デジタル先進国・米国が映し出す「NYコレクション」の現在形<2014年秋冬レポート>

MONCLER GRENOBLE(モンクレール グルノーブル)の発表 Photo by: 宮田理江

 2014-15年秋冬・ニューヨークコレクション(2月6〜13日開催)はファッションショーの進化を印象づけた。画像共有アプリ「instagram(インスタグラム)」がランウェイ動向をリアルタイムに拡散。メイン会場を離れてメッセージを託すにふさわしい会場を選んだり、凝ったプレゼンテーション(展示会)形式で作品を披露したりするブランドが相次いだ。アルコールを振る舞うパーティー形式のショーを開くところも増え、ランウェイはNYの街とひとつながりになり始めた。(文・写真:ファッションジャーナリスト 宮田理江

 正しくは「Mercedes-Benz Fashion Week」という名前のNYコレクションには主会場がある。メトロポリタンオペラの本拠地としても知られる文化施設「リンカーン・センター」には大勢を収容できるショー会場が設けられている。主会場でのショーは動画でストリーミング配信されるという点もデジタル先進国・米国のコレクションらしいところ。しかし今回は、あえてこの主会場を離れてショーを開くブランドが増えた。


 大御所クラスの「DIANE von FURSTENBERG(ダイアン フォン ファステンバーグ)」「MICHAEL KORS(マイケル コース)」なども街に出た。以前から主会場で開催していなかった「ALEXANDER WANG(アレキサンダー ワン)」に至っては、川を挟んでお隣のブルックリン地区へ会場を移した。ブランド独自の世界観を感じてもらいやすい場所を選びたいというデザイナーの意識の高まりを映した変化と見える。


 「BAND OF OUTSIDERS(バンド オブ アウトサイダーズ)」のプレゼンテーションが開催された場所は、地元NYで初となるショップが夏にオープンする予定地。会場内の壁には「THIS IS WHERE YOU SHOULD BE FOR BAND OF OUTSIDERS」の言葉が書かれ、2013年10月に東京・渋谷にオープンした世界初の旗艦店に続く新ショップの開店予告を兼ねていた。披露されたコレクションもシニカルなムードが漂い、トロンプルイユ(だまし絵)があちこちに仕掛けられた。ブランドの頭文字「B」をひび割れさせたモチーフも、いたずらっぽい見栄え。シュールレアリスムの機知が全体に忍びこむ。会場の荒削り感が、かえって気取らなさを呼び込んでいた。


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BAND OF OUTSIDERS 2014-15年秋冬

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BAND OF OUTSIDERS 2014-15年秋冬

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BAND OF OUTSIDERS 2014-15年秋冬


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