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ベビーギフトの新しいスタンダードを作った「MARLMARL」のこれまでとこれから

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「子育てにワクワクを!」という理念のもと、ベビーギフトの新しいスタンダードを作った「MARLMARL」。ベビー・キッズのためのギフトブランドを軸に成長を続ける株式会社Yomの代表取締役 深澤和弥氏に設立9周年の軌跡と、これからについてお話を伺った。

深澤 和弥さん/株式会社Yom 代表取締役
文化服装学院卒業後、小売企業やメーカーにてMDとしての経験を経て、2012年株式会社Yomを創業。ベビーギフトブランド「MARLMARL」をはじめ、ペアレンツ向け雑貨ブランド「MATO by MARLMARL」やベビー・キッズ向けフォトスタジオ「STUDIO MARLMARL」、フラワー事業「CADO MARLMARL」などを手掛ける。

―深澤さんが株式会社Yomを立ち上げた経緯を教えてください。

大学を卒業した後に文化服装学院に通い、中堅クラスの小売り企業に就職しました。最初の半年は販売を行っていたのですが、もともとMD希望だったんです。たまたまポジションに空きが出たおかげでアシスタントとして修業し、3年目でMDを任されるようになりました。そうしているうちに、年中在庫に追われてしまうという、小売り商売の脆弱性を感じ始めて。自分たちが自信をもって作ったものに適切な価格をつけているわけですから、セールで在庫を減らすことに注力するのではなく、適正な価格のまま売っていく力を持つビジネスをしたい、と当時から思っていました。それからメーカーのMD職に転職したのですが、小規模の企業だったので、企画もMDも、生産関連もディレクションも経理もやるという、何でも屋みたいな感じで仕事をしていたんです。そこである程度、知識や人脈を得ることはできて。「お客様にとって本当に必要なものを提供していくことができれば、ビジネスが確立できるのではないか」と思った時に、共同創業者であるスタイリストに出会いました。彼女は大人だけでなく子どもやベビーのファッションスタイリストもやっていて。「世の中には四角形のよだれかけしかないけれど、クルクル回せるような、新しいよだれかけを作れないか?」と、相談を持ち掛けてきたんです。それが弊社のベビーギフトブランド「MARLMARL」のアイコンになっている、スタイ(よだれかけ)誕生のきっかけでした。

2012年創業当時からの定番人気のスタイ。ドーナツ状で便利な360°スタイはここから始まった。9年経った今でも売り上げ数量1位を誇る。
2012年創業当時からの定番人気のスタイ。ドーナツ状で便利な360°スタイはここから始まった。9年経った今でも売り上げ数量1位を誇る。
生まれたての赤ちゃんへの贈り物と、今の尊い一瞬の記憶を未来に大切に保存するタイムカプセルの機能‌を併せ持つギフトボックス。ただの可愛いギフトではなく、ギフトする側される側、相互にとって意義のあるストーリー性はMARLMARLの製品になくてはならないもの。
生まれたての赤ちゃんへの贈り物と、今の尊い一瞬の記憶を未来に大切に保存するタイムカプセルの機能‌を併せ持つギフトボックス。ただの可愛いギフトではなく、ギフトする側される側、相互にとって意義のあるストーリー性はMARLMARLの製品になくてはならないもの。

―そういった出会いがあったのですね。

とはいえ、ベビー・キッズ市場はとてつもない大手の先駆者が多くいるマーケットでありますし、近年の少子化により業界自体がシュリンクしているという厳しい面があります。でもよく考えると、毎日・毎時間、新たなお客様が生まれてきているマーケットは、ベビー・キッズしかないな、とは思っていて。では先駆者たちにどうやって勝っていくのか、生産数量を考えたら低価格路線ではとても勝てません。けれどセンスと使い勝手が良く、もらってうれしいものという付加価値をつけたら、戦っていけるのではないかと思って。そのころは、アパレルはあまりネット販売に力を入れていない時代だったからECからブランディングしていこう、と考えました。私たちは写真のクオリティやクリエイティブに、他社と差別化できる自信があったんです。事業としては出産祝い・ギフトの切り口でいこうと思い、出産祝いのマーケットは年間どのくらいか調べると、3,000億くらいのマーケットでした。他業界でもトップクラスの会社のシェアが約10%だったので、年間300億円規模の会社を目指そうと事業をスタートしました。

―最初に店舗でなくてECを選ばれたのはなぜでしょうか?

