新クリエイティブディレクターのルイーズ・トロッター（Louise Trotter）による「ボッテガ・ヴェネタ（BOTTEGA VENETA）」のデビューコレクションがミラノで披露された。2026年サマーコレクションは、「工房」を意味するブランド名の原点に立ち返り、創業60周年を迎える歴史的節目に相応しいコレクションとなった。

　ショーは、ヴェネツィアの華やかさ、ニューヨークのエネルギー、ミラノの本質主義という三都市の精神性を結集。1980年代か2000年代初頭に活躍した初の女性デザイナー、ラウラ・ブラジオンの足跡と、共同創業者レンツォ・ゼンジアーロの「ソフト・ファンクショナリティ」の哲学を現代的に再解釈した。クラシックな9mm/12mmスケールのイントレチャート技法は、現代的なアレンジを加えつつ、コレクション全体を貫く統一要素となり、夏向けの軽量テーラリング素材を中心に、ナッパレザーのトレンチコートやコットン裏地付きイブニングドレスなど、伝統的メンズテーラリングの規律と柔軟性が融合した作品が並んだ。

　バッグコレクションでは、「ローレン」が縦型の新プロポーションで復活し、ノットは柔らかな構造へと進化。新作スカッシュやフレームトート、クラフティバスケットなど、伝統を尊重したアイテムを披露した。

　ショーのサウンドトラックには、アカデミー賞受賞監督スティーヴ・マックイーンによる「'66–'76」が使用され、ニーナ・シモンとデヴィッド・ボウイの「Wild Is The Wind」を「音のイントレチャート」として編み上げた。