新リサイクル技術によって作られた再生ポリエステル原料
Image by: 帝人フロンティア
帝人フロンティアが循環型社会の実現に向けて、新たなポリエステル繊維のリサイクル技術を開発した。
同社は、2002年、ポリエステル製造技法のひとつであるDMT法(テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを使用したエステル交換反応によりポリエステルを重合する方法)を活用したリサイクル技術を基盤に、ポリエステル繊維製品の循環型リサイクルシステム「エコサークル」を確立。2017年に中国が廃棄物由来原料の輸出入規制を施工し、使用済みリサイクル原料をリサイクル設備のある中国へ輸出できなくなったため、同システムは2018年に製品回収を終了した。しかし、その後も使用済のポリエステル繊維を新たな繊維に再生する「繊維 to 繊維」のリサイクル技術開発を継続してきた。
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今回開発された新リサイクル技術は、従来の技術よりも工程にかかる消費エネルギーが少なく、主に無色透明のペットボトルからペットボトルにリサイクルする際に用いられる技術のBHET法(使用済ポリエステルを化学的に分解し、中間原料であるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレートに戻して精製した後、ポリエステルに再重合する方法)を採用。新たに開発した解重合触媒を使用することにより、着色されたポリエステル繊維を石油由来の原料と同等の品質に再生が可能で、環境負荷も少ないという。
今後は、パイロットプラントを松山事業所内に設置し実証試験を行うほか、リサイクル技術の開発改良、パートナー企業や国内外のコンソーシアムなどと連携し、持続可能なポリエステル繊維の「繊維 to 繊維」のリサイクルを実現する仕組みを構築するという。
新リサイクル技術によって作られた再生ポリエステル原料
Image by: 帝人フロンティア
DMT法再生ポリエステル原料
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