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フードディレクターKAORUが考える、身体を整える日々の習慣

 コスメ、フード、ツール、香りモノ… 美しさを支える愛用品をひもとく「美のSTOCK LIST」の第8回。 フードディレクター・アーティストとして活動するKAORU氏は、作品制作において数センチ単位の調整と判断を繰り返しながら、長時間にわたって動き続ける。その精度を支えているのが、日々の習慣と愛用品だ。 "動ける身体"はどのようにつくられているのかを聞いた。

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◾️KAORU
フードディレクター兼アーティスト。「Dress the Food」主宰。モノクロ写真と食材を融合させた作品「Food On A Photograph」で注目を集め、’19年に「Food On A Model」展を開催。’22年「shichimi magazine」をローンチ。広告、雑誌、CM等で幅広く活躍中。直近の仕事に、ダイナースクラブ「1950年ニューヨーク編」のフードディレクション、乃木坂46の5thアルバム「My respect」のクリエイティブ制作など。

⎯⎯フードディレクター兼アーティストとはめずらしいお仕事ですが、どのような経緯で今に至りますか?

 もともと違う仕事をしていましたが、料理やお菓子づくりが好きだったこともあり、自宅に友人を呼んで料理を振る舞っていました。季節に合わせたメニューを考え、テーブルやお皿もデコレーションして世界観をつくるのが楽しかったんです。それを写真に撮ってSNSにアップしていたところ、業界の方からお声がけいただいたのがきっかけです。

⎯⎯  本連載でさまざまな方に話を聞くうちに、身体の内側の調子が、そのまま表の美しさとして現れている瞬間があるのかもしれない、と感じるようになりました。そんな折に思い浮かんだのが、日々フードと向き合っているKAORUさんでした

 ありがとうございます。実は今年に入ってから、少し胃腸の調子を崩してしまって。しばらく思うように食べられない時期があったんです。結構きつくて、ベッドから起き上がれない日もあって。もともとサラダがすごく好きで、ボウルいっぱいの生野菜をよく食べていたんですけど、体調を崩して初めて、「生のものって体を冷やすんだ」と実感しました。体にいいと思って続けていたものが、実はそのときの自分には合っていなかったんだなと。

 そこから、なるべく体に負担をかけない食べ方に変えていきました。最近はエチュベという調理法をよく取り入れています。軽く油を通してから蓋をして蒸すことで、消化もしやすくなるし、素材の味もきちんと残るんです。ちょっとしたことなんですけど、こういう積み重ねで、体の感覚がだいぶ変わってきて。”整える”ってこういうことかもしれないなと。

体の内側を整えるということ

⎯⎯ 体調が揺らぐときに、立ち返る食材はありますか?

 頼れるのは、やっぱりお粥だなと。いろいろ試しましたが、結局はシンプルなものに戻ってきました。体調が悪いときって、料理をつくること自体が難しいと思うんです。シンプルなお粥なら、梅干しを入れたり、鶏だしを少し足したり、そのときの状態に合わせて少しずつ変えられますし、今回もかなり助けられました。「これがいい」と決めて続けるというより、その日の体と向き合って決めていく感じ。今日はこれならいけそう、みたいな。ちゃんとやろうとするよりも、むしろそのときの状態に合わせて柔軟に変えていくことのほうが大事なんだなと、あらためて感じているところです。

⎯⎯ 基本の食生活におけるこだわりは?

 仕事柄、仕込みで徹夜になることもありますし、現場ではずっと動き続けているので、体に負担をかけないよう意識しています。最近、鉄のフライパンと鉄瓶を使い始めました。鉄瓶で沸かしたお湯を飲むようになってから、立ちくらみが少し軽くなった気がしています。プラシーボかも?と思うくらい、小さな変化なんですけど、現場だとすごく大事です。急に立ったりしゃがんだり、重い荷物を運んだり、ずっと動いているので、少しでも体の状態が安定しているほうがいい。食生活の積み重ねが結果的に支えになっている気がします。

南部鉄器の鉄瓶。「錆びないようにいつもお手入れしています。ペットのような存在ですね」

繊細な仕事を支える体力の作り方

⎯⎯ 撮影現場におけるフードのスタイリングは、かなり緊張感がありそうです。

 そうかもしれません。料理や器を並べたあとも、カメラ越しに見たときのバランスを基準に、数センチ(スチールなどでは数ミリ)単位で調整していきます。変化しやすいなまものを扱うことが多く、本当にちょっとの違いで見え方が変わるので、どういったバランスでその食材やお料理を見せていくか、どうしたらフードがその場面の中で魅力的に見えてくるか、またはその場面の中でのフードの役割をどう果たせるかを限られた時間の中で探る、という感じです。そこに加えて「次これ」「これ運んで」と指示が飛び続けたりするので、クオリティをさらに上げるためにはどう動いていくべきか、アシスタントとともに、常に考えています。

⎯⎯ その状態を保つために、日々どんなことを?

