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Culture

書店であなたを待つ「文化的雪かき本」を探しに:「スノウショベリング」編

— ADの後に記事が続きます —

最も美しい理想的なタイアップ雑誌

【タイトル】VISIONAIRE
【著作】STEPHEN GAN、JAMES KALIARDOS、CECILIA DEAN

中村:僕はビジョネア(VISIONAIRE)を「最も美しく理想的なタイアップ誌面を作り続けた雑誌」だと思っています。

F:「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「エルメス(HERMÈS)」「グッチ(GUCCI)」「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」「伊勢丹」「ソニー(SONY)」……。名だたるビッグメゾンとコラボレーションをしていますね。

中村:超イケている企業と超イケているアイデアを持った人たちが作り上げた雑誌ですよね。読者を置いてけぼりにしてでも「やりたいことをやり切るぞ!」という気合いを感じます(笑)。「みんなに理解してもらおう」ではなく「お金をかけて美しいものを作ろうぜ」という想いが乗っかっているという意味では、この雑誌群はほとんど芸術作品だなといつも思います。

F:企業とコラボはしていますが、企業名を各号のタイトルにはしていないんですね。

中村:そうなんですよ。例えばこれは「シャネル(CHANEL)」とコラボした際の号ですが「BEAUTY」と銘打っています。ちなみにビジョネアのタイトルは大抵いつも1単語です。

F:中でもお気に入りの号はありますか?

中村:それこそソニーとかは面白いですよ。「PLAY」と名付けられていて、ソニーのテレビゲーム「プレイステーション2(PlayStation2)」が発売された時に発行されたもの。雑誌の形状もPS2本体を模した木の箱で作られていて、ボックスの中には16冊の小冊子が入っています。小冊子の中身は様々なアーティストによるパラパラ漫画。

F:ニック・ナイト(Nick Knight)や、スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)、ピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)など……。錚々たるメンツが作成したパラパラ漫画が一堂に!

中村:写真家から映画監督まで。豪華ですよね。僕がビジョネアのことが好きな理由は、あるコンセプトに対して実験的なアプローチをしながらもしっかりと結実していて、全号を通して非常にレベルが高いところが好きなんです。他にも「リーバイス(Levi's®)」とコラボした「BLUE」という号は、本の装丁がデニムジャケットになっていて実際に着ることが出来たんですよ。「デニムジャケット付き」という意味ではムック本に近しいんですが、彼らはマガジンとして発行しているんだなというのがひしひしと伝わるというか。編集力が光っているんですよね。

F:本を「読む」というよりも体験っぽいですね。

中村:本というメディア表現で出来る最高潮をやっていたと思います。

F:当時は企業側からビジョネアにオファーをしていたんでしょうか?

中村:おそらくそうだったと思います。初期の頃はビッグメゾンとコラボはしておらず、毎号異なったアーティストやフォトグラファーなどとテーマやコンセプトに沿ったアートブックを発行していました。その歴史も含めて面白い雑誌ですよね。

次のページ>>【ミニインタビュー】店名の由来と、「スノウショベリング」が目指す古本屋の姿とは

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