Masaki Takida

「東京ファッションウィークは大丈夫?」という問いについて

滝田 雅樹

Changefashion.net 代表兼編集長

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 ファッションウイークが先週末で終了しました。期間中はまるで同窓会のようにこの期間しか会わない人達とファッションのことについてたくさんの会話をします。特に今シーズンに関して言えばファッションウイーク大丈夫?という声を各所で聞いた気がします。

 ファッションショーを行うにはたくさんのお金がかかります。300人規模のホールBでもちゃんとしたものを見せようとすれば300万~500万くらい、ホールAでやっているブランドはこの倍以上のお金が動くことも少なくありません(会場支援や演出の規模により大分異なりますが)。300万ものお金をショーにかけるには本来であれば半期(1シーズン)で数千万円の売り上げがないと採算が取れないはずです。「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京」のスローガンに世界に向けた新人デザイナーの登竜門にという文言がありますが、それにしても簡単にショーを行うブランドがあまりにも多い気がします。果たしてショーをやることがベストの選択なのか、ショーをやるのであればどういう見せ方にすれば自分たちの良さがより伝わるか、もっと考える必要があると思います。(会場やお金の)支援があるからやる、では見る側にも何も伝わりません。支援する側もその意味をもっと慎重に考えてもらいたいです。

今は昔より簡単にブランドを始めることが出来る時代になったと思います。雑誌や新聞に頼らなくてもある程度自分たちでSNS等を通じて発信していくことが出来ます。だからこそ無数にブランドが存在し、たくさんのブランドが生まれは消え、残っていくブランドになるには以前より難しい時代になったと思います。何の為にショーをやるのか、どういう人に服をきてもらいたいのか、もっとブランドをやる意味を考えなければいけないと思います。それは展示会ベースのブランドも同じことです。どの場所で展示会をやるのか、どのようなルックを発表するのか。デザイナーが良いものを作るのは当たり前のことでそれをどんな人に見せてどのように伝えていくのか、デザイナーの役割はそこまで求められる時代なのではないかと思います。勿論そういったことをサポートしてくれる人がいればそれがベストですけどね。

ファッションブランドを始めるのは敷居が低くデザイナーにも簡単になれます。ですがちゃんとしたブランドを運営するにはお金もかかりますし、かけたお金に対してリターンを得るのはなかなか簡単ではありません。今だけでなく数シーズン先を見据えてやっていかなければ継続していくことは出来ません。

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 僕自身元々ファッションショーが大好きでFASHION NEWSやファッション通信を見てファッションショーに憧れていた学生時代でした。留学先のロンドンで初めてファッションショーを見た時には凄く感動したのを覚えています。知り合いのバイヤーに連れていってもらったパリで初めて見たラフシモンズや、マルタン・マルジェラの20周年ショー、東京でも「ソマルタ(SOMARTA)」の2回目のショーや「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」がごみで作ったショーなどはとても印象に残っています。今の東京に学生たちにとって魅力的なブランドがいくつあるのでしょうか?

 今週末3月27日にはコロモザ(coromoza)で毎シーズン恒例の東京コレクションを振り返る会が開催されます。ファッションウィークで発表したデザイナーや編集者、バイヤー、研究者などが集まり東京コレクションを振り返るという会です。今のところデザイナーは「ティート(tiit)」と「プラスチックトーキョー(PLASTICTOKYO)」と「ツカサ ミカミ(TSUKASA MIKAMI)」の3名が登壇する予定になっています。ファッションウイークを盛り上げるには私たち業界人が声を挙げるのは勿論、一般の方の声も必要です。学生にこそ疑問を投げかけてもらいたいです。

 そして、ファッションウイークは先週末で終了しましたが展示会はこれからが本番です。バイヤー、プレスは先週より今週の方が忙しいと思います。東コレレポートはこれで終了しますがショーをやってるブランドだけでなく展示会ベースのブランドにももっと目を向けていただけたらと思います。東京にも世界に誇れる、世界に出ていける良いブランドはたくさんあると思います。みんなで東京のファッションを少しずつ盛り上げていきましょう。

【Changefashion.net 代表兼編集長 滝田雅樹の東コレ短期コラム】
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