当初はリアル店舗を作るとお金の持ち出しが大きいので、EC販売からスタートしました。一方で卸売りも考えていたので、私たちの商品を置いていただきたい会社さんに直接出向いてお話をし、売り込みをかけました。ザ・コンランショップやユナイテッドアローズは、自分たちで出向いてお話させていただいて、商談が決まったんです。

―ザ・コンランショップなどに売り込んだのは、感度の高いお客様層に買ってもらいたいという狙いだったのでしょうか?

というよりも、「このブランドは、こういうところに置いてもらっているブランドなのね」という認知をされたかったんです。前職での苦い経験があったので、あまりBtoBの売上は重要視していなくて。それより1万人のお客様から1億円を稼ぎたい、という気持ちが強かったです。その後、ギフトショーに出展し、台湾やバーニーズ・ニューヨーク、バースデイバーといった感度の高いお取引先の方と出会い、商品を置いていただくようになって。ベビーショップに置いてもらうより、ギフトショップやライフスタイルショップに並べてもらうことを意識してお取引の契約をしていました。買って使っていただければ、「いいものだ」と思ってもらえる自信はありましたから。私たちは市場のウォンツ(wants)をかなえる製品は作らないようにしているんです。自分たちが先回りしてニーズ(needs)を捉えて、「これがあったらいいでしょう?」と商品を出す。だから世の中に必要なものを作っていると考えています。

―お客様の「欲しい」を先回りして考えるのが、御社のものづくり、サービスづくりの考え方なのですね。

ただし、子どもの出生率は2018年に100万人を切って、2020年は85万人しか生まれてこないという、驚異的なシュリンクのスピードを見せています。その中でもギフトマーケット自体は毎年5~10%伸びていて、2020年は11兆円くらいのマーケットがある。おそらくSNSが出てきてから人と直接会う機会は減りましたが、“会う時には何か渡したい”という気持ちがわくのでしょうね。出産祝いというマーケットが、ギフトという文化の広がりによって後押しされているのではないかと感じています。そこに自分たちのブランドの思いをのせられることが弊社の強みだと思っています。

―ベビー・キッズブランドというと、MARLMARLの名前が浮かぶようになっていますよね。そしてこのコロナ禍の中でも、成長をとげているのはすばらしいです。

昨年の緊急事態宣言期間中、すべての業務が進められない状況下で、社員全員が集まって自分たちの“ブランドフィロソフィ”を改めて見直すことができるな、と思って。パーパス、ビジョン、ミッション、バリューからスタイルまで、我々が掲げる企業理念のすべてを見直すことになりました。それで4、5カ月ほどかけて社員全員でワークショップを行い、弊社のフィロソフィを作り上げたのです。最終的にでき上がったフィロソフィには、社員全員の思いが入っています。自分たちがやるべきことがよく分かり、社員一人ひとりが理解してくれたというところが、コロナ禍の中でも売り上げを伸ばせた一番の要因なのではないかなと思います。

―トップダウンではなく、社員全員が参加して作り上げた点がポイントですね。

コロナになって、さらに実店舗の重要性も増しました。店頭に立つ販売スタッフたちが、経営者たちと同じ言葉を使って、接客の時にブランドの思いや商品のストーリーを語ってくれる。もちろんSNSやメディアを使ってファンを作っていくことも重要ですが、一番目の前のお客様をファンにするのは、弊社の一番の強みだと思っています。デザイナー陣には「見た目の良さだけで、ものを作るな」と言っています。おそらくかわいいものは誰でも作れますが、意味のあるものはブランドの軸がなくては絶対に作れません。だからこそ意味を乗せてものづくりを行い、それをお客様に伝えるようにしています。

―成長の裏には、そういった戦略があった、と。

やはり差別化というのはつねに意識しています。4年前くらいに初めて浴衣を作った際、ビジュアルがとてもかっこよくて、これはお客様が絶対に喜ぶなと思って。どんなにインスタの加工を駆使しても作れない世界の中で、子どもの成長する姿を残す。そして子どもが成長した時に、「私は本当に愛されていたんだ」ということを思い出として残すことができるし、親御さんも誇らしい気持ちになれるのではないかと思って、フォトスタジオを作るきっかけになりました。

「一瞬の、非日常へ。」がコンセプトのSTUDIO MARLMARL。あえての逆光など、影を生かしたショットはキッズスタジオでは一線を画す。衣装もオリジナルで、まるでお伽話の主人公になったような我が子の一瞬を切り取ることができる。
「一瞬の、非日常へ。」がコンセプトのSTUDIO MARLMARL。あえての逆光など、影を生かしたショットはキッズスタジオでは一線を画す。衣装もオリジナルで、まるでお伽話の主人公になったような我が子の一瞬を切り取ることができる。
今年初登場の、身長120cmの子どもまで対応するブラウス。袖の内側に長さを調節できるギミックを取り入れた。サイズ展開を増やすのではなく、「一つの商品をロングユースに対応」させることでモノを大切に長く使うというSDGsの観点も子どもたちへ伝えたい取り組みの一つとなっている。
今年初登場の、身長120cmの子どもまで対応するブラウス。袖の内側に長さを調節できるギミックを取り入れた。サイズ展開を増やすのではなく、「一つの商品をロングユースに対応」させることでモノを大切に長く使うというSDGsの観点も子どもたちへ伝えたい取り組みの一つとなっている。

―ご自身にお子さんができて、はじめて理解できたこともありますか?

