネストゴールドの皆さんです。これからも、皆さんがそれぞれの持ち味でお客さまに接していただき、一人一人を幸せにしていくことを期待しています」とエールを送りました。
認定証授与式の後には、スペシャルランチを堪能。ツブ貝とタコのエスプーマやレモンバター風味のお魚、リンゴとさつまいものデザートなど、季節を意識したコース料理が振る舞われました。乾杯の挨拶には、諏訪博常務取締役営業本部長が登壇。「コロナでお客さまのマインドや考え方、価値観が大きく変わりました。そんな中で、さらにお客さまに感動を与えるためには、皆さんの力が必要です。人間にしかわからない美しさ、それぞれのお客さまにある思いを引き出すことは、AIではできません。顧客の気持ちを十分に理解し、顧客一人一人の生活をどう支援していくのかを考えて行動に移すことで、感動体験は生まれると思います。ゴールドに認定されたから終わりではなく、これから何をするのかが大切です。皆さんには、日本の未来を明るくしていく存在として大きな期待を抱いております」とコメントしました。
ノンバーバルコミュニケーションで交流する"エアカフェ” 音声に頼らない対話を通して感性を養う
ランチが終わったら、一行はダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」に移動。昨年は、同会場の暗闇空間で視覚以外の感覚を研ぎ澄ませながら対話を行う「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が用意されていましたが、今回は聴覚に障がいのあるスタッフによるプログラム「エアカフェ」が開催されました。
■ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」とは?
絵画や彫刻ではなく、プログラムを体験することで生まれる「対話」を展示物とするミュージアム。目以外の感性を使う「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」、表情やボディランゲージを楽しむ「ダイアログ・イン・サイレンス」、年齢や世代を超え、生き方について対話を行う「ダイアログ・ウィズ・タイム」の3つのプログラムを展開しています。
ルミネ本社営業本部営業部の石木田彩さんは、プログラム開催の経緯について「以前、ベートーヴェンの『交響曲第九番 第四楽章』の歌詞を手話で表現した写真展『第九のきせき』をこのミュージアムで拝見し、感動しました。人それぞれ異なる表現方法に触れることができる展示は、お客さま一人一人の物語に携わるショップスタッフの仕事にも通ずる部分を感じ、オファーを決めました」とコメント。プログラムに参加するルミネストゴールドの認定者には「音声に頼らないことで、必ず新鮮な何かに出会えると思います。ルミネストゴールドに認定されたみなさんはコミュニケーション能力に長けていると思いますが、エアカフェでの表現を通して、改めて人と繋がる楽しさを体験していただけたら嬉しいです」と話しました。
ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの佐川さんは「エアカフェの案内役は、聴覚に障がいのあるスタッフです。声を使わず、手話がわかる場合にも手話は使わず、共通の言語がない状態でご参加いただきます。案内役のスタッフは表情やボディランゲージなどの表現力に富んでいるので、身振り手振りによってコミュニケーションの幅が広がり、本当の意味で分かり合うことができます。今日は、音や声に頼らない世界で意思疎通する過程を楽しんでほしいです」と挨拶しました。
「エアカフェ」オープンの様子
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エアカフェは、聴覚障がいのあるアテンド4人がサポートスタッフとともにノンバーバルコミュニケーションのみでおもてなしをするカフェ。ルミネストゴールドのスタッフは、4つのグループに分かれて席に座り、テーブルに用意されたメニュー表をもとに、身振り手振りと表情だけで注文をします。「コーヒー」や「フレッシュジュース」など、自分なりのジェスチャーで伝えると、アテンドたちはそれぞれの注文をエアーで作り、提供します。すべてのテーブルに飲み物が渡ると、ゴールド認定への祝杯としてエアーで「乾杯」。その後、アテンド4人は1人ずつ担当のテーブルにつき、認定者たちそれぞれが食べたい料理のオーダーを受け、振る舞います。体験を通して見ていると、視覚情報のみで相手に思いを伝えるという環境の中で、参加者の表情が徐々に豊かになっているように感じられました。
