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「ゾゾスーツでの経験を生かし、新たなコミュニケーションツールに」ゾゾマットの可能性

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ZOZO(ゾゾ)は6月24日にスマートフォンを使って足の3Dサイズを計測できる「ゾゾマット」(写真㊦)を発表した。同日から無料配布の予約受付を開始したところ、初日だけで20万件以上の予約が寄せられた。ゾゾマットの開発にあたっては、先行して展開した採寸用ボディスーツ「ゾゾスーツ」の知見を反映している。計測時の使いやすさや、低コストでの配布を追求した。

低コストを可能に

「ゾゾスーツは配布に時間がかかっただけでなく、計測していただく割合も想定より低かった。服をいったん脱いでからゾゾスーツを着るというのが面倒だった。ゾゾマットでは利便性についてはかなり追求した」。

ゾゾMSP事業推進本部の常井康寛本部長(写真㊤)はこう述べる。ゾゾスーツでの経験を生かし、改善点を盛り込んだという。

ゾゾマットは、マットの上に裸足の足をのせて、周囲をスマートフォンのカメラで撮影する。マット全体に施されたドットマーカーを読み取って足の3Dサイズを計測する。計測時は音声案内に従って左右の足で撮影を進めると、足の長さ・幅・周囲など複数箇所をミリ単位で計測できる。

音声案内を聞いてスマホカメラで撮影したり、ドットマーカーを読み取るといった点は先行するゾゾスーツに類似している。とはいえ、技術的に一部共通利用した部分はあるものの、ゾゾスーツから吸い上げた知見をもとに改善した部分もいくつかある。

計測のしやすさというのもその1つ。当初はゾゾスーツのような形でタイツ状のものを履いて計測するというアイデアもあったという。「ただ、着たり脱いだりという煩わしさがあり、計測ツールの柔軟性を考えるとマットのほうがいいという結論になった」(常井氏)。

ゾゾスーツは身長や体重に合わせて8種類のサイズを用意しており、体型が異なると家族間などで使いまわすことができなかった。しかし、ゾゾマットは1サイズ。サイズフリーのため、子どもから大人まで1つを使いまわすことができる。

コスト面にも気を使った。「あくまでも計測ツールなので、多くの人が欲しいとなった場合にコストが理由で配布ができないということは避けたかった」(同)と、コストをかけずに制作できる設計になっている。

ゾゾマットは基本レイアウトが用紙に印刷された仕様であるため、チラシを印刷して配布するように低コスト・短期間での大量配布が可能になる。紙媒体にレイアウトを広告出稿したり、PDFファイルで配信し、印刷して使用することもできる。「ゾゾスーツにはコストがかかってしまったという経験は強く意識した」(同)と、ここでもゾゾスーツで得た教訓を生かしている。

ゾゾマットはこれまでにおよそ200人の足サイズで検証し、「精度はかなり良い」(同)ようだ。簡単に計測できて精度も高いという意味では、3Dスキャナーという計測ツールがあるが、数百万円がかかるという。同程度の精度で場所を選ばずに安価に測定できるツールが技術的に可能になったことから今回の発表となったようだ。

PBの展開はない

ゾゾマットの配布時期は秋冬を予定。ユーザーの足のサイズデータを使った展開として大きく2パターンが想定できる。

1つが、「ゾゾタウン」に出店しているブランドが扱っている既製品の靴をユーザーの足のサイズに合わせてレコメンドするというもので、まずはこれがメインのサービスになるもよう。

2つ目はユーザーの足に合った靴を提供するというもの。ゾゾは出店ブランドが企画する商品をマルチサイズ展開して販売する「マルチサイズプラットフォーム(MSP)」事業を今秋にも開始する計画。ゾゾマットでもMSP事業の一環としてユーザーの足のサイズにふさわしい靴を作る方針だ。

どちらのサービスでもブランドやメーカーらと共同で進めていく。「(サイズ計測という)技術をまずは確立したが、社内だけのサービスにするのではなくオープンイノベーションのような形でサービスを作れればと判断した」と常井氏。その一方でゾゾのプライベートブランドから「独自の靴を作っていくという考えはない」(常井氏)と強調する。

ゾゾでは共同でサービス開発を行うパートナー企業を募集しており、問い合わせも多く寄せられているようだ。足を計測することで靴のネット販売につなげるというのが本来の目的だが、問い合わせの中には医療関連の話なども浮上しているとのことで、さまざまな可能性を秘めていると言えるかもしれない。

ゾゾによると、ゾゾマットを発表して無料配布の受付を始めたところ、初日だけで20万件以上にのぼる予約があったようで、消費者の関心の高さがうかがわれる。ゾゾタウンの靴の取扱高は前年度で361億円。「ECで靴を買う上でサイズの不安は多く、試着してみないと買えないという人は多い。その悩みをゾゾマットで解消できれば、(取扱高は)大きく伸ばせるのではないか」と常井氏は述べる。

サイズの不安を解消すればユーザーだけでなく、ブランド出店にも影響を与える可能性がある。

「ブランドさんの中には靴は試着しないと買えないと思っているところもある。ゾゾがこうした計測サービスを持つことでゾゾタウンへの出店に価値があると考えてもらえたらいい」(常井氏)。

その上で「ゾゾマットは単なる計測デバイスではなく、足の計測結果と靴をつなげるコミュニケーションツール。当社としてはブランドさんとお客様をつなげたい」(同)とする。

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