Shigeto Ichikawa

ポテンシャルを生かしていない「まとふ」

市川重人

繊維ニュース 記者

フォローする:

— ADの後に記事が続きます —

 和装を想起させるコレクションでデビューし、着実に歩みを進めるブランド「まとふ」が、2016-17年秋冬コレクションを発表した。ブランド創設から11年目を迎え、東京・表参道にある路面店には上顧客や外国人観光客が訪れるなど、繊細な美意識は徐々に浸透している。また、日本ファッション・ウィーク推進機構による支援枠から羽ばたいたブランドでもあり、行政や機構側から「デザイナー支援の成功例」として語られている。

 しかし、同ブランドの服は、海外で殆ど売っていない。欧米はおろか、アジア諸国でも取引先はごくごく僅かである。需要はあると思うのだが、足元の国内で基盤を固めている。国内で素材を調達し、提携する国内工場で生産。近年は着用しやすい単品も増え、価格もそれほど高くないのだから、海外進出には打ってつけのブランドだと思っていた。長着に現代性を加味したアウターは、たっぷりとしたフォルムで(外国人向け)サイズの心配もない。

matohu_16AW_0075-thumb-660x990-527462.jpg

 昨年、デザイナーの堀畑裕之に、海外市場の新規開拓について聞いた。すると「国内で基盤を固めてから考える」とのこと。資本と営業的な問題もあると考えられるが、16-17年秋冬コレクションを見ると、色使いやフォルムで海外との親和性が高くなっているように感じた。3年前、ザ・ウールマーク・カンパニーが開催するファッションコンテスト「インターナショナル・ウールマーク・プライズ」日本代表としてアジア地区大会に挑んだが、落選した経験もある。「(プレゼン方法を含め)あれは難しかった」と述懐した堀畑。

 東京のメンズブランドやストリートブランドが次々と海外進出を果たす中で、ノンエージ提案でウィメンズ市場を開拓できるブランドは早々ない。ファッションコンテストは残念な結果になったが、ビジネスでは取り戻せるのではないか。和装から着想したモダンな服。国内素材を軸にクリエイションをしている背景からも、大きな可能性を秘めている。

>>matohu 2016-17年秋冬コレクション

【roomservice 編集長 市川重人の東コレ短期コラム】
新鋭とトップレベルの競演、2組の興味深いスタンス

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング