「サンローラン(SAINT LAURENT)」が現地時間9月24日、エッフェル塔を眼前に望むトロカデロ広場の特設会場で2020年春夏コレクションショーを開催した。一言で表すなら「壮観」であったが、そこには画面を通じてでは得られない要素が揃っていた。何が見る者を高揚させたのか。

1. 雨上がりの壮大な光
サンローランは数シーズン同じ場所でショーを行っているが、毎回異なる演出に驚かされる。トロカデロの噴水がある場所の上に特設されたランウェイには今回、光のレーザー装置を設置。その数が半端ではない。無数の穴に設置された装置が、グルングルンと自動制御によって回転する様は鳥肌ものだ。
ショーの幕開けと同時に音が鳴り響き、一斉に光を灯した時、思わず声をあげた。外で眺めていた一般客も同様だろう。首を大きく振らないと把握できないほどのスケールの大きさに、会場一帯にどよめきが走った。

©︎Koji Hirano for FASHIONSNAP.COM
当日はあいにくの雨。急な豪雨が半屋外の会場を襲い、ずぶ濡れの来場者も多くいた。ランウェイには容赦無く雨水がたまり、水の上をモデルが歩く演出だった2シーズン前を思い起こさせるほどだった。しかし雨はショーの直前で止み、天然のスモークのみが天高くまで続いていたことで、光の道がより鮮明になったのかもしれない。むしろ濡れたステージに光が反射し、幻想的な空間を作り上げていた。
2. クラシック+クチュール
2020年春夏コレクション
©︎Koji Hirano for FASHIONSNAP.COM
サンローランのスタイリングは独特だ。前シーズンは10センチ以上ある肩パッドとストッキング、大きくえぐれたデコルテが印象的だったが、根底にあるクラシカルな要素とクチュール技術は今回も変わらない。
ファーストルックは、マイクロショート丈のジャケットとパンツ。特にロングブーツは気になるアイテムだ。ブラックをベースに中盤にはゴールドカラーが差し込まれ、華やかさが増していく。刺繍や装飾はプレタポルテの域を超え、フィナーレと共に始まったエッフェル塔のシャンパンフラッシュも相まって煌びやかなイメージを打ち出した。


3. フロントを飾るVIP
来場ゲスト
©︎Koji Hirano for FASHIONSNAP.COM
「15分前には入り口を完全にクローズします」という事前アナウンスがあった通り、会場には多くの人が急ぎ足で詰め掛けていた。中でも会場を彩ったのは世界各国のVIPたち。「ブラックピンク(BLACKPINK)」のROSÉや映画「ボヘミアン・ラプソディ」で主演を務めたラミ・マレック(Rami Malek)、ケイト・モス(Kate Moss)などが来場した。
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