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【2018年ベストバイ】ライゾマティクス真鍋大度が今年買って良かったモノ

 今年のお買い物を振り返る「2018年ベストバイ」。9人目は、ライゾマティクス(Rhizomatiks)の取締役でメディアアーティストの真鍋大度さん。プログラマーやDJ、そしてパフューム(Perfume)のライブなど最新鋭のステージ演出でも知られていて、鹿児島県霧島アートの森で個展を開催中です。マルチな活躍ぶりは、ロバート秋山竜次さんの人気企画「クリエイターズ・ファイル」のモデルになるほど。そんな真鍋さんに、今年買って本当に良かったモノを紹介してもらいました。

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UNDERCOVER モッズコート

F:1着目は「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のコートですね。いつ頃買ったんですか?

真鍋:2〜3ヵ月前かな。なかなか着る機会がなかったのですが、先々週ボストンに行っていて、すごく寒かったので下ろしました。役に立ちましたね。

F:ベンチコートのようで防寒に良さそうです。袖が取り外しできるようになっているんですね。

真鍋:袖を外して格好良いのかわからないのと、無くしそうだから外したことはなくて。

F:では購入したポイントは?

真鍋:惹かれたのはココです。「2001年宇宙の旅」のモチーフ

F:SF映画の名作ですね!アンダーカバーの2018-19年秋冬コレクションの着想源だったようです。

真鍋:すごく好きなんですよ。この映画が60年代に作られたなんて、思った以上に昔ですよね。ストーリーや映像美、楽曲は言わずもがなですが、映画で使われている音の感じがすごく良いんです。このプリントの「HAL Laboratories」は映画に出てくる人工知能の研究所で、そのスタッフコートのような感じで。

F:このライゾマティクスのオフィスも研究所のようなので、イメージと繋がってきました。

真鍋:宇宙系が好きなんだと思います。もっと古い映画だとフリッツ・ラング監督の「月世界の女」(1929年公開)とか。最近、昔の映像を掘っているんですよね。

F:どんな映像ですか?

真鍋:特に無声映画です。音のない映画を上映しながらDJするというのを、アルス・エレクトロニカ(オーストリアのリンツで開催されているメディアアートの祭典)でもやっていたんですよ。最終的に、無声映画に自動的に音を付けるということもやろうとしていて。VJも、ルーツは昔のアブストラクトシネマなど20世紀初頭の実験映画にあるんです。当時はアナログでしたけど。

F:なるほど。そういった映像はいつもネットで?

真鍋:これがね、全部YouTubeに上がっているんですよ。昔だったら大学などの先生と呼ばれる人の所に行かないと見られなかったのに。でもアカデミックな意味でルーツを掘っているというより、ヒップホップのDJがジャズの元ネタを探すみたいな感覚に近いと思います。そう考えて見ると面白いと思うので、あとでリンクを送りますね。

F:ぜひお願いします!

 

UNDERCOVER キャップ

F:次のキャップも同じくアンダーカバーです。帽子だと、真鍋さんは最近ビーニーのイメージが強かったんですが。

真鍋:現場によってはメッセージやロゴが入っているものは着られないこともあるんです。でもこのキャップは、刺繍のメッセージがいいんですよね。「Human Error」という。

F:人為的な失敗という意味ですね。

真鍋:仕事の現場にかぶっていくとすごく嫌がられる(笑)

F:これは確実にツッコまれます(笑)。アンダーカバーはよく買っているんですか?

真鍋:そこまで多くはないけど、今シーズンはやはり、「2001年宇宙の旅」のモチーフやメッセージが良くて。ちょうど50年前の映画ですけど、人工知能が出てくるあたりも先進的だなあと思います。

F:アンダーカバーも「AIに支配される人間への警告」というテーマでした。

真鍋:人工知能ブームですよね。僕は本番1発勝負でミスが許されない現場が多いので「Human Error」をかぶって警告しています(笑)。

 

Sonar Festival Tシャツ

真鍋:これもまた宇宙ネタなんですけど......。

F:好きですね(笑)。どこで買ったTシャツですか?

真鍋:これはバルセロナで開催されている「ソナー フェスティバル」のグッズです。いわゆる音楽フェスなのですが、エレクトロニカ系がメインで実験的な音楽が集まるフェスでは一番大きい。毎年約15万人集まるようです。

F:このプリントの0と1の並びは何でしょう。

真鍋:ソナーで「Sonar Calling」という面白いプロジェクトがあって、「GJ237b」という惑星に向かって楽曲を放つんです。もしそこに地球外生命体がいたら、音楽を聞いて何かしら信号を返してくるはず、という仮定で。それに、作曲家や、僕みたいなプロミングをやっている人や専門家が世界中から集められるんです。音楽といっても電磁波に変換して大きなアンテナから送るので基本的に2進数の情報で、このプリントの0と1がそれを表しているという。

F:なるほど、ロマンがあります。では、ここに音楽か何かの情報が隠されているということなんですね。

真鍋:ちょっと待っててくださいね。え〜と、はい。今簡単に解読のツールを作ったので入れてみますか。

F:え、今の一瞬でそれを作ったんですか!?すごい。

真鍋:0、0、1......うーん、すぐには分からなさそう。

F:気になってきました。もし解読したら教えてください!

