Masahiro Kubo

ファッションの世界観は見せるだけでは伝わらない

久保雅裕

アナログフィルターJournal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)編集長

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以前、東コレで「世界観なんてどうでもいい! と思う事もある...が」「デザイナー達は『想いを伝える術』に長けているか?」という記事を書いた事がある。

ー過去記事ー
世界観なんてどうでもいい! と思う事もある...が
デザイナー達は「想いを伝える術」に長けているか?

世界観を見せることで、想いを伝えられると思うなら大間違い。その世界観を正確にかつ的確に伝える方法と手段を考えなければ意味がない。今日も、そんなテーマを頭に巡らせながら、ショーを回った。

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「ディスカバード(DISCOVERED)」は、トラスを組み上げたランウェイの中央でTOKYONO.1 SOUL SETの川辺ヒロシがDJプレイし、激しいビートと疾走感のあるモデルたちが闊歩した。メンズドレス素材にスタッズのミスマッチさやネイビー・ベロアの上下が目を引いた。

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>>DISCOVERED 2017年春夏コレクション

「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」は、電動で上下するシースルーの筒にプロジェクションマッピングで線の流れを映し出し、アートを身に纏うようなコレクションピースを披露した。

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>>HIROKO KOSHINO 2017年春夏コレクション

「ベッドサイドドラマ(bedsidedrama)」は、横長の舞台を設置し、窓枠やブランコを天井から幾つもぶら下げ、様々なぬいぐるみが登場し、メルヘンチックな世界を演出した。

z_bedsidedrama_17ss-011.jpgz_bedsidedrama_17ss-021.jpg>>bedsidedrama 2017年春夏コレクション

それぞれに己の世界観を表現していたが、表現方法として圧巻だったのは「ビューティフルピープル(beautiful people)」。総板張りのバックパネル、ステージ、ランウェイ、客席という懲り様で、その演出はそれなりに分かったのだが、それ以上にインパクトがあったのが、ショー終了後に始めた自分達のライブ。以前、ビートルズナンバーを自ら演奏しながらショーのバックミュージックとして行なった事があったが、今回は、終わった後にしっかり聞いてもらおうという趣向だ。これを最後に次シーズンはパリコレクションにデビューする。囲み取材でデザイナーの熊切秀典は、サンディカのオンスケジュールでのデビューを明かしつつ、「先輩達とは違った形で挑戦する」とアイデアを用意している様子だった。また「東京でもファンに対してオンシーズンでのショーによる披露も考えている」と意欲を見せた。「また東京で彼らの音楽が聴けるのだ」とホッとした。

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>>beautiful people 2017年春夏コレクション

さて本題に戻るが、世界観を見せる事の本質は、やはり「想い」を伝える事が出来たか、出来なかったかなのだと。そういう意味で、ビューティフルピープルは、良い意味で滑稽だろうが、或いは、多少はお愛嬌だとしても、ファンと観客に想いを伝える術に長けていたと実感した。彼らの勢いの原動力は、こんなところにあるのかなと思いつつ、ヒカリエをあとにした。

【「ジュルナル・クボッチ」編集長久保雅裕の東コレコラム】
ファッションウイークが本物の祭りだとすれば...
色と配置の妙は、日本人のDNAから
自由な表現や主張と「おもてなし」のバランス

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