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長引くパンデミックで激変したモノづくりの最前線 ヤギ × エーバルーンコンサルティング

株式会社ヤギ×エーバルーンコンサルティング
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まだまだポストコロナとは言えない世界情勢の中、大きな変革期を迎えているファッション業界。予期せぬコロナ禍の中で、ファッション業界に従事している業界人は、どのように時代に寄り添い、先を見据えたビジネスを考えているのだろうか? 今回は大阪に本社を置き、創業125年以上を数える老舗の繊維専門商社・株式会社ヤギの辻 遙さんと、エーバルーンコンサルティングの宮之内 尚志さんが、ファッションビジネスに欠かせないパートナーとしての「商社」機能を改めて考えます。

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辻 遥さん/株式会社ヤギ アパレル第二事業本部 第二事業部 429課 課長代理(写真左)
1985年生まれ。関西外国語大学英米語学科卒業。在学中から海外に接することとオシャレが好きで、2008年に繊維専門商社である(株)ヤギに入社。入社後、インナー関連を強みとしている部署へ配属。その後、カタログ通販の担当を経て、現在はレディースカジュアルのSCゾーンを担当。2児の父親で趣味は温泉旅行とサウナ。

宮之内 尚志さん/エーバルーンコンサルティング株式会社 シニアコンサルタント(写真右)
アパレルブランドのパタンナーからキャリアをスタートし、ブランドディレクターとしてブランドを統括。その後、2010年にキャリアコンサルタントとしてキャリアチェンジ。日系企業、グローバル企業でご活躍されている方々のキャリア構築を支援している。

商社の役割である、生産×ブランド×消費者のダイナミクスに惹かれた

宮之内さん(以下、敬称略):辻さんのプロフィールを拝見すると、やはりファッションが好きで繊維商社のヤギへ入られたのですか。

辻さん(以下、敬称略):子供の頃から海外に興味があって、外国語大学へ入り、夏休みなど長期の休みにはずっと海外へ行ったりしていて、海外に携わる仕事がしたいと思っていました。商社の中でも特化した商材を扱う専門商社に惹かれて、学生時代はファッションが好きだったので、アパレル・繊維関係の商社を受けました。

宮之内:辻さんの世代だとどんなものに影響を受けましたか。

:高校時代はストリート系の「アンダーカバー」や「ネイバーフッド」「ダブルタップス」などを買っていました。雑誌はストリートスナップやカリスマ美容師のファションなどが載っていた『CHOKi CHOKi(チョキチョキ)』などを読んでいました。懐かしいですね。

宮之内:世界を舞台に商売をする専門商社のどういうところに惹かれたのですか。

:関西にいたので繊維関係の商社が数多くあったことと、自分の性格が飽き性なので、特定のメーカーやブランドに入ると、そこの商材しか扱えないことに飽きるのではないかと思いました。一方、商社は、生産とブランドと消費者を動かしていく醍醐味があると思い、幅広く仕事ができて、楽しそうなイメージがありました。中でもヤギは、繊維はもちろん、繊維以外のジャンルも携われると思い、入社を決めました。

株式会社ヤギ/辻 遥さん

宮之内:入社して配属先はどんな分野でしたか。

:繊維ビジネスには、いわゆる川上(原料)・川中(テキスタイル)・川下(二次製品)という大きな流れがあり、商社はそれぞれの分野で、リアルタイムの調達と供給を行うのはもちろん、ファッショントレンドや情報収集なども行っています。私は二次製品(完成品)を担当する製品部隊に配属になりました。

宮之内:メーカーと直接商売をする部隊ですね。それは辻さんの希望通りでしたか。

:はい、入社以来15年間、製品部隊一筋です。最初に所属したのがインナー担当で、ブラジャーとショーツに3~4年関わりました。メーカー経由で、日系グローバルブランドなどのインナーを担当。最初は戸惑いましたが、今思うと貴重な経験で、自分の糧になっていますね。宮之内さんは、「布帛(ふはく)のトランクス」は履きますか。

宮之内:当時は履いていましたね。いまはすっかり買わなくなりました。

:今はニットボクサーが主流ですが、自分が担当していた当時は、いろんなクライアントの分を合算して布帛のトランクスを年間500~600万枚作っていました。

宮之内:それはすごい数量ですね。

:その当時は円高で、中国の工場なども今と比べると元気だったので、布帛のトランクスを日本一安く作っていました。忙しかったですが面白い時代でした。

コロナ前から現在まで、製品の作る場所、売り方、何が変わったか?

