三越伊勢丹HD、SPA化の推進で「新たな店舗モデル」へ

伊勢丹新宿店
伊勢丹新宿店
画像: FASHIONSNAP

 三越伊勢丹ホールディングスが5月11日、3カ年計画として自社開発のSPA事業に重点を置く「新たな店舗モデル」を発表した。業績を伸ばしているEC事業では、ラグジュアリーECと越境ECを今期中に開設する予定。低迷する支店・地域店については抜本的な構造改革による収益改善に本腰を入れる。

 2016年度から2018年度の3カ年計画では、営業利益500億円の達成に向けて追加施策を発表。強化する仕入構造改革について大西洋 代表取締役社長は「覚悟を決めてリスクを背負わないと生き残れない」と強調し、その中核として100億円規模のSPA事業に取り組む。モデルとなるのは海外にも卸販売を広げている自社シューズブランド「ナンバー・トゥエンティーワン(NUMBER TWENTY-ONE)」で、売上高は2015年度の9億8000万円から30億円に拡大を計画。既存店を含めた支店・地域店の開発では、撤退が相次ぐNB(ナショナルブランド)に代わり自主編集を取り入れるなど、今期中に新たな中小店舗モデルに着手。自主編集コンテンツ、SPA型コンテンツ、フーズとカフェからなる自社MDを7割、残りの3割をテナントの構成で想定する。また名古屋エリアを例に、母店となる大型店を核に中小型店コンテンツを集中展開するエリアドミナント戦略を全国の拠点エリアで展開する。

 2016年3月期の連結売上高は1兆2872億円(前年比101.2%)、営業利益は331億円(同100.1%)、経常利益は367億円(同106.2%)。百貨店事業では基幹店の売上高は計画比の103%と伸びているが「大きな課題」(大西社長)とする支店が96%に落ち込んだ。一昨年秋から続く中間層消費の低迷が長期化し、特に衣料品が苦戦。後半はインバウンドが減速し、客数は基幹店で2割弱伸びているが客単価が3割弱落ち込んだことで売り上げが減少した。直近の2016年4月のインバウンド売上高は2014年10月以降はじめて前年を下回っている。大西社長は、日本の人口や経済状況を鑑みると「百貨店の売り上げは伸びない」とし、仕入構造改革をはじめITなどを活用した「発想の転換」、そしてこれまでモノの提案が中心だった百貨店事業を「コトの提案」に寄せていくなど、グループの新たな姿勢を打ち出している。