
ユニクロは「ライフウェア」を掲げている。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、取材や会見で話す時、何度もこの言葉を口にする。多くの場合、それが質問の答えになるからだ。
ライフウェアは究極の普段着という意味だ。世界中の誰でもが着られるベーシックなカジュアルで、品質が良く、価格も手ごろ。フリースにダウン、ジーンズ、肌着など商品は毎シーズン機能性やデザインをアップデートする。客の声を元に商品を進化させるのはライフウェアの大切な役割だ。
日本以外の海外で出店を増やすのもライフウェアの仕事だ。デザイナーやアーティストと協業するのも、ECを強化するのも、最新の店舗にはデジタルガジェットを置くのも、一度は「やらない」と言ったマスクを売り始めたのも、ライフウェアとしてやるべきと判断したから。
ファストリの20年8月期は減収減益だったが、売上収益は2兆円台を維持し、最終利益も黒字だった。国内ユニクロの既存店売り上げは3~5月に減少したが、6~8月は前年同期比2割増となった。
他のファッション小売りより回復が早かった理由も「ライフウェアはどんな時も必要とされる服を作り、提供しているから」。コンセプトはシンプルでわかりやすいが徹底することは難しい。それができる企業は有事の際、強さが際立つ。
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