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世界に注目される日本の伝統技術。中でも、ものづくりの伝統が色濃い革靴の世界には、歴史の深いブランドが多く存在しています。この連載では、そんな日本が誇る革靴文化を推進する団体・日本靴工業会に参画する革靴ブランドに着目。髙島涼さんが各ブランドの店舗を訪問し、サービスを体験しながら、ブランドの魅力を紐解きます。第2回は、「マドラス(MADRAS)」をピックアップ。旗艦店として営業する銀座店で、独自のサービスやアイテムを深掘りします。
■日本靴工業会とは?
日本の風土や日本人の足に合う良質な革靴の提供と普及を目的とするNPO法人。革靴の仕様や品質に関する情報提供や日本の革靴規格(JIS)の策定、革靴の製造過程で生じる環境問題への対応など、幅広い活動に取り組んでいます。今後は、激しさを増す国際競争の中で日本の革靴を更に発展させていくことを目標に掲げています。
参画企業:岩手製靴、大塚製靴、共和工業、チヨダシューズ、東立製靴、ハルタ、マドラス、宮城ハルタシューズ、ムーンスター、リーガルコーポレーション(五十音順)
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マドラスとは?
マドラスは、1921年、創業者の二代目岩田武七が「これからは草履ではなく靴の時代が来る」と考えたことから、亜細亜製靴として愛知県名古屋市でスタート。当初は、アメリカからグッドイヤー・ウエルト式製靴機械を輸入し、民間用の紳士靴を量産していました。
Image by: マドラス
その後、1965年、イタリア・ヴェネツィア郊外で誕生したマドラス社の上陸を受け、技術提携。イタリアの伝統的なクラフトマンシップを継承しながら、現代の洗練されたデザインを取り入れた日本人の足に合う革靴づくりを行っています。
マドラス銀座店を訪問!
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マドラス銀座店は、マドラスの旗艦店として2011年にオープン。以来、マドラスが誇るクラフトマンシップを体感できる場として、男女問わず幅広いアイテムをラインナップしています。店舗は2階建てで、1階はウィメンズのシューズ、2階ではメンズのシューズを中心に展開。今回は若佐展行店長の案内のもと、オーダーシューズが作れるサロンを併設した2階でサービスを体験しました。
靴作りの伝統と技術を用いたマドラスオーダーシューズシステム(MOSS)
2階のサロンでは、マドラス独自のオーダーサービス「マドラスオーダーシューズシステム(以下、MOSS)」を受けることができます。MOSSは、ブランドの靴作りの伝統と技術を用いた「自分だけの一足」を作ることができるサービス。価格は8万8000円〜。今回は、そんなMOSSの手順を教えてもらいました。
マドラス銀座店1階の展示
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①カウンセリング
まずは、サンプルを見ながらどんな靴にするのかを決めます。予算に合わせて相談ができるので、初めてでも安心して注文できます。
オーダーするかどうか迷っている場合、まずはカウンセリングだけでも体験できるんでしょうか?
髙島さん
若佐さん
もちろんです。どんなシューズが欲しいのか、好みをヒアリングしながらお客様が自分だけの一足を見つけるお手伝いをします。
②採寸
カウンセリングで大体のイメージが固まったら、足長、足囲、甲周りの3点を採寸します。サイズを測ったら、足に合う最適な木型を選んでもらうことができます。自分の足に合わせて木型を調整してもらえるので、完成時にはよりフィット感のある履き心地を実感できます。
③セレクト
いよいよ自分だけのカラーやデザインを選ぶことができます。ベースは、足先をラウンドトゥ、エッグトゥ、チゼルトゥ、ビークトゥの4型から選ぶことができるほか、カラーと合わせて革の種類を牛革、起毛革、型押し革の3つから選択可能です。また、アッパーに加え、ソールも好みのものにカスタマイズすることができます。
④フィッティング、完成
オーダー後、製作段階で仕上げに入る前に、必ず一度試着をして足へのフィット感を確かめます。違和感がある場合には、ここで伝えておくとスムーズに微調整をすることができます。
オーダーから完成まで、どれくらいかかるんですか?
髙島さん
若佐さん
注文から約2ヶ月で完成となります。MOSSでは、靴の修理やメンテナンスの相談、靴磨きも提供しているので、まずは気軽にご相談ください。
スタッフが選ぶ一押しシューズは?人気モデル3選
マドラスは、100年以上にわたる歴史の中で、日本人が求める快適な履き心地を実現する「metaインソール」を開発。今回は、そんなmetaインソールを搭載した革靴の中から、この秋、特に注目の新作を若佐さんに紹介してもらいました。
若佐さん
metaインソールは、医療分野でも活用されるタナック社の超柔軟ゲル素材「クリスタルゲル」を採用し開発されたマドラス独自の素材や技術を用いて、フットセラピースタイルを実現しました。
フットセラピースタイルには土踏まず部分を軽く刺激する仕組みがあり、適度なマッサージ効果があります。
サイドゴアブーツ「SPM448MT」
まず紹介してもらったのが、ベーシックなシルエットにネイビーのアッパーとイエローのサイドゴアを組み合わせたブーツ「SPM448MT」。metaインソールを内蔵することで抜群の履き心地を実現し、スタイリッシュなフォルムとアンティークフィニッシュがエレガントな世界観を演出します。
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若佐さん
トラディショナルなシルエットにこだわったサイドゴアブーツです。カジュアルなスタイルにはもちろん、上質なレザーの質感から、フォーマルなシーンでも活躍する一足。カラーはオーソドックスなブラックとブラウンも展開しています。
オーソドックスなストレートチップ「M521MT」
続いて紹介してもらったのは、ベーシックなストレートチップの革靴「M521MT」。見た目はシンプルですが、metaインソールによって快適な履き心地を実現しています。歩く機会の多いビジネスマンには持ってこいのアイテムです。
Image by: FASHIONSNAP
若佐さん
どんなシチュエーションにもマッチする、一足は持っておきたいストレートチップ。新作ではありますが、マドラスを象徴するフォーマルなデザインとなっています。
カラーバリエーション豊富なスニーカー「M500MT」
最後に紹介するのは、スニーカー「M500MT」。アッパーにはヌバックとベロアを組み合わせ、側面にはブランドのエンブレムを刻印した遊び心あるデザインです。
若佐さん
レッドのほか、グレーやブルー、ホワイトもあり、色によって異なる雰囲気を楽しむことができます。異素材を組み合わせたデザインは、カジュアルスタイルのアクセントにおすすめです。
最後に
ウィメンズからメンズまで、幅広い商品ラインナップを堪能できるマドラス銀座店。革靴のほか、ベルトやポーチなどの革小物も展開しているので、シューズと合わせた小物選びを楽しむことができます。
今日はありがとうございました。オーダーメイドの際に使用する木型が展示されていたり、商品の他にも見どころが多く楽しかったです。
髙島さん
若佐さん
オーダーサロンや木型の展示は銀座店限定で行っています。既成靴からオーダーメイドの販売、また修理なども承っているので、ぜひ銀座に遊びに来たついでにお立ち寄りいただけたら嬉しいです。
■マドラス銀座店
所在地:東京都中央区銀座5-8-5(※東京メトロ銀座駅A5番出口から徒歩1分)
営業時間:11:00~20:00
問い合わせ:03-3571-1200
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