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ファッション業界の環境汚染問題に一石を投じる「プラックスファイバー」とは?

滝越 潤さん/Bioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員
滝越 潤さん/Bioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員

ファッション業界の環境汚染問題に一石を投じる「プラックスファイバー」とは?

滝越 潤さん/Bioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員
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大手ファストファッション企業の不用品回収やリサイクル素材での製造、ラグジュアリーブランドのリアルファー使用廃止、リユース市場の拡大など、ファッション業界のサステナブルな取り組みは加速中だ。しかし、深刻な環境問題を解決するために具体的に何をすればいいのか、消費者側に届きづらい現状があるのも事実だ。今回は、このファッション業界を取り巻く環境問題に一石を投じる、 「ポリ乳酸」に着目し、新しい素材の選択肢として「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を開発したBioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員 滝越潤氏にインタビュー。改めてファッション業界が抱える環境問題と、新素材「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」の今後の可能性についてお話を伺った。

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滝越 潤さん/Bioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員
1993年丸紅株式会社入社後、2001年丸紅欧州会社ミラノ支店駐在、2011年株式会社ベイクルーズ取締役、2018年慶應義塾大学大学院修士課程(EMBA)修了、2019年株式会社ジュン執行役員を務めた後、2021年Bioworks(バイオワークス)株式会社執行役員就任。

―改めて、ファッション業界が抱える環境問題について教えてください。

現時点で世界のファッション産業で生み出されているゴミの量は年間約9200万トンと言われています。その一方、衣料品の生産量は2000年から2014年にかけて倍増していて、それが2030年にはさらに約5700万トン加わると予測されています。ゴミの多くは焼却、埋め立て処分されていますが、そのような過剰生産・過剰廃棄によるゴミ問題、排水問題、CO2の排出問題が大きな問題になっています。ゴミに関しては、日本の衣料品のゴミの量=約78万トンのうち、家庭から出るのが約75万トンで、そのうち65%の約50万トンの衣料品がゴミとして廃棄されています。再資源化されているのが5%と、とにかく服の再利用が求められている現状です。リユースは約15万トン、リサイクルで約10万トンと、全体の25%がフリマアプリなどで再利用されていますが、もっとゴミを減らす取り組みをしていく必要があるのです。

さらに水の問題として、繊維業界は業界全体で2番目に水の消費量が多いと言われています。1枚のTシャツをつくるのに必要な水の量が約2千720リットルで、分かりやすくいうと人の1日あたりの飲料水は平均約1.5リットルですから、約5年分の飲料水の量をTシャツ1枚に使っていることになります。綿花栽培で綿をつくるのに 1キロあたり約1万〜2万リットル、さらに染色で1キロのTシャツを染めるのに100リットル〜150リットルが必要。その結果、ファッション業界で世界の排水の約20%を生み出してしまっている現状です。そしてCO2の排出量ですが、これは全業界のなかの約10%のCO2を繊維産業で排出してしまっている。これは、さまざまな繊維をつくるところから最終的に焼却でも排出しますから、大きな問題です。これらの問題から、ファッション業界はいま変わっておかないと大変なことになると、全世界で言われています。

―非常に深刻な事実です。

国連貿易開発会議(UNCTAD)では、ファッション業界を世界で2番目の環境汚染産業と提言しています。ただ、ファッション業界でも他の業界でも、こういった環境問題について気づき、さまざまな取り組みが行われ始めているという、良い流れができてきていると思います。我々Bioworks(バイオワークス)の1番のミッションである「私たちの次の世代のため、そして持続可能な地球のために、いま当たり前に使われているファッションアイテムの素材を変えることで、ファッション産業から生み出されたさまざまな環境問題を根本から解決」ということを、業界全体を巻き込み、取り組んでいきたいと思っています。

―新素材「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」とは?

まず、私たちの身の回りにある繊維素材の多くは石油由来の合成繊維です。その機能性や利便性からコットンやウールなどの天然素材も現代では石油由来の合成繊維に置き換えられています。そこで私たちは新しい素材の選択肢として、植物由来の素材である「ポリ乳酸」に着目しました。「ポリ乳酸」は100%植物由来で、具体的にはとうもろこしやさとうきびを原料にした、石油等の化石由来の素材を使わない天然素材が原料です。「ポリ乳酸」自体、地球環境に優しい素材として20年前くらいから注目されていましたが、これまでは十分な品質と機能、デザイン性が実現することなく、多くの企業が使用を諦めてきた素材です。我々はこの「ポリ乳酸」の繊維の開発に10年以上かけ、この度ようやく開発に至ることができました。

―開発までにかなりの苦労があったのでは。

この「ポリ乳酸」はこれまでも入浴用のボディタオルなどに使われていましたが、染色性や耐久性の問題など、乗り越えなければならない壁が多くあり、なかなか衣料・繊維業界には導入することができませんでした。今回、この「ポリ乳酸」にBioworks(バイオワークス)独自の植物由来の添加剤を加えてコンパウンドし、糸にして繊維にしたのが「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」です。Bioworks(バイオワークス)独自の植物由来の添加剤を使用しています。同業社のなかには、この添加剤を石油由来のものを混ぜ、耐久性をアップさせているメーカーもありますが、我々の知る限り添加剤まで植物由来のものを使って、ほぼ100%植物由来を実現したメーカーは弊社だけです。

―「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」の機能面での特長とは?

