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「ファー」の基礎知識と長く楽しむ手入れ方法

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冬になると続々顔を出すファーアイテム。ファーは、コートやティペットなど幅広い衣類や小物に活用されている素材ですが、種類によって色味や肌触りもさまざま。昔はフォーマルアイテムとして使用されることが多かったファーも、いまではカジュアルに取り入れることも増え、ファッションアイテムとして欠かせない位置づけに変化を遂げました。

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そこで今回は、そんなファーの種類とそれぞれの特徴について解説していきます。トレンド関係なく通年人気のファー素材の知識は、持っておくと何かと便利なはずですよ。

知っておきたい!ファッション・アパレル業界マテリアル辞典【ファー編】

高級素材!世界三大毛皮とは?

ファーの中でも、「世界三大毛皮」といわれているのが、セーブル・チンチラ・リンクスの3種類。品質が良く、非常に高級なファーとして知られています。ここでは、これら3種類の特徴をご紹介していきます。

セーブル

セーブルとは、中国や日本などに生息するイタチ科の動物。日本では「黒テン」と呼ばれることも。色はこげ茶からベージュのような淡いものまでさまざまです。ミンクの毛皮と似ているため、間違えられることも少なくないのですが、セーブルはミンクよりも刺し毛(※) が長く、ふわふわの毛質が特徴です。セーブルは数千年前から高級品として知られ、高位の人しか身につけられない物でした。日本では、聖武天皇の頃に中国からの貢物の中にセーブルがあったと言われています。現在でも高値のつくセーブルですが、中でも「SOBOL」のタグが付いた「ロシアンセーブル」という種類は特に保温性にも優れており、高級毛皮の代名詞として知られています。

※刺し毛とは?

毛皮の毛の部分は、刺し毛(さしげ)と綿毛(わたげ)から構成されています。刺し毛は、艶があって美しく、いろいろな色彩や斑紋がその動物の種類の特徴を表しています。一方で、綿毛は、刺し毛の下に生えている短く柔らかい毛です。

チンチラ

ペットとしてもよく飼われているチンチラは、ネズミの仲間です。毛皮の色は、白と黒のきれいなグラデーション。刺し毛がないため、やわらかく、手触りがバツグン。すべすべの質感がチンチラファーの特徴です。セーブルと同じく、高級毛皮として知られています。空気を含んだような軽い素材で、非常にデリケート。耐久性もないため、取り扱いには注意が必要です。日本ではセーブル、リンクス同様、バブル時代に大流行した種類です。しかし、チンチラの生息地では毛皮作りのために狩りが盛んに行われ、1900年代に入ると野生のチンチラは絶滅寸前にまで追い込まれてしまった歴史があります。

リンクス

リンクスはオオヤマネコと呼ばれる動物で、その名前は「光」を意味するギリシャ語に由来すると言われています。ロシアや北米に生息しており、毛は茶色と白色で、全身にまだら模様があるのが特徴です。長めの毛で柔らかく、肌触りもなめらか。しかし、リンクスは世界的も希少な動物であるため、ワシントン条約で保護されています。現在では天然の毛皮を生産することは難しいのが現状です。

おなじみの「ラビット」「ムートン」「ミンク」。それぞれの特徴を知っておこう

「ラビット」や「ムートン」、「ミンク」は、ファッションアイテムに頻繁に活用される種類。ファーの中では比較的身近なものであるからこそ、誰かに聞かれる可能性も高いかもしれません。それぞれの特徴を理解し、説明できるようにしておきたいですね。

ラビットファー

ラビットファーはうさぎの毛皮。ファッションとして取り入れられるようになったのは、1900年代初頭からと言われています。毛は短くて軽く、光沢があります。肌触りはふわふわとしており、やわらか。染色・加工しやすいため、コート類や小物をはじめ、幅広いアイテムに使用されています。皮が薄く、毛の密度も低いため、保湿性は弱め。防寒具には向いていません。毛が抜けやすいというデメリットもありますが、ほかのファーに比べてリーズナブルなので、ファー初心者でも手を出しやすい素材でしょう。