私も3人の子どもがおりますが、気づかされることもたくさんありました。子育てをしながら「面倒くさい」とか「ストレスだ」なと思ったら、何が面倒でストレスになっているのか、と考えるようになったんです。それこそがニーズなんですよね。

―御社はMARLMARLという主力ブランド以外にも先ほどのフォトスタジオ事業をはじめ、ペアレンツ向け雑貨ブランドやフラワー事業を手掛けられていますが、どういう経緯で立ち上がったのでしょうか?

大人雑貨ブランドに関しては、国が女性の社会進出の後押しをし、パパも子育てに積極的に参加するようになっているのに、世の中にはママが使うものしかない。自分もそうだったんですよ。「パパ、このリュック持って公園に行ってきて」と言われて、女性用の小ぶりのリュックを背負わされたんです。正直、かっこ悪くて。でも子どもにお金がかかるし、これからの生活もあるから、高いお金を使うのは難しい。だから夫婦で共用できる子育てバッグや雑貨を世の中に出したら、もっと子育てが楽しくなるのではないかと思い、雑貨ブランドを立ち上げました。

MARLMARL単体だと、必要な時にしか必要のないブランドなんです。ここをどう成長させていくのかを考えると、子どもは成長とともに必要なものが変わっていきますよね。だから誕生日データを基軸にして、私たちが必要なものを最適なタイミングで提案したり最適なアプローチができれば、売り上げが伸びていくでしょう。WEBツールが隆盛になるだろうというのが見えていましたし、MARLMARL単体よりもクロスセルで、情報接点を増やして事業を拡大していくことが一つの正解なんだろうと考えて、事業を多角化させました。

―すべての事業は「子育てにワクワクを!」というパーパスとひもづいているのですね。

そうです。パーパスがスタッフ全員の判断基準になっています。だからAとBという判断で迷った時も「間違いなくA」と自信をもって選択できる。お互いの考え方が共有できていることが、いまの会社の強みになっているのではないかと思っています。

―社員の方の中にはママさんが多いと伺ったのですが、会社の考え方に共感して入社されているのでしょうか?

実は弊社のフィロソフィに共感してくださってコーポレートサイトから直接ご応募して下さる方もかなり多いです。自分たちでフィロソフィを考え、コーポレートサイトをしっかり作って良かったと思っています。

―子育て世代の方はどのように働いていますか?

緊急事態宣言時には、コロナの蔓延防止を目的としたリモートワークを推奨しているのですが、緊急事態宣言ではない時に関しては、業務の効率を目的としてリモートワークを行う、といったように目的が変わる設計になっています。時短で働いていただいている方もこの9年で増えてきました。子育て中であるスタッフがいることは、我々のビジネスにとっては確実に強みです。子育てをしながら仕事をすることで、よりその社員の人生が生き生きとしたものになったら素晴らしいですよね。私も含めて、子育て真っ最中のスタッフを会社が強くバックアップできるよう、これからも体制を拡充していきたいと思っています。

―会社設立10周年を迎えるということで、これからチャレンジしたいことを教えてください。

今後の目標は、20年後に日本のベビー・キッズのリーディングカンパニーになることです。私たちのブランドが生まれた時に0歳だった子どもたちが、これから20年後には30歳の親世代になり、いまの子育て世代が祖父母世代になります。その時にこの2世代から「出産祝いといえばMARLMARL」と認知してもらえていると考えると、現在は大手メーカーさんにかなわなくても、20年後は勝負できるのではないか、と考えています。ただし、会社が日本一になってもこのままの形だとは思っていません。おそらく「クリエイションが生まれるのは日本で、販売するのは海外」という形態になっていくでしょう。その体制を日進月歩で作り上げ、少しずつ海外のシェアを上げていこうと思っています。

MARLMARL
“MARLMARL”ブランドを通じ、ベビー・キッズのギフト市場に質の高い情報・サービスを提供し、子育て世代の方々とともに社会的価値を創出するイノベーティブな企業体であることを目指しています。

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