
Image by: PANDORA
近年、日本でも人気の「セシリー・バンセン(Cecilie Bahnsen)」や「ガニー(GANNI)」を筆頭に、ファッションとサステナビリティの融合を試み、独自のコンテンツ発信で注目を集める北欧・デンマークのコペンハーゲン・ファッション・ウィーク(以下CPHFW)。ファッションサーキットの重要都市として世界中のファッション業界人が毎年夏のコペンハーゲンに集結します。CPHFW期間中にデンマーク発のジュエリーブランド「パンドラ(PANDORA)」は、ファッションウィークの公式パートナーを務め、若手デザイナーの支援プロジェクトのメインパートナーとしても参画。今回、ファッションウィークに合わせ、各国のメディアやインフルエンサーを招聘し、ジュエリーを通じて「自己表現」をテーマに、スペシャルなイベントを開催しました。日本からは女優の石井杏奈さん、松井愛莉さん、モデルの美海さんの3名が参加し、3日間を通してパンドラの魅力に触れました。
What is Pandora?
「パンドラ(Pandora)」はデンマークのコペンハーゲンで1982年に金細工師のエネヴォルセン夫妻により設立。2000年代にパンドラの象徴とも言えるチャームブレスレットを発売し、さらに店舗を拡大。2016年にフランチェスコ・テルツォとA.フィリポ・フィカレッリのデュオがクリエイティブディレクターに着任し、毎シーズンコレクションを発表している。現在世界100以上の国と地域で販売、日本には表参道の旗艦店をはじめ、56店舗を構える。
パンドラのジュエリーで彩るファッションウィーク

まず参加者はコペンハーゲンのショッピングエリア・ストロイエ地区にあるパンドラの旗艦店を来訪。ブランドカラーのピンクに染まったストア内でスタイリングイベントに参加しました。テーブルにたくさん並べられたチャームを自由にカスタマイズし、ファッションウィーク期間中に着用する“自分だけのジュエリー”を制作します。チェーンの長さや太さから、チャームの種類まで、何通りもの選択から一つずつ吟味。規則的に揃えたり、ランダムに繋げたりと試行錯誤していると時間があっという間に過ぎていきます。




石井さん、松井さん、美海さんの3人も最終的にはそれぞれ満足のいく仕上がりのジュエリーが完成。自分でセレクトして出来上がったジュエリーには愛着も湧くもの。身につけて目に入るなり、自然と笑みがこぼれます。
パメラ主催の一夜限りの晩餐会

この日の夜に行われたイベントの会場は、市内中心部にあるグリプトテク美術館。デンマークを代表するビールメーカー カールスバーグ社創業者の息子カール・ヤコブセンにより1882年に設立されたこの美術館では、印象派の作品をはじめとするプライベートコレクションが所蔵されています。ゲストはエントランス中央の「ウィンターガーデン」と呼ばれるドーム型の中庭でウェルカムドリンクと共に迎えられると、ミュージアムツアーを経てギリシャ、ローマ時代の彫刻作品群などが展示された大広間へと案内されます。



彫刻作品に囲まれるように配置されたロングテーブルで晩餐会がスタート。2023年からブランドアンバサダーを務める女優のパメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)がディナーのホストとしてゲストを迎え、デンマーク人シェフであるラッセ・アスコフ(Lasse Askov)が、昨年出版された彼女のレシピ本から着想を得て、ローカルの材料を使った特別メニューを考案。パンドラのジュエリーを思い思いに身につけドレスアップした約100名の招待客にスペシャルなヴィーガン料理が振舞われました。日が落ち薄暗くなった広間は、燃えるような赤い壁画に彫刻作品が浮かび上がりドラマチックな空間に。ローカルアーティストが奏でる生演奏の音がホールに響き渡り余韻を残しながら、特別な一夜が更けていきます。



運命を手繰り寄せる ”お守り”ジュエリーがお披露目

晩餐会はグローバルで8月28日に発売される新作「タリスマン」コレクションのお披露目を兼ねたもの。ギリシャ、ローマ時代を彷彿とさせる古代のコインから着想を得たメダリオンのデザインが特徴で、「時を超えたシンボルと言葉を現代の自己表現として身につける」というメッセージが込められた壮大でロマンチックなコレクションです。ハートや月、星、バラ、ライオン、矢などといったモチーフの裏にはそれぞれ力強いラテン語のメッセージが刻印されており、身につける人の意思を反映し、時には鼓舞してくれるようなステイトメントジュエリーとして12のデザインで登場します。モチーフはもちろん、言葉の意味を知った上で”お守り”チャームとして身につけるのも良さそう。




