Children of the discordance 2019-20秋冬コレクション

Shigeto Ichikawa

「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス」が花柄に込めた意味とは?

市川重人

繊維ニュース 記者

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Children of the discordance 2019-20秋冬コレクション
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 東京のファッション・ウィークに花柄が溢れている。例年は、春夏シーズンに展開される印象だが、今季は様相が異なる。2019-20年秋冬シーズンは、ウィメンズ&メンズブランドともに花柄を採用しており、大胆で力強く、深い色合いのパターンが反映されている。王道のドレスに表現するブランドもあれば、ブロードシャツ、ロングスカートにプリントするブランドも。また、トレンチコートの背面やニットに忍ばせたデザイナーもいる。ダイバーシティ(多様性)の象徴として、大小様々な花柄をプリントするデザインもあれば、不安や緊張を表現するものとして、儚い花柄を使用するスタイルもある。ファッションデザイナーを取り巻く社会や経済の動きは、不確実な要素が支配している。こうした社会の事象を如実に表しているのかもしれない。
 その一方、花柄で感謝の気持ちを表現したのが、22日にショーを行った「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」だった。2017年度に国内デザイナーの海外進出支援「東京ファッションアワード(TOKYO FASHION AWARD)」を受賞し、パリへ出展したほか、ここ東京でも凱旋イベントを行った経験がある。今季は自力でショーを行い、志鎌英明デザイナーが「以前からお世話になっている」と言うビームスの本社(東京都渋谷区)がショー会場になった。年齢や体形、肌の色が異なるモデルたちが屋外のランウェイを闊歩。それぞれが「普通」に歩く姿は、疾走感や躍動感とも違う独特の雰囲気を醸し出す。ヴィンテージ感のあるミリタリーやバンダナ柄が目立つコレクションにあって、花柄の切手をモチーフにしたパッチがアクセントに利いていた。

Children of the discordance 2019-20秋冬コレクション
Children of the discordance 2019-20秋冬コレクション

 ビームスグループは、志鎌デザイナーが無名の頃から商品を買い付け、時にはポップアップストアを開設しながら知名度向上に貢献してきたそうである。アワード受賞を機に、商品の完成度アップや価格の見直し、デリバリー体制を強化しながら、海外のセールスを進めている。現在では、ブラウンズ(ロンドン)、ディエチ コルソコモ(ミラノ)、メルシー(パリ)、マックスフィールド(LA)といった海外の取引先を開拓。ブランドが大きくなる過程において、今の気分をショーに投影している。それは尖ったストリートウェアや、中身のない退屈なショーでもない。取引先やスタッフ、親族に感謝を込めたコレクションになっている。

【市川重人の東コレポスト】
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市川重人

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