ムートン

ムートンは羊の毛皮のこと。1910年代に、オーストラリアの羊の毛刈りを仕事とする人の間から生まれたと言われています。この毛皮の特徴はなんといっても吸湿性の良さ。水分を吸い込んで放出する性質があるため、さらっとした肌触りを保ってくれ、蒸れずに快適です。また、使い込むほどに肌に馴染んでいき、フィット感が出てくるため保温性も優秀。この毛皮が使われたコートやブーツも冬の人気アイテムです。また、羊の中でも、生後一年未満の子羊の毛皮は「ラムファー」と呼ばれます。くるくるとした巻き毛が特徴で、ジャケットの衿などに多用されています。

ミンク

高級ファーとして知名度の高いミンク。養殖の歴史は、毛皮生産の歴史の中でも古い19世紀末頃だと言われていますが、日本でのミンクの歴史は1928年に毛皮をとる目的で持ち込まれたものが始まりです。元々は濃褐色のみだったミンクですが、1930年に突然変異種が現れてからは、現在は約40種類とカラーバリエーションも豊富に。保温性に優れ、刺し毛には耐久性があるなど、衣類への活用に非常に適した毛質を持っています。染色も容易なため、コート類のみならず、小物にも多く使われています。

「ラクーン」や「フォックス」などファーの種類はまだまだ豊富

上記でご紹介した以外にも、ファーの種類はまだまだたくさん。その中でも、ファッション・アパレル業界で耳にすることの多いものをピックアップしました。

チベットラム

チベットラムはその名の通り、チベットで生まれた子羊のこと。日本では錦綿羊とも呼ばれています。毛がチリチリとカールしているため、ごわついてみえてしまいますが、実際にはやわらかな肌触りをしています。さまざまなカラーに染められて使用されることも多くあります。チベットラム以外にも、ラム毛皮にはいろいろな巻き毛の形状が見られるカラクールラム(別名ペルシャンラム)や、中国産で色を付けやすいチキャンラムがあります。

ラクーン

多くの毛皮がラシアやヨーロッパから発展してきましたが、和名アライグマのラクーンの毛皮は、西部開拓時代から始まりました。長めの刺し毛と暗めの綿毛が特徴的でボリュームたっぷりなため、寒冷地で着用されていたようです。染色などはせず、グレーやブラック、ブラウンのような自然の毛色を生かしてそのまま使われます。ミリタリー系などカジュアルな着こなしにぴったりです。

コヨーテ

コヨーテはイヌ科の動物。生息地により差がありますが、毛の色は黄色味を帯びたグレーやダークグレー。硬く粗い毛質で、なめらかさはありません。力強くワイルドな印象を与えるため、メンズファッションで使われることも。最近では、主に北米に生息するコヨーテの毛皮をパーカのフードに使用してきた「カナダグース」が、2022年末までに使用を停止することを発表しました。

フォックス

ミンクと同様に人気のあるフォックスファー。その中でも、「シルバーフォックス」・「ブルーフォックス」・「レッドフォックス」などの種類に分けることができます。「シルバーフォックス」は銀狐の毛皮で、銀色と黒色でできています。刺し毛は長く、ハリがありますが、毛の密度はほかのフォックスファーに比べると、高くはありません。毛の色の割合によって、全体が白っぽいか黒っぽいか決まります。銀と黒のコントラストがはっきりとしているものが良質とされます。

刺し毛が長く、シルキーな質感が特徴の「ブルーフォックス」は、フォックスファーの中で最も衣類に活用されている種類。全体的にグレー系の淡い色であるため、染色が簡単。そのため、コートに合わせてカラーリングされることも多くあります。また、このブルーフォックスより薄手のものは「シャドーフォックス」といい、ブルーフォックスよりも白っぽく淡い色をしています。