エアーの食事を終えたら、「ありがとう」「好き」「大丈夫?」など、簡単な手話の成り立ちを学びます。「いらっしゃいませ」「いかがでしたか」「少しお待ちください」といった接客のシーンで使える手話を覚えたら、参加者とスタッフは、それぞれがジェスチャーのみで対話をしながら交流を深め、最後には参加者一人一人が自分の名前の成り立ちや好きなものをもとにサインネームを作り、手話で自己紹介をしました。
手話のレクチャーの様子
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ロク ニュウマン新宿店の竹井祐介さんは、エアカフェでの体験を振り返って「表情で真意を汲み取る大切さを改めて実感しました。普段の接客時、こちらがおすすめしたものをお客さまが肯定してくれていても、『本当はその場の空気に合わせて言っただけかもしれない』と果たして本心なのかと考えることが多くて。エアカフェでは、スタッフの方が参加者全員を見渡し、少しでも理解できていなさそうな人がいたらすぐに察知していました。ちょっとした表情の違いでお客さまの小さなサインに気づくのは、接客する上では欠かせない能力だと思います。これからは、今まで以上にお客さまの表情や会話の間など、対話の中の余白の部分を大切にしていきたいと思いました」と感想を述べました。
4度の挑戦を経て悲願のゴールドに、認定者2人にインタビュー
ルミネストゴールドは、ルミネ・ニュウマンで最も優秀なショップスタッフとも言える称号ですが、ルミネストゴールドになるためにはどんなことが必要なのでしょうか?今回は、2023年度のゴールド認定者13人の中から、これまで4回にわたってルミネストに挑戦し続け、今年、5回目の挑戦でゴールドに認定されたビームス ルミネ池袋店 昼田祐美子さんと、ロクの竹井祐介さんにお話を聞きました。
ビームス ルミネ池袋店 昼田祐美子さん
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ロク ニュウマン新宿店 竹井祐介さん
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お二人は今回が5度目の挑戦とのことですが、ルミネストに挑戦するようになったきっかけを教えてください。
昼田さん
ショップスタッフになったばかりの頃から、「やるんだったらプロフェッショナルになりたい」と思っていて、ルミネで働き始めてすぐ、ルミネストの存在を知って、挑戦を決めました。
竹井さん
最初は社内で推薦されて挑戦したのですが、もともと自分から手を挙げて人前に出るタイプではないので、あまり気が進みませんでした。でも、ルミネストゴールドに認定された他のショップスタッフの方と話したときに、空気を読んだコミュニケーションのとり方を肌で感じて、感銘を受けたんです。それからは、ルミネストに挑戦するたびに自分自身が成長できている実感があり、粘り強く続けていました。
ちなみに、これまでの結果は?
昼田さん
私は、過去4回はずっと「ブロンズ」でした。それでもゴールドを諦めなかったのは、中途半端なまま終わりたくなかったから。元々体育会系なので、「ゴールド認定されまでは絶対に辞められない」と挑戦し続けていました。
今回、特別に訓練したことなどはありますか?
竹井さん
最初の頃は「買っていただけるか否か」の駆け引きばかりを考えていたんですが、コロナが明けて改めて「なぜこの職業についているのか」を考えた時に、ファッションが好きという気持ちを伝える一つの手段として対面接客を選んでいる、というシンプルな結論に辿り着きました。細かいことは考えず、服が好きという思いを伝えるためにお客さまと接するようになりました。なので、今年は、過去の出場時とは比にならないくらい練習していません(笑)。4回の挑戦を経て、ようやく自分の接客スタイルを見つけることができましたね。
普段、接客力を養うためにしていることはありますか?
昼田さん
自分がお客さまになって他店で買い物をするときに、わざと心を閉ざしたお客さまを演じるようにしています。そんな私に対して、スタッフの方がどんな対応をするのか、なんと声をかけるのか、といった技術を盗むようにしています。「今の言葉響くな」とメモしたり。対応していただくスタッフの方には申し訳ない気持ちもありますが、学びも多いです。
竹井さん
ファッションに割く時間をとにかく増やすこと。休みの日も、気になるお店に行ったり、ファッション関係の仕事をしている友人と会って情報収集したりしています。意識せずに自然とやっているので楽しいですし、無理なく続けられることを見つけるのが大切だと思います。
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