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コスプレ、シースルー、下着......見せるファッションは法律的にどこまでOKか?

見せるファッションはどこまでOK?
Image by: Fashionsnap.com

 クリスマスが近づいてきて、サンタコスプレの売り上げも順調に伸びているという。今年はハロウィンでの好調を受け、コスプレ市場が拡大。ベーシックなサンタアイテムから過激なものまでバリエーションが豊富に店頭に揃う。ただ、見せブラなど露出に対する社会的許容度が緩くなる一方で、秋葉原の歩行者天国でアイドルが下着を見せるなどして逮捕され「どこまでがOKなのか」という疑問も多く聞かれる。一歩間違えば、わいせつ行為と認定されてしまうため「どこまでが大丈夫なのか?」「何をしたらダメなのか?」を大本総合法律事務所の弁護士 佐川未央さんに聞いた。

 ファッションの露出において当てはまる主な刑事罰は、「公然わいせつ罪」と「軽犯罪法」の2つ。わいせつの定義は「性器を露出するなど周囲の性欲や興奮をいたずらに刺激し、性的羞恥心を害すること」で、軽犯罪法では第1条20項の「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり(尻)、もも、その他身体の一部をみだりに露出した者」が該当するとのこと。判断基準は、公然性の有無やその時のシチュエーション、場所、周囲の人々など"純客観的であること"が重要で、「芸術的作品であっても、わいせつ性を有する」場合があるという。公然わいせつ罪では6月以下の懲役や30万円以下の罰金、1000円以上1万円未満を徴収する科料、懲役及び罰金の併科といった罰則が課され、軽犯罪法では拘留または科料の懲罰の可能性もある。これに加えて、都道府県によって迷惑行為防止条例を定めている内容が異なり、京都府では卑猥な行為の禁止を定めた第3条の7項で「みだりに、他人に、異性の下着を着用した姿などの性的な感情を刺激する姿態または性的な行為を見せること」と下着姿に関する条例も定められている。

 公然わいせつ罪は「性器を露出するかどうか、守られるべき部分がカバーできているか」という明確な基準が存在する一方で、軽犯罪法については「条文上構成要件が定められていたとしても、基準が明確にあるわけではないので、その都度検討する必要がある。ポイントは、誰が見ても不快を感じるといえるか、周りにいる人と温度差があるような服かどうかなどを考慮して判断される」と佐川さんは言う。表現の自由がある程度許容されているファッションショーや公に該当しない限られた人だけが参加できるクローズドイベントの会場では、外から見えない限り露出の制限は緩やかになるが、電車や街中といった誰でも出入りできる公共の場では、一般常識として考えた時に他人を不快にさせることのないファッションであることが重要。仮に本人がそのファッションを「普通」と捉えていた場合でも、一般的な判断で刺激を与えるものとされた場合は軽犯罪法上の要件に該当しうるという。このケースでの"一般"は、最終的には裁判官の判断に委ねられる。ちなみに、ファッションが絡んだ公然わいせつについて聞くと「あまりない事例。事務所としても扱ったことのない内容で、それ以外でもこれまでに聞いたことがない。仮にそのようなことがあった場合、裁判官が明確に判断できる相当な理由がなければ、警察官は逮捕できない。ヒップやもも、乳首を自分から見せるなどの積極的な行為が行われない限りは、だいたいが保護に留められるのでは」と推測する。

 佐川さんの見解によると、下着が透けているファッションでも、性器がしっかりカバーされていれば基本的には公然わいせつ罪に該当する問題はないという。ただ、Tバッグのようなヒップの露出度が高いものと組み合わせた場合は、「見えていることがわかっているのに見せ続けることは、公共の場では不快にも繋がる」と軽犯罪法上の構成要件に該当する可能性もあり、TPOの配慮が必要。軽犯罪法上の構成要件該当性の有無は、総合的に判断されるため、仮に下半身の露出度が高かったとしても、トップスを控えめにしたり一枚でも何かを羽織るなど"欲情させないファッション"にすることや着用する場所を意識することで、法律に抵触することは「ほぼない」レベルまで下げることができる。最近では、イベントを主催する団体のなかでも露出規制を自主的に設けるところもあり、主催者側が節度やルールを参加者に意識付けする動きも出ている。佐川さんは、「一般的な価値観や文化が移り変わったことで、ファッションに対する許容度も広がった。一方で境界線が甘く個別の判断に委ねられるため、不安を感じるようであれば、弁護士に確認をした方が良いと思う」と前置きしつつ、「節度や適切な場所、シチュエーションをわきまえた上で、ファッションを自由に楽しんでほしい」とアドバイス。どんなに盛り上がっても、あくまでも「KY」にならないように気をつけるのが一番の予防策だろう。

大本総合法律事務所

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