真鍋:そう、「これ何だろう」となりますよね。その背景にあるコンセプトも面白かったので買ったのですが、ソナーが面白いなと思うのは実験的な部分と、あとこういうアートディレクションとか作り方がすごく上手くて。現地でこれを着てはしゃいでいたので、ボロボロですけどね。

 

Supreme×COMME des GARÇONS SHIRT コート

F:「シュプリーム」と「コム デ ギャルソン シャツ」のコラボはレアですね。

真鍋:ギャルソン自体はそんなに着ないのですが、これはいいなと思って。僕が普段着ている服の中でも結構カチっとしている方。作りはギャルソンなので、物として良いと思います。このシリーズのTシャツとパーカも買ったんですよね。

F:購入のポイントは?

真鍋:正直このコートはシュプリーム感がほぼないんですが、後ろの感じが好きで。左右でパターンがズレていて、2つのロゴプリントのズレも、解体して再構築されたみたいで。

F:真鍋さんシュプリームはよく着ていますよね。それも結構初期から。

真鍋:はい。ちょうどブランドの初期の頃、僕はニューヨークにいることが多かったんですよ。20歳そこそこでバイヤーをやりながらスケボーばかりしていたのですが、シュプリームのスタッフとも仲が良かったので服をもらってました。それからだんだんハイプなブランドになっていったというか、人気が上がっていって。

F:ブランド立ち上げが1994年なので、20年以上前ですね!では初期のシュプリームも持っていたり?

真鍋:ストリートを上手く取り込むゲリラプロモーションも良かったし、あとロゴとかデザインの元ネタを探すのが面白かったんですよね。90年代を象徴する事件を色々作ったブランドです。本当に初期のやつで残っているのは20着弱くらい。首が伸びてしまったり、ライゾマのスタッフが大掃除の時にゴミ袋に入っているボックスロゴTシャツを全部捨ててしまったという残念なこともありました。

F:それはすごく残念......。ちなみに今年は、シュプリームだけでどのくらい買いましたか?

真鍋:今年は特別多くはないと思います。それでも20着くらいでしょうか。ショップが会社から割と近いので、フラッと寄って買ったりすることもあります。あと、アメリカでフェスに出演した時にユニフォームのような感じで提供してもらったこともあったり。これは2年前の写真ですが、隣は一緒にツアーを回ったノサッジ・シング(Nosaj Thing)。

F:ツナギなんですね。

真鍋:色が鮮やかな青で、ちょ〜っとハードルが高かったですね(笑)。日本だと清掃員のイメージがある色ではありますが、嬉しくて喜んで着て、フェスは楽しかったですよ。

F:それならよかったです(笑)。

真鍋:このギャルソンコラボのコートを着ていて思ったのは、シュプリームを着ている時とは周りの反応が違うというか、評判がいいんです。これがギャルソンパワーなんですかね。とはいえ、褒めてくれたのはまだ2人くらいですが。

 

Supreme 鍵盤ハーモニカ

F:シュプリームの鍵盤ハーモニカ。買っちゃったんですね。

真鍋:巷ではこういうのを買うようになったら終わりとも言われているみたいですけれど......これは一目見て欲しくて衝動買いしました(笑)。ティザービデオもインパクトがあったんですよね。こういう変わり種を売り始めたのって、ここ3年くらいでしょうか。たまに「なんでこんなの売っているんだろう?」みたいなものもありますが、シュプリームの人に「なぜ作ったの?」と聞いても、恐らく「なんとなく」としか答えてくれなそうです。もしかしたら、知人の鍵盤ハーモニカを作っている会社が倒産しそうで助けてあげたとか、そういうエピソードもあるかもしれないですけど。

F:鍵盤が全て白なのは珍しいですね。実際に演奏しましたか?

真鍋:いえ、まだです。使おうとは思っていますよ。こういうシュプリームじゃなくても良いかもしれないものって、誰かの誕生日とかにパッとあげられるように買い貯めたりするのですが、これは自分用。

F:コラボやこういったグッズも含めて毎週のように発売していますよね。最近でびっくりしたのは人体模型とか......。

真鍋:買いました(笑)。

F:買ったんですね!他には?

真鍋:タグホイヤーとコラボのストップウォッチとかですかね。現場に持っていっています。

F:現場の方に羨ましがられそう。でも本当にシュプリーム人気は加熱しています。

真鍋:ショップの行列もすごいですが、結局みんなオークションで探して買っていますよね。オークション業者が一番儲かっているというような状況は「なんとかしないとでは?」とは思っています。でも、こんなに熱狂的な人気になるとは思わなかったですね。

次のページは、今年1番買って良かったモノや、ちょっと特殊なメガネなど

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