Fumitoshi Goto

米で拡大中 アマゾンが宅配サービスの年会費撤廃を検討?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アマゾンは、徐々にサービス地域を拡大している宅配サービス「アマゾンフレッシュ(AmazonFresh)」の年会費299ドルを検討しているようだ。生鮮食品や冷凍食品などを宅配するアマゾンフレッシュは「プライム・フレッシュ」会員にのみ提供される会員制サービス。アマゾンによると、午前10時までに注文した商品は、当日の夕食(午後6時)に間に合うよう配達され、午後10時までに注文すると、翌日の朝食(午前6時)に間に合うとしている。アマゾンフレッシュの年会費は299ドルで、年会費99ドルを支払っている「アマゾン・プライム(Amazon Prime)」会員は、差額分の200ドルでアップグレードすることになる。なお50ドル以上注文すれば、配送手数料は無料となる。2007年にシアトルの一部地域から始まったアマゾンフレッシュは2013年にロサンゼルスでもサービスを開始、同年12月にはサンフランシスコ、2014年10月にはニューヨーク市ブルックリン、同年11月にはフィラデルフィア、今年5月にはニュージャージー州の北部でサービスを開始し、各々でサービス対象地域を拡大している。ニューヨークのプライム会員は、試行期間としてアマゾンフレッシュを年末まで無料(送料無料)で利用でき、2015年から差額分を課金される予定となっていた。だが、利用者によると、8か月以上経過してもまだ課金されることはなく、アマゾンフレッシュは9月まで試行期間としているのだ。試行期間の延長はシアトルやフィラデルフィア、ニュージャージー州北部でも行われている。カリフォルニアでは299ドルの年会費とは別にプライム会員なら手数料7.99ドルを支払うとサービスを受けられる価格体系となっているのだ。
生鮮品の宅配サービスでは、ホールフーズなどが買い物代行&当日宅配サービスのインスタカートと提携し宅配サービスを拡大している。スーパーマーケットによる宅配サービスが拡大する一方で、アマゾンフレッシュでは年会費299ドルが支障となり、ユーザー数が頭打ちになっていることも否定できない。競争激化によりアマゾンフレッシュは年会費299ドルを撤廃する可能性もあるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アラバマ州バーミンガムで今年創業したばかりのシプツ(shipt)は8月からフロリダ州タンパ地区で買い物代行サービスを開始しました。インスタカートと同じクラウドソーシングのビジネスモデルですが、シプツの場合は1マーケット1スーパーマーケットを採用しています。インスタカートでは戦略的提携を行っているホールフーズをはじめ、セーフウェイやコストコなどの大手チェーンストアの他、一部に地元スーパーも利用可能となっています。で、シプツのタンパ地区のスーパーマーケットは、パブリクスのみとなっています。そのシプツが9月5日からフロリダ州オーランドでもサービスを開始します。オーランド地区でもパブリクスのみの指定とされています。シプツのサービス手数料は1回7ドル。年会費99ドルのメンバーシプツ(MemberShipt:現在は年会費49ドル、月額では14ドル)に加入すると、発注金額が35ドル以上は手数料無料となり、何度でもサービスを受けられるのです。注文から最短で1時間の宅配です。

⇒一方のインスタカートでは「インスタカート・エクスプレス・メンバー(Instacart Express Members)」の年会費が99ドルです。その都度、手数料を払う注文方法もあり、35ドル以上の注文ならば2時間配達が3.99ドル、1時間配達が5.99ドル、35ドル以下ならば、それぞれ手数料が4ドル高くなります。インスタカートでは一部商品をマークアップせずにお店の価格と合わせるようにしています。インスタカートやシプツ以外ではセーフウェイやウォルマートの一部地域で自社でトラックを持ち宅配サービスを行っているところもあります。で、最近では宅配以外にも「カーブサイド・ピックアップ(Curbside Pickup)」「クリック&コレクト(Click & Collect)」「ドライブアップ(Drive-up)」など、店の前でピックアップサービスを提供するクローガーのようなスーパーも出てきています。クローガーでは1回あたりの注文手数料は4.95ドルとなっています。ウォルマートのグローサリーピックアップでは手数料はありません。
こうなってくるとユーザーにはアマゾンフレッシュの年会費299ドルが割高に映ってしまいます。付加価値を付けて299ドルのままにするのか、撤廃することでユーザーを増やせるのか、アマゾンフレッシュのテストが続きます。

後藤文俊

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