上の画像の通り「レッドフォックス」は赤狐のこと。高密度で、刺し毛・綿毛ともに長く、手触りがすべすべしたものだと質が良いとされています。さらに色味でいうと、良質なものほど赤みのあるオレンジ色が鮮明に表れます。「ファイアーフォックス」と呼ばれるカムチャッカ産のものは、燃えるような赤色を帯びており、大変良質です。

エコファーもトレンドの一つに

上記ではリアルファーをご紹介しましたが、近年エコファーがファッション業界ではトレンドになっています。エコファーとは、エコロジーファーの略称で、数年前まではフェイクファーと呼ばれていました。「フェイク」という呼び方が「偽物」を連想させるということで最近ではエコファーと呼ばれることが多くなりました。2017年にグッチがファーの使用をストップすると発表し話題になりましたが、エコファーの製造技術が日々進歩し続けていることも、エコファーがトレンドになった要因のひとつと言えるでしょう。動物素材を一切使用しないことで有名なステラマッカートニーの「ファー フリー ファー」シリーズは、リアルファーとほとんど変わらぬ外見でその素材の進化が大きな注目を集めてきました。2020年には米国デュポン社がエコロジーファーの世界的メーカー・エコペルと共同で、商業用としては史上初のバイオ原料を用いるエコファーを開発し話題に。原材料には再生ポリエステルが含まれているため、リサイクル可能な循環型ファッションを実現させました。サスティナビリティであることが一般化してきたファッション業界。今後も有名ブランドを筆頭にエコファーの躍進が続きそうです。

ファーを長く楽しむ方法

もちろんサスティナブルの観点は大切ですが、リアルファーの場合も大切に長く付き合っていくことが大切です。そのために覚えておきたいのがファーのお手入れ方法。エコファーとリアルファーでは使用する洗剤に違いはありますが基本的な手順は同じなので、覚えていくと良いでしょう。

1.まずは湿気を取る

お手入れの前にまずは湿気を取り除きます。ハンガーにかけ、風通しの良い場所につるしておきましょう。

2.ホコリを落とす

優しく叩いたり振ったりして大まかなホコリを落とした後、洋服用のブラシでブラッシングします。毛並みに逆らってブラッシングすることで毛の間につまったホコリを掻き出します。

3.ぬるま湯+洗剤で洗う

日々のお手入れであれば「2.ホコリを落とす」までで十分ですが、しっかり汚れを落としたい場合は洗剤で洗うのがおすすめ。お湯の温度は30℃を目安にしてください。

【リアルファーの場合】

リアルファーもエコファーも、使用するのはおしゃれ着用の中性洗剤。リアルファーの場合は元々持っている油分を補うため、ラノリンオイル(羊毛脂)を中性洗剤に混ぜ乳化させたものをぬるま湯に溶かして洗います。お湯の中で優しく揺らすように振り洗いをします。

【エコファーの場合】

エコファーの場合はまず、おしゃれ着用の中性洗剤のみをぬるま湯に溶かして優しく押し洗いをします。軽くすすいだ後、柔軟剤をぬるま湯に溶かして、同じように押し洗いをします。

4.乾かす

リアルファーもエコファーも、タオルで水気を取ります。絞るのではなく、タオルで挟むようにして優しく扱いましょう。

【リアルファーの場合】

毛並みに跡がつかないようにハンガーなどにかけて風通しの良い場所で影干しします。

【エコファーの場合】

ドライヤーを冷風にし、乾かします。

5.仕上げにブラッシング

洋服用のブラシでブラッシングし、毛並みを整えます。ホコリを取る際には毛並みに逆らってブラッシングしましたが、ここでは毛並みの方向に優しくブラッシングしてくださいね。

おしゃれで防寒もばっちりのファーは、冬本番に欠かせないアイテム。ファーの種類やお手入れ方法を覚えて、自分にあったファーを見つけてみては?

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