まず「ポリ乳酸」は一定の環境で水と二酸化炭素に分解することができる生分解性(=土に還るということ)の素材です。また、植物由来なので貴重な資源である石油を消費せず、燃やしても大気中のCO2を増やさないカーボンニュートラルと認められています。私たちは使用済みの「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を回収し、生分解させることでファッション業界の廃棄問題にも一石を投じたいと考えています。さらに素材自体が弱酸性で抗菌なので、お肌が敏感な方や赤ちゃんにも安心しておすすめすることができます。

―特許ももたれているとのことで、まさに一石を投じる素材ですね。実際にさまざまな商品化を進めているそうです。

開発した「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」で何かつくれないかと議論し、昨年はコロナ禍ということで「Bio Face(バイオフェイス)」というマスクをつくりました。このマスクはPLA(ポリ乳酸繊維)という添加剤を使っていない素材ですが、速乾性、抗菌性、消臭性、弱酸性という特長があります。ホールガーメントで有名な島精機さんでつくらせていただき、縫い目がないので耳が痛くなりにくく、シームレスなのでフィット感もあります。また、「ポリ乳酸」の特長である弱酸性で肌にもやさしいマスクです。工業用コンポストでの生分解性試験で、80度の加速度試験を行い、2週間で目に見えないほど分解し土に還ることが証明できました。これは不織布では当然ならない結果です。

―次の商品化について教えてください。

ぜひ「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を実際に試していただきたいと思い、4月23日からクラウドファンディングで抗菌・消臭性を高めたBio Socks「バイオソックス」のプロジェクトをスタートしました。「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を使用した世界初のランニングソックスで、快適性・グリップ力・疲労軽減サポート・フィット感、4つの機能を備えています。皆さまからの支援をいただきながら最終的に事業化していきたいと考えています。また、次の商品展開としてBio Towel「バイオタオル」というものをつくっていて、これはコットンとの混紡になりますが、もともとコットンがもつ肌触りの良さや吸水性に加えて、「ポリ乳酸」の特長である抗菌性・消臭性・弱酸性などを付加し、“肌にやさしい、地球にやさしい”というコンセプトで販売します。こちらもクラウドファンディングサイトにてプロジェクトが始まっています

タオル:https://www.makuake.com/project/biotowelソックス:https://kibidango.com/1741

また、いままさにオーガニックコットンと「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」の混紡でベビー用の帽子やおくるみ、ウェアやスタイなどのサンプル制作に取り掛かっているところです。ゆくゆくは肌の弱い方や赤ちゃんに向けた製品を展開していき、さらに大人用のTシャツや肌着、ジャケットやフリース、パーカーなど、幅広く展開していきたいと考えています。

―無限の可能性がありますね。コラボにも期待します。

「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」という素材をいろいろなブランドやアパレル企業とコラボレーションすることで、地球環境に良い素材がファッション業界にどんどん浸透していけばいいと考えています。いまチャレンジしているところですが、長繊維を使えばスポーツウェアやヨガウェアなどにも発展ができますし、ナイロンジャケットやパーカー、そういったカテゴリーまで汎用性が上がります。また、ラグジュアリーブランドに関しても、簡単に採用されるとは思っていませんが、将来の目標として、我々の「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」という素材を有名ブランドに使ってもらうことで、大きな波及効果も期待でき、ファッション産業に一石を投じられるのではと考えています。何より、環境に優しいという考えに共感いただけるデザイナーの方々に使っていただきたいのでぜひ、興味のある企業様にはぜひお声がけいただきたいと思います。

滝越 潤さん/Bioworks(バイオワークス)株式会社 執行役員

Bioworks(バイオワークス)株式会社について
前身となるバイオベース株式会社が2006年に設立され、大阪大学のベンチャーキャピタルからの出資を受け、2015年にBioworks(バイオワークス)株式会社が設立。2018年に、石灰石を主原料とする素材「LIMEX(ライメックス)」を製造販売している株式会社TBMのグループ会社となる。「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を通じ、ファッション業界に革命を起こすことを目指す。

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