雑誌「コモンズアンドセンス(commons&sense)」が、環境問題の解決を目的としたコンセプトブティック「Red, Gold & Green」を南青山にオープンする。
コモンズアンドセンスは、編集長兼発行人を務める佐々木香によって1997年に創刊。毎号一つのテーマに基づいてヴィジュアルを構成し、「カタログ」ではなく「写