宮之内:ヤギに入社してから「商社」のイメージは変わりましたか。

:商社は自分でモノをつくるというより、クライアントや仕入れ先のネットワークを作って製品作りをしていく、薄利多売の商売だったので、仕事を覚えていくほどプレッシャーはありました。

宮之内:特にヤギは、原料やテキスタイル、製品までのすべてを網羅した生産管理に携われるので、仕事は面白いでしょうが、時代をキャッチして前に進めて行くのは大変でしょうね。現在はどんな部署にいるのですか。

:今は、ショッピングセンター(SC)や駅ビルに入っているブランドを担当していて、大手日系アパレルや、日系グローバルブランドなど比較的上代は安いですが、発注数の多いブランドの営業活動をしています。

宮之内:コロナ前と現在では、ビジネスのやり方、発注数などに変化はありますか。

:ブランドの好調/不調はそれぞれ波があって、店頭よりECの消化率が高いなど、ブランドによってばらつきはあります。外出の機会が減るということは、店頭に行く機会も減っているということで、同時に新しい服を着る機会も減っています。おうち時間が増えていることでパジャマやインナー、ホームウェアなどが好調だったり、郊外に遊びに行くようになってアウトドア系が売れていたり、コロナ禍によって、消費者の行動パターンや着用シーンが変わったことで、売れているアイテムが変化しています。

宮之内:アパレル側も新ブランド開発などをしていますか。

:消費者のニーズに合わせて、セカンドラインでラウンジウェアを作ったり、キレイめからカジュアルテイストにリブランディングするなど、メーカーも試行錯誤していますね。

宮之内:縫製工場など生産の現場の変化はいかがですか。

:日本のアパレルの多くは中国の工場をメインにしていますが、中国も若年層がIT系やサービス業などに行ってしまうので、工場は高年齢化しています。中国の奥地やアセアン諸国の開拓が急がれていますね。ただ、日本のファッションマーケットが、消費者の動向やトレンドをなるべく引きつけたモノづくりをしているので、工賃が安くても、生産日数のかかる海外は難しい。

宮之内:それは、アパレル側が「小ロット・多品種」になっているこということですね。

:そうですね。小ロットでもアップチャージを出せば、小ロットでのモノづくりは可能ですが、環境規制で染色工場がつぶれていったり、他の側面の問題もあります。

宮之内:サステナブルはファッション業界全体の問題ですからね。

:コロナがあって、なかなかフェイストゥフェイスのやりとりがしづらくなり、日本では短納期の製品づくりが求められ、生地からのモノづくりも難しく、現場の環境はなかなか苦しいです。

宮之内:そういう問題に直面して、辻さんはどういう解決法があると思いますか。

:やはり仕組みを変えなければなりません。すでにコロナ前と同じようなやり方では利益が出ない時代になっています。年々、原料代や加工賃をはじめ、海上運賃などの物流コストも比較にならないぐらい上がっていて、さらに円安が追い打ちをかけてきます。正直、モノづくりをするのに今は逆境しかありません。

宮之内:そこに世界情勢の影響も出てきます。

:そういう逆境を踏まえて思うのは、やはり製品に価値をつけることに尽きると思います。コロナ禍で、クライアントも消費者も「安ければ買う」わけでもなく、企画力やデザイン力、素材感など、「上代に見合う価値を付加させる」マインドが高まってきていることは事実で、私たちは商社として、クライアントの売上分析を共有して、さらに情報を収集して、クライアントに一段上の価値を提供する。それはアパレルに限らず、どの業界でも同じだと思います。またヤギは、バングラデシュに事務所を、ベトナムと香港、中国に現地法人があるので、そのネットワークを活かして、新しい工場を開拓したり、私個人では、SC以外の販売先や新規クライアントとの交渉なども常に視野に入れています。

エーバルーンコンサルティング株式会社/宮之内 尚志さん

いわゆる商社の“黒子”のイメージを打破する新しい戦略で前に進む

宮之内:商社というと、専門分野で付加価値のあるサービスを提供する“黒子”のイメージがありますが、ヤギは独自の企画や提案で、相手先ブランドによるOEM生産や、さらに素材から製品までをトータルで企画提案する提案型のODM生産という新たなビジネスモデルにも挑戦しています。いわゆる商社の“黒子”のイメージを打破する新しい分野にも取り組んでいますね。

:コロナが始まって丸2年、それ以前も予測は難しくなっていましたが、経済状況も含めてめまぐるしく変化の激しい今、私たちは「ヤギでなければできない」独自の価値の提供をしなければなりません。そういう意味でODM生産や、ヤギの長い歴史の中で培われた技術や知見を活用したデジタル化・DXプロジェクトの推進なども全社で取り組んでいます。

宮之内: 会社がそういう取り組みをしている中で、辻さんの目標や夢はなんですか。

:仕事では収益を上げること、業界としては、アパレル以外の「違う山にも登り始める」ことが必要で、それにはまず商社が活性化しないと、生産現場やメーカーまで元気にならないし、消費者にはワクワク感が伝わらないと思います。

宮之内: ワクワク感ですか。

:はい、アパレルは、衣・食・住の一つですからなくなることはないし、ファッションが好きな人は本当に多い。コロナ後も見据えながら、「価値が伝わるモノづくり」という商社の原点に戻って、ワクワクする製品をたくさん世の中に送り出したいです。

宮之内: 業界としては、サステナビリティやデジタル化の推進に加えて、円安やコスト高、物流費高なども直面してきます。生産現場もブランドももう一度プライドを持てる環境づくりが急務ですね。辻さん、ありがとうございました。

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