日本初のカフェ業態をオープン、狙いは? インディテックスのザラ担当者に聞く

インディテックス ラウル・エストラデラ グローバル コミュニケーション オフィサー
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日本初のカフェ業態をオープン、狙いは? インディテックスのザラ担当者に聞く

インディテックス ラウル・エストラデラ グローバル コミュニケーション オフィサー
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「ザラ(ZARA)」が、日本での展開を加速させている。10月30日には、日本初となるカフェ業態「ザカフェ(Zacaffè)」を併設する新店舗「ZARA 心斎橋店」をオープン。年内には、近隣の大阪心斎橋筋店を改装してメンズ専門店としてリニューアルオープンし、心斎橋店とあわせて大阪エリアの旗艦店として打ち出す。
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今回、ZARA 心斎橋店のオープンにあわせてインディテックスのラウル・エストラデラ(Raúl Estradera)グローバル コミュニケーション オフィサーが来日。カフェ業態出店の狙いや今後の日本での事業展開について聞いた。

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日本初のカフェ業態をオープン、狙いは?
──新たにオープンするザラ心斎橋店では、日本で初めてカフェを導入します。世界でも数えるほどしか展開していない中で、あえて東京ではなく大阪にカフェを導入した理由は?
日本に限らず、「ザカフェ」を新設するというのは我々にとって非常に大きな意味を持つため、基本的にはブランドとの関わりが強い地域にオープンすることにしています。ここ大阪は出店から25年と長い歴史を持つうえ、東京と比べて広いスペースを確保できたため、今回の開店を決めました。
──カフェを導入することで、どんなポジティブな効果がありましたか?
具体的にどんな効果があったというよりも、店舗にカフェを併設することで、ザラは実店舗を大事にしているんだという意思表示になります。これが伝われば店舗で買い物をしてくださるお客様の満足度も自ずと上がっていく。お客様にお買い物の途中で一息ついてリラックスしていただけるスペースを設けたことは、ザラからのお客様への思いやりの一つです。


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──カフェの監修は他国同様、ラムダン・トゥアミが行っています。
我々はブランドの発展のために、店舗の建築デザインに関して新しい才能を外部から積極的に取り入れることが非常に重要だと考えています。ラムダンは国際的に有名で、実力のあるクリエイターです。更に日本のことを熟知していて、和のエッセンスをデザインに加えることに関しても長けているので、心斎橋の「ザカフェ」の監修を引き続きお願いしました。
──最近は「ティファニー(Tiffany & Co.)」をはじめ、ラグジュアリーブランドのカフェ出店が相次いでいます。
我々は、顧客の実店舗での購買体験を向上させたいというシンプルな気持ちでカフェを展開しています。そのため、他と差別化しようという考えはあまり持っていないです。
──「ZARA 心斎橋店」は、近隣に「ユニクロ(UNIQLO)」が営業しています。顧客を取り合ってしまう心配もあるかと思いましたが。
ファッション業界は細分化されています。ユニクロと我々は量産して手の届きやすい価格帯で服を届けるという意味では共通するかもしれませんが、ミクロの視点で見るとターゲット層や展開アイテム、細かな価格帯など異なる部分が多いです。だからユニクロと顧客を取り合ってしまうといった懸念は抱いていません。「シーイン(Shein)」などのウルトラファストファッションと呼ばれるところについても同様です。一方で、もし潜在的に競争意識が芽生えるとすれば、それは我々にとってもポジティブに働くので良いことかなと思っています。

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──ザラは「プレオウンド」という自社製品のリセールプラットフォームを展開していますが、顧客の反応は?
お客様からの反応は上々です。手元にあるザラアイテムの再販、修理、寄付ができるということで、サステナビリティへの関心が強い層を中心に受け入れられている実感があります。日本にも今後導入したいと考えてはいますが、現時点で具体的なスケジュールは決まっていません。
──そのほか、ザラが注力しているサステナビリティ活動について教えてください。
サステナビリティについては、国連が決めた「グローバル・コンパクト」の原則に従い、20年前から「エコショップ」という形でエネルギーと水の消費を抑える店作りに取り組んでいます。また、2030年までにザラ製品に使われる原料の100%を環境負荷の低い素材に置き換えることを目標にしています。
ファストリが猛追、ザラの今後の展望
──日本市場の足元の商況を教えてください。
具体的な数字については差し控えますが、日本での商況については概ね満足しています。
──日本市場の特徴についてはどのように見ていますか?
日本全体で一括りにすることは難しいですが、例えばここ心斎橋は大阪の中心地なので、国内外問わず観光客が多いです。パリやニューヨークといった都市と似ていますかね。多様なバックグラウンドを持ったお客様が来店されるので、こちらも幅広いニーズに対応できる品揃えを確保しておかなければならない。大阪に限らず日本市場はトレンドが始まるのが比較的早いので、それに負けないようなオファーをできるよう心がけています。日本は我々にとって、非常に重要なマーケットの1つです。

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──今後の日本での出店計画について教えてください。
現時点で、日本で店舗を増やす、もしくは減らすといったことについては言えません。はっきり言えることは、既存の店舗をリニューアルすることが増えていくだろうということです。例えば、2025年のうちには「ZARA 大阪心斎橋筋店」を改装してメンズ専門店としてオープンします。今後の展開にも期待して見守っていただけたら幸いです。
──現時点でザラを擁するインディテックスはアパレル小売業世界1位。日本のファーストリテイリングが2位のH&Mに迫るなど猛追を見せていますが、それについてはどのように考えていますか?
ファーストリテイリングのことはリスペクトしています。ここまで業績を伸ばすには途方もない努力が必要であることは、我々がどの会社よりも理解しているからです。ただ、我々は創業から50年間、いかにしてお客様に喜んでもらうかということを1番に考えてビジネスに取り組んできました。今後もそこはブラさず、前だけを見て進んでいきたいと思います。
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