Masaki Takida

東京でショーをやる意味を示したKOCHE

滝田 雅樹

Changefashion.net 代表兼編集長

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「Amazon Fashion Week TOKYO 2017 S/S」3日目が終了しました。「コーシェ(KOCHÉ)」のショー盛り上がりましたねー。

東京のユースカルチャーの代表的な街である原宿、とんちゃん通りを舞台に路上でのファッションショー。場所は非公開のはずが業界人大集結、噂を聞きつけた一般人も混ざって物凄い人の多さでした。路上でこういったショーをやったのはFAKE前での「クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)」「エンペラート(EMPERART)」「ターザンキック(TARZANKICK!!!)」の合同ショー(2011S/S)以来だと思います。

「パリのエネルギーを東京の街に持ってくることにより新しいエネルギーのコネクションを作る。」とデザイナーのクリステル氏。モデルのキャスティングはシトウレイさんにお願いし東京の"今"を表す人達をセレクト、そこにパリでもモデルを務めたKOCHEのミューズも加わり、スタイリングにはトリを飾ったYOONさんが手掛ける「アンブッシュ(AMBUSH®)」のアイテムもミックスした。会場のアトモスフィア、ロケーション、モデルのキャスティング、凄く刺激的なショーでした。このショーをやったのが日本のブランドではなく海外のブランドであったのが残念ではありましたがショーを見て何かを感じた人が次世代のファッションを作っていって欲しいと思いました。「パリの後に一番に見せたい国が日本だった」と語っていましたが東京でKOCHEというパリコレブランドを見せることの意味を凄く考えた結果のコレクションだったなーと思います。

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>>KOCHE 2017年春夏コレクション

ここからは昨日見に行った展示会ベースのブランドを紹介します。
ミラノでショーをやっていたデザイナーが手掛けるメンズブランド「パイン(PINE)」。デザイナーの松村正大は2005年に「ジュリアーノ・フジワラ(giuliano Fujiwara)」のクリエーティブ・ディレクターに就任し、2006年に最年少26歳でミラノコレクションにデビューしました。僕がロンドンで学生だった頃自分と同年代のデザイナーが歴史あるブランドのデザイナーに就任したと聞き刺激を受けたのを覚えています(在任中のミラノでのショーも何回か見ています!)。

その松村さんがジュリアーノを退任後2014S/Sよりスタートしたのがメンズブランド"PINE"。デザイナーの故郷である北海道の自然にインスパイアされた、アウトドアの要素を取り入れながら造られる都会的でモダンなコレクションは繊細で革新的な日本の職人技や素材、細部へのこだわりを活かすため素材、付属、縫製に至るまで日本で作られています。また、洋服だけでなく鯖江で作られているアイウエアも好感度のアイウエアショップで取り扱われています。

今季は得意とするミニマルなスタイルに写真家、大中啓さんによる花の写真を加え、単色が中心だった今までとは少し違った印象に。オレンジやネイビーなどの色の差し込み方はgiuliano時代のコレクションにも通ずる部分があるのかなと感じました。

そんな松村さんにファッションショーに対する今の想いを聞きました。「今はファッションショーには全く興味はありません。デザイナーとしてそういった経験があるからこそ今があると感じています。面白い発表の仕方は考えていきたいと思っていますがステップバイステップでやっていきたいと思っています」。その理由として「ファッションショーの為に制作したコレクションピースやジャーナリスト受けが良かったものはセールスには直接繋がりませんでした。ショーをやるのであればそれをある程度考慮した上で規模感を出して行かないと中途半端なものになってしまいます。今後それくらいの体力があればまた考え方も変わるかもしれませんが。」とショーブランドだからこその葛藤もあった以前とは違い、今はよりシーズン毎の明確なコンセプトを決めず、よりパーソナルなコレクションを発表しています。

そしてもうひとつは韓国出身のデザイナーのイン・チソンが手掛ける「イン(IHNN)」。

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2012年に文化ファッション大学院大学を卒業後2014年にブランドを設立、今回が5シーズン目となり、取引先は伊勢丹新宿店リ・スタイルやBARNEYS NEW YORK、HOUSE MIKIRIHASSHINなど。同級生には「ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)」の大野君、1学年上には「ラマルク(LAMARCK)」の森下君、最終日にショーを行う「プラスチックトーキョー(PLASTICTOKYO)」の今崎君なども同校の卒業生です。

実験的でユニークなファブリックと美しいカラーリングが特徴の今季は他のブランドがあまり使わないようなボンディング素材などオリジナリティーを追求しながら 今までより手に取りやすいアイテムが増えた印象です。

インさんにもファッションショーに対する想いを聞きました。「ショーは凄くやってみたい。でもやるのであればつまらないものは見せられない。見る人がわくわくするようなそんなショーをやりたい。だからいつとかではなく時がきたら。韓国のファッションウイークも盛り上がっているけどファッションが大好きなので今は東京で勝負していきたい。」と早ければ数年以内に東京でIHNNのショーが見れるかもしれません。

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本日はファッションウイーク4日目です。10周年を迎える「ベッドサイドドラマ(bedsidedrama)」の初のランウェイショーや東京でのラストショーとなる「ビューティフルピープル(beautiful people)」など注目のブランドのショーが行われます。今はSNSやウェブですぐにショーのルックも動画も発表されるけどショーは生で見てライブ感を感じてこそだと強く感じた3日間でした。

【Changefashion.net 代表兼編集長 滝田雅樹の東コレ短期コラム】
「シャツだけでどこまで行けるか」ウエムロ ムネノリが初めてのショーで挑戦したこと

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