パンドラが育むデンマークの若手デザイナーの芽
ファッションウィーク期間中、CPHFWとパンドラが共同でブレックファストイベントを開催。パンドラはグローバルに展開するデンマーク発のジュエリーブランドとして、若手ブランド支援プログラム「CPHFW NEWTALENT」に数シーズンにわたり参加し、今年はメインパートナーを務めました。プログラムは北欧の新進気鋭ブランドを支援・育成・プロモーションすることを目的にしており、ショーやプレゼンテーション開催に向けた経済的支援やメディアへの露出機会を創出するサポートなどを行っています。

ファッションウィークと同時開催の合同展示会 コペンハーゲン・インターナショナル・ファッション・フェア(CIFF)の会場一角で行われたイベントにはメディア関係者などが立ち寄り、デザイナーと交流する機会が設けられました。
CPHFWのCEOセシリー・ソルスマルク(Cecilie Thorsmark)と共にスピーチをしたパンドラのグローバルPRディレクターのレミ・モボラド(Remi Mobolade)は、パンドラのようなグローバル企業がプログラムに参加する意義をこのように話します。


Image by: Tonya Matyu
パンドラはジュエリーを作っていますが、それは単なる装飾品ではありません。私たちはジュエリーを、深くパーソナリティに結びつく自己表現の形だと考えています。それぞれのピースが、その人らしさを表すものだからです。だからこそ私たちは、多様な自己表現を称え、後押しすることに全力を注ぎ、個人のスタイルに寄り添う存在として、若手デザイナーを支援する意義があると考えています。そして昨年に続き、若手デザイナー支援スキームのメインパートナーになれたことをとても誇りに思っています。そしてこれは単発ではなく継続的に行うことが重要だと考えています。経済的な支援はもちろん、それ以上に将来的に重要なのは、経験や学びを分かち合い、次世代に伝えていくことだと信じています。

「Stem」が行ったプレゼンテーション
Image by: James Cochrane
今回サポートを受けたブランドの一つ、「ステム(STEM)」はテキスタイルデザイナーのサラ・ブルンフーバー(Sarah Brunnhuber)が考案した独自の織り・裁断・縫製技術で、生地の端材など“廃棄ゼロ”の服作りを行うサステナブルなブランドです。2度目のコレクションとなる2026年春夏シーズンでは、籠編み職人によるワークショップが中央のテーブルで行われる中、同じ技術を用いて編み上げられたコレクションにパンドラの新作ジュエリーを身につけたモデルが会場を練り歩くというユニークな形式で新作を披露。ブランドは過去には「ガニー」とのコラボレーションを発表したほか、今後デンマーク国内にファッション向けの織物工場を作る計画もあるといい、伝統的なクラフトをサステナブルな手法でファッションに昇華する野心的なブランドです。
ファッショニスタに学ぶパンドラジュエリーの楽しみ方
ファッションウィーク期間中、パンドラのジュエリーをまとってイベントに参加した各国のゲストたち。シルバーやゴールドをミックスしたり、意外な組み合わせの重ね付けをそれぞれのスタイリングで楽しみました。












Enchant of PANDORAーパンドラの魅力とは?ー
「色々なパーツやチェーンを自由に組み合わせることができるのが楽しいし、魅力的。たとえば旅先でチャームを選んで、身につけるたびに旅の思い出に浸って幸せな気持ちになったり、そんな楽しみ方も素敵だなと思いました」(松井愛莉)
「パンドラは自分好みに自由にカスタマイズできて、毎日身につけると自己肯定感をアップしてくれるようなジュエリーだと思います。自分らしさをまとえるのが一番の魅力です」(石井杏奈)
「クラシックでシンプルなジュエリーもあれば、チャームをたくさんつけて個性的にまとえるジュエリーもあって、気分やシーンに合わせて自分らしさを表現しながらさまざまなスタイルを楽しめるのが魅力だと思います」(美海)
コペンハーゲン・ファッションウィークをジュエリーとともに彩ったパンドラのすべての取り組みの根底には、自分らしさを肯定し、自己表現の可能性を広げるというジュエリーブランドとしての理念が一貫としてありました。身につける人のそれぞれのスタイルや生き方に寄り添い、新たな表現の可能性を広げていく——。コペンハーゲンでの発信は、そんな力強いパンドラのメッセージを改めて示す場となりました。
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