
Image by: FASHIONSNAP

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時間や情報の波に追われる現代社会。忙しない日々の中で、自分らしく明日へと歩みを進めるためには、心身の「余白」が必要だ。
稽古や舞台、映像作品と、日々緊張のただなかに身を置く歌舞伎俳優、片岡千之助。彼は前に進み続けるため、時にあえて立ち止まることを選ぶ。庭の緑が美しい陰影を落とす日本家屋で坐禅を組み、自らの呼吸だけに意識を向ける。アーバンリサーチが提案する「トハ(TOHA)」のリカバリーウェアをまとい、静寂の中で心身の余白を取り戻していく──。そんな片岡千之助が過ごす、自分自身と深く向き合う時間。
About 「TOHA」
「常に余白を保つ」を意味する“常白”を語源とし、2026年秋冬シーズンにアーバンリサーチからデビューした新ブランド。現代人のライフスタイルに寄り添い、「忙しい日常のなかであえて立ち止まり、身体と向き合うきっかけを生み出したい」という思いが込められている。都市生活に馴染むデザイン性と機能性を兼ね備えたリカバリーウェアをはじめ、心身と向き合う時間を豊かにするアイテムを展開する。

「緊張」は表現のスパイス 片岡千之助の仕事への向き合い方
4歳で初舞台を踏んで以来、歌舞伎をはじめ、現代劇の舞台から映画、ドラマまで、幅広い表現の場で活躍する千之助。彼が仕事に向き合うとき、常に大切にしているのは「楽しい」という気持ちだという。
「自分が好きでやっていることなので、もちろん大変で苦しいこともあって当たり前。でも、どんなお仕事をやるときも最終的にはその『好き』の気持ちを忘れずに、楽しみながら舞台に立ったりお芝居ができたりする喜びをしっかり持って、それがお客さまにも良い形で伝わればと思っています。そして、それがカメラの前だろうと舞台の上だろうと、自分が表現したいことをちゃんと伝えられるようにしていきたいですね」。


俳優の仕事は、日々プレッシャーや緊張の連続だ。なかでも特に緊張を感じるのは、稽古や本番など「何かが始まる前」の瞬間。そんなとき、彼はどのように心身の調子を整えているのか。
「緊張しているときは、楽屋で好きな音楽を聴いたり、あえてクラシックを聴いてみたり。それから『めっちゃ緊張してる』『無理』『できない』と、隠さずに口に出しちゃいますね(笑)。自分で抱え込んで殻に閉じこもるよりも、『無理だよ〜』と言葉にして、周りが『大丈夫だよ』と言ってくれる。そのほうがほぐれてくるんです」。

そんなお茶目で人懐っこい一面を覗かせる一方で、「緊張」を決してネガティブなものではなく、自身の表現の“スパイス”のようにも捉えているという。
「緊張や身体がこわばることも、大事なプロセスではあると思うんです。例えば1ヶ月間の舞台で、初日の『どうなるか分からないけど、とにかくやるしかない』という緊張感のあるお芝居と、千秋楽間近のある程度板についてきて、良くも悪くも慣れがある中でできるお芝居には、それぞれの良さがある。だからその緊張を受け入れて、どう自分の中でプラスに変えていくか、という気持ちでいます。『うわ、どうしよう』と思いながらも、心のどこかではワクワクしている部分もある。そこに至るまでのお稽古の積み重ねが自分の自信に変わりますし、そういう小さいことの積み重ねが、いざ本番という瞬間に、一番作用してくるんじゃないかなと思います」。

京都の老舗香木店「山田松香木店」が調合したトハオリジナルのポプリ。忙しい日々の中でも呼吸を深められるような、和と余白を感じさせるカミツレの香りが特徴。 「オリジナル ポプリ」7700円/トハ
一度立ち止まったからこそ見えたもの 表現と人生の「余白」
「トハ」のブランド名の由来やコンセプトでもある「あえて立ち止まり」「常に余白を保つ」という考え方。彼は、表現の世界においても「余白」は重要だと話す。
「やっている側に余白や余裕がないと、見ている側もキツくなるんです。お芝居でも絵画でも写真でも、その人の余白や余裕から生まれるものが、ある種その人の個性になるし、色気にもなる。僕の中では、バランス感覚を保つ上でも『余白』は特に大事です。それを保つために必要なのは、心身ともに健康で、良い睡眠を取り、良い生活を送って、いつでも動けるようにしておくこと。お芝居の現場は自分だけの世界ではないので、他の俳優さんやスタッフさんを含めた全体の空気感も感じ取りますし、今自分がどれくらいのパーセンテージで物事と向き合っているかを冷静に見ながらバランスを保っています。そうした周りとの調和は、自分の余白や余裕に直結していると思います」。