 運動はずっと続けています。3年半前くらいからは水泳が中心で、時間があれば週に何回も泳ぐこともありますし、最低でも週1のペースで続けています。あとは毎朝、ストレッチやヨガ、軽い筋トレをしています。時間がある日は1時間くらい、忙しい日は5分だけでもやる。少しでも体を動かすと、その日の自分の状態がわかるんです。今日はここが硬いな、とか、この動きやりにくいな、とか。ヨガやピラティスにも通ってみて、そこで吸収したことを活かすこともありますね。最近は動画を見ながらいろいろな種類のストレッチに挑戦して、幅広く運動する意識をしています。

10年選手のヨガマット。「昔、トレーナーさんに教えてもらったものを数年に一回買い替えながらずっと愛用しています。引越しをしたときも、このマットが広げられるスペースを重視しました(笑)」

⎯⎯ 忙しい中でも続けられる理由は?

 続けていると、変化が見えてくるからだと思います。今日はここがちょっと違うな、みたいな違和感を、その日のうちに調整できるようになってくるというか。逆に何もしていないと、それに気づけないまま過ぎてしまうかもしれません。フードディレクションは繊細でありつつも体力勝負なところがあるので、体づくりは仕事のパフォーマンスにもつながる印象。だから完璧じゃなくてもいいので、少しでも続けるようにしています。私にとってはその積み重ねが、結果的に心身ともにいちばん安定する方法です。

感覚を整える、もうひとつの習慣

⎯⎯ スキンケアについても教えてください。

 化粧品はあまり詳しくなくて。何を選べばいいのか分からなくなることも多いんですけど、逆にずっと続けていることはあって。毎朝のコットンパックなんですが、学生時代に美容アドバイザーの佐伯チズさんの本で読んで以来の習慣です。大判のコットンにたっぷり化粧水を含ませて、それを顔にのせるだけなんですけど、これが一番安心する。無印とかハトムギとか、気兼ねなく使えるものを選んでいます。他の方法を試したこともありますが、結局ここに戻ってきました。

ヴェレダ(WELEDA)「オーガニック コットン」は「使いやすいサイズと心地よい使用感」。全身保湿には、伸びのいいノブ(NOV)「オリゴマリン ローション S」を長年リピート「とろんとしたテクチャーが気に入っていて、無香料なのも使い続けやすいポイント」

⎯⎯ 他に欠かせないものは?

 ハンドクリームと日焼け止めですね。水をよく使う仕事なので、気づいたときにすぐ使えるように、家の中でもいろんな場所に置いています。リビングとか寝室とか、バッグの中にも。日やけ止めは、あまりメイクをしないぶん、日中何回か塗り直すようにしています。今塗れる、と思ったタイミングで塗る感じです。

⎯⎯ 日やけ止めも使い分けているんですね。

 毎年いろいろな効果がアップデートされた新作が登場するので、使い続けているものに加えて、夏前にはいつも新しい商品に目を向けるようにしています。「エスト(est)」の「UVプロテクション クリーム」は発売時に購入して、これで3本目です。

⎯⎯ 美容の最新情報はどこでチェックしていますか?

 安心しているもので定着するタイプなので気まぐれですが、ときどき「2026年、UV、最新」のように検索してまとめ記事などをチェックしたりします。
 

「アトリックス(atrix)は仕事の合間やちょっとした休憩時などこまめに塗り直すときに、イソップ(Aēsop)は寝る前のご褒美ケアとして使っています」

日焼け止めはアネッサ(ANESSA)、エスト、RMKを愛用中。「今年は、汗で密着度が高まるというコスメデコルテを新しくお迎え予定」

⎯⎯ 気持ちを整える時間や習慣はありますか?

 私の場合はやっぱり食材を見つめている時間かもしれません。たとえば卵を茹でているときに出てくる泡とか、水の動きとか。そういう細かい変化を眺めているのがすごく好きです。泡がだんだん大きくなっていく感じとか、それが殻にくっついていく様子とか、ずっと見ていられる。野菜の断面も本当にきれいで、色のグラデーションや形には、毎回ちょっと感動します。なんでこんな形なんだろう、と思いながら見ている時間が、自分の感覚を静かに戻してくれる気がします。そのプロセスを観察することで、料理の完成イメージがブラッシュアップされることもあります。

⎯⎯ 最後に、仕事を続けるうえで大切にしていることを教えてください。

 何事も"続けられる形にすること"だと思います。食にしてもスキンケアにしても、そのときの状態に合わせてやり方を柔軟に変えていくことと、「どうすれば目指す状態にありつけるか」を体で覚えていくこと。その両方の積み重ねが、結果的にいちばん無理なく続く方法なのかなと。運動も食事も、こうじゃなきゃいけないって決めすぎないようにして、そのときどきで変えていくことを許しているというか。整えるって特別なことではなくて、そうやって続けられる形にしていくことなのかなと思います。

最終更新日:

合六美和

Miwa Goroku

コレクション取材記者を経て、フリーランスのエディター&ライターに。雑誌や広告、ウェブメディアなどさまざまな媒体で、執筆やディレクション、コーディネーションを手がける。ファッション、ビューティーを軸に、クリエイティブに関わる人やカルチャーをフォロー。

photography :Katsutoshi Morimoto, edit :Hikaru Kimura(FASHIONSNAP)

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