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デザイナー 瀬戸川裕太が見据える、アパレルに関わる人々の"これから"

デザイナー 瀬戸川裕太が見据える、アパレルに関わる人々の"これから"

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アパレル販売員からバイヤー、企業デザイナーを経て自身のブランド「YUTASETOGAWA」を立ち上げた瀬戸川裕太さん。アパレル業界を様々な視点で見て、体験してきた瀬戸川さんが見据えるアパレル業界に関わる人々のこれからとは?服作り以外にも様々な活動をされているご自身の展望と併せてお話を伺いました。

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ムカついたので営業成績トップになってやりました(笑)

――高校は美容系に行かれていたんですよね。なぜ美容師ではなくデザイナーに?

卒業後、友達が音楽の道に進むと聞いて、僕も何かを形に残したいと思うようになりました。美容師の場合、例えばコムデギャルソンのヘアを担当されていた加茂克也さんのようにアーティスティックな作品を生み出すことができれば別ですが、通常のサロンワークであれば形に残すことは難しい。僕は加茂さんのようにはなれない、でも何かを残したい…と思った時に浮かんだのが、大好きなファッションでした。あ、でも卒業してすぐに営業の仕事をしましたね。3ヵ月でしたけど、売り上げのトップ成績を収めたんですよ。

――3ヵ月でトップ成績ですか!?

当時、若かったのでスーツを着て働くことへの憧れや、親を安心させたいという気持ちもあり、中古車販売店の営業マンになりました。ファッションの道に進む前に、一度サラリーマンを経験しておこうかな、なんて思いもあって。でも入社してすぐの頃に上司に「お前みたいなもんに何ができんねん。営業成績トップになれたら辞めてもええで」って言われたんです。めちゃめちゃムカついたので営業成績トップになってやりました(笑)。底辺にいたんじゃ、その業界のことも何もわからないままだし、どうせ辞めるならその前に頂きからの景色を見たくて。

デザイナー経験後に服飾学校へ

――そこからファッションの道に進まれるわけですが、どうしてデザイナーに?

最初はアパレルショップで販売員をしていました。販売員って、成績を上げれば上げるほど注目されて、色々なお店から引き抜きがあるんですよ。僕も百貨店から路面店、古着屋、ファストファッションまで色々と経験しました。引き抜きの度にポジションもどんどん良くなっていくので、20歳の頃には2店舗のマネジメントをしながらバイヤーも任されるまでになりましたね。そんな時にデザイナーさんたちに「君は服を作る方が向いてるんじゃないか」と言ってもらえたんです。最初は企業デザイナーを経験しました。トレンドにはかなり敏感だったんですが、服の構造などの知識がなくて…パタンナーさんに「服のこと何も知らんやん」とバカにされる日々。このままではいけないと服作りについて学ぶために服飾学校に行こうと決めたんです。

――デザイナーになった後に学校に行かれたんですね。

最初は1年制コースのある学校に通いました。元々学校という環境が嫌いだったので、1年で学べるなら良いなって(笑)。でもその学校は、卒業後に企業デザイナーやバイヤーを目指す人が多くて、僕は既に経験していたので少し違和感を感じていました。いっそ留学しようかなと思ったんですが、お金もないし…と悩んでいた時に勧められたのがエスモード※の京都校でした。

※エスモード:パリにある世界最古のファッション専門教育機関。パリ校の教育システムやメソッドと日本校独自のプログラムを活用する教育方針を掲げている。

――東京にはどのタイミングで?

エスモードは卒業審査会があって、合格点に達したら卒業できるというシステム。審査員としてエスモード出身の有名デザイナーたちが集まるんですが、講評の際に色々な人に「絶対東京に行った方がいいよ」とアドバイスをもらい、上京しました。東京でやっていくことを考えていないわけではなかったんですが、どこかで「勝てるかな、生き残れるかな」って逃げていた部分があって。でも、せっかくなら東京でバーンっと何かやってもいいかなと。YUTASETOGAWAとしては2年生の頃から衣装のリースなど仕事として成り立ちはじめていましたが、上京後に本格的になっていきました。

どこまでを“デザイン”するか

――東京で自分のブランドを持ってみていかがですか?

服って、見せ方によって全く違うものように見えるんですよ。僕はそれこそがファッションの本質だと思うので、すごく大切にしています。ただ服を作っているだけだとそういう視野が狭くなっていくような気がして、最近は衣装制作からパッケージデザインまで、気になることはとにかく挑戦してみています。ゆくゆくは家具も作りたいなあ。そういう色々なことの中心に軸としてぶれずにファッションがあるんだと思います。「着ることのできる服」を前提として、その外側にある空気感みたいなものをデザインしたいですね。人からは「それはファッションデザイナーの域を超えている」と言われますが(笑)、僕はそれができないとファッションデザイナーは務まらないんじゃないかなと思っています。

――その一着を着てどんな1日を過ごすのか、どんな人生を歩むのか、そこまで考えたいと。

お金と交換できるもの、できないもののどちらも作れるようになりたいです。長い時間が必要だとは思うんですが、まずは小さくからでも始めていきたいですね。少し前まで、とにかく「新しいもの」を作らなきゃと思っていたんですけど、自分が本当に好きなものはちゃんと作り続けて行かないと、ファンの方や応援して下さっている方にYUTASETOGAWAとは何かが伝わりにくくなるなって気付いたんです。新しいものづくりに挑戦しながら、これまで大切にしてきた服作りも大切にしていきたいですね。

――読者の方にアドバイスをお願いします!

若い販売員の方とお話する機会があるんですけど、「取り扱っているブランドはデザイナーが凄い経歴を持っているから売りやすいんですよね」みたいに言う人もいるんです。でも、販売員というのは例えばそれが服じゃなくて、野菜だったりネジみたいな部品だとしても売らないとダメだと思うんですよね。良いものを良いと伝えることは大切ですが、本当に強い人は何を売らせても売れる人だから。僕の展示会にはバイヤーやプレスなど関係者だけでなく、服飾学生も自由に来れるようにしているんですが、そういう子って色々なブランドに遊びに行って試着して拡散して…そうしてその子たち自身のファンを作っている。これからは人自体がブランドの時代ですから、ブランドや人を想像した時に「このブランド(人)といえばこんなイメージ」と思い浮かべてもらえるようなブランディングが大切だと思います。

瀬戸川 裕太 せとがわ・ゆうたデザイナー。
1994年兵庫県生まれ。
18歳でアパレルの販売員からキャリアをスタートし、バイヤー、企業デザイナーを経て、ESMOD JAPON卒業。

在学中からメッセージ性の強いサスティナブルな作品づくりを得意とし、卒業コレクションがきっかけとなり自身の名を冠したブランドYUTASETOGAWAを2021年よりスタート。
https://yutasetogawa.official.ec/
https://www.instagram.com/yutasetogawa/

TEXT:鷲野恭子(ヴエロ)
PHOTO:須藤しぐま

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