「あえて立ち止まる」と言えば、まさに千之助は2023年に「歌舞伎の仕事を一時休業する」という大きな決断をし、新たな形で自分自身や仕事と向き合う日々を歩んできた。当時の心境やこの3年間の歩みを振り返って、今何を感じているのか。
「自分の人生をどうしたら豊かに生きられるだろうと考えたときに、もっと舞台に出る喜びや、お芝居への『好き』という気持ちを大切にしたいと思ったのがはじまりでした。歌舞伎の家に生まれ、ありがたいことに舞台に立たせてもらう機会を自然といただける立場でいた中で、そうした気持ちが次第に薄れ、ある種惰性になりそうな自分がいたんです。でも、今は結果を残さないと次のお仕事をもらえない環境に身を置いたことで、仕事ができることのありがたさを感じられるようになりました。
いつかまた歌舞伎の舞台に立ちたいという思いもありながら、映画や他の舞台などもっといろんなことをやりたいし、やれることを増やしていきたい。そういうマインドにもう一度なれたのは、良かったなと思います。元々仲が良かった同世代の俳優たちがどんどん活躍しているので、『負けていられないな』という気持ちもありますね」。

決めるところは決めて抜くところは抜く オンとオフの装い
普段、自身の装いには「襟を正しながらも、どこかしらに抜け感を持っておく」ことを大切にしていると話す。「僕の中での決まりごとは、舞台の初日と千秋楽には絶対にジャケットかスーツを着るということ。これは祖父(15代目 片岡仁左衛門)に教わりました。プライベートでは白シャツにジーパンが多くて、最近はそういうシンプルなファッションが好きですね。先ほどお話しした『余白』に近い、決めるところは決めて抜くところは抜く、という感覚です」。
一方で、自宅や近所でリラックスした時間を過ごすときは、スウェットや趣味で集めているサッカーのユニフォームなど、心から楽でいられる服を選ぶという。この日、都会の喧騒から少し離れた自然豊かな日本家屋で、千之助は「トハ」のリカバリーウェアに身を包んだ。
「今日はこの空間でこの服を着ていると本当に楽で、のびのびできて、最高の気持ちでした。普段、パジャマとして着ているリカバリーウェアを1着持っているんですが、これは家の中だけじゃなく、近くの行きつけのカフェに行くときや、神社への散歩にも着て行けそうですね」。

リカバリーウェアには珍しい、布帛タイプもラインナップ。日常に馴染むカラーバリエーションが揃う。すべてのリカバリーウェアには、「オリジナル風呂敷」が付属。(左から)「リカバリーウェア布帛 半袖/ロングパンツ(SAX)」2万900円、「リカバリーウェアカットソー半袖/ロングパンツ(BRN)」2万900円/トハ
「自分で自分の人生を豊かにする」 片岡千之助が見つめる、これから
仕事との向き合い方を見つめ直し、自分にとっての「余白」を考えてきた千之助。最後に俳優として、そして一人の人間としての“これから”について尋ねた。
「僕はなんでもやりたがりなので、自分が『いいな』と思うことならどんなジャンルでも挑戦したいです。まだ経験していないミュージカルもそうですし、海外で歌舞伎をやりたいとか、歌舞伎座であの役をやりたいとか、あの俳優さんと一緒にお芝居をしたいとか、本当にきりがない。ただ時間は限られているので、年齢のフェーズは意識したいと思っています。20代の今はまだ、オファーをいただいてお仕事をする受動的な立場でいることが多いですが、30代も後半に差し掛かる頃には、自分から企画を立てるなど、能動的に0から1を生み出せるようになりたい。
そして人間的なことで言えば、やりたいことをやってお金をいただいて、食べたいものを食べ、行きたい所に行き、会いたい人に会う、ということができるように、自分で自分の人生を豊かにしていきたいです。そういう意味でも、家にいる時間など、自分自身と向き合う時間は特に大切。情報が溢れている世の中だからこそ、一人でぼーっとしているだけで『幸せだな』と思えるような時間や感覚を大事にしていきたいですね」。

独自素材「セラフラックス(CERAFLUX)」を使用したリカバリーウェア。全身の血行を促進し、筋肉のコリの改善や疲労回復をサポートする機能性に加え、そのまま近所に出掛けられる「ワンマイルウェア」としても楽しめる、洗練されたデザインが特徴。 「リカバリーウェアカットソー半袖/ロングパンツ(CCL)」2万900円/トハ、その他スタイリスト私物
問い合わせ先
アーバンリサーチ:0120-967-013
片岡千之助 | Sennosuke Kataoka
2000年生まれ、東京都出身。2004年、初代片岡千之助として4歳のときに歌舞伎座で初舞台を踏む。2011年、片岡仁左衛門と戦後初の祖父、孫での「連獅子」を実現させる。2012年(当時12歳)から自主公演「千之会」を主催するなど芸事への研鑽を積みながら、2017年にはペニンシュラ・パリにて歌舞伎舞踊を披露。2020年には「カルティエ(Cartier)」腕時計パシャのアチバー(達成者)に選ばれる。現在は青山学院大学に在学しながら、映画や現代劇舞台、ドラマなどさまざまな分野で表現者としての活躍の場を広げている。
Instagram: @sennosuke.official
photography: Kei Sakakura, styling: Toshihiro Oku, hair & makeup: Miki Marutani | creative direction: Mina Jokoji, text & edit: Erika Sasaki, casting: Takashi Sasai, project management: Shiori Nagaoka & Erika Kawahara (FASHIONSNAP)
最終更新日:
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