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アマゾンや楽天、大手の寡占化に打ち手示せ

通販新聞

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米アマゾン・ドット・コムが公表した資料によると、日本における2012年12月期の売上高は、前期比18・6%増の78億ドルだった。資料では直近3年間の売上高が示されているが、2010年11月から開始した恒常的な送料無料化の効果などにより、新規顧客獲得と既存顧客の購入回数の増加につながり、順調に売上高を拡大させていることが分かる。一方、楽天の12年12月期における国内EC流通総額は、前期比15・3%増の1兆4460億円だった。大手事業者の売り上げ拡大に拍車がかかる中で、既存の通販事業者は早急に生き残りに向けた施策を打つ必要がある。

 アマゾンの公表した売上高は、直販分など、アマゾンジャパンとしての売上高とみられる。アマゾンマーケットプレイスなど、アマゾンのサイトに出店・出品する他社の売上分を含んだ流通総額は、関係筋によると日本円で1兆円を超えているもようだ。

 国内企業では、楽天の「楽天市場」の流通総額も1兆円を突破している。オークションやチケット販売、ダウンロードなども含めた、12年12月期における国内EC流通総額は1兆5000億円近くに達した。

 両社の流通総額は大きな伸びを見せており、日本のネット販売市場の成長を上回るペースとみられる。つまり、大手による市場の寡占化が進んでいることが明白になったわけだ。

 アマゾンが近年、日本で売り上げを大きく伸ばしている理由として考えられるのは、送料無料化の恒常化と取り扱い品目の拡大だ。どちらも新規顧客の取り込みとリピート購入の増加に貢献しているのは間違いない。さらには、家電製品やゲーム・CD・DVDなどでは値引きによる攻勢もかけており、競合企業にとっては大きな脅威となっている。また、楽天も「品揃えの拡充」「翌日配送サービスの向上」「大型セールイベント」を楽天市場の増収要因として挙げている。「品揃え」「配送関連サービスの充実」「値引き販売」がポイントになっていることが分かる。

 既存の事業者も手をこまぬいているわけにはいかない。例えばヨドバシカメラは、2月から書籍の取り扱いを開始した。送料は無料で、首都圏や全国の主要都市など、一部地域では注文当日の配送にも対応する。同社では一昨年から送料無料に対応しているほか、当日配送の地域拡充にも力を入れており、商材拡大でアマゾンに対抗する形だ。

 もちろん、こうしたサービス拡充は、大手企業だからこそ実現できる面があるのは確かだ。多くの事業者にとっては、商材をむやみに増やす必要はないし、当日配送にあまり需要がない商材もある。とはいえ、各社の配送関連のサービスレベルはここ1年で格段に上がっており、注文当日中の出荷や翌日配送への対応は考慮する必要があろう。

 サービス競争の加熱にどう対応するか。追いつくべく努力するのか、あるいは価格で対抗するか。もしくは独自商材や大手であまり扱わない商材を強化するのか。ネットで商品を販売する事業者は早めに答えを出す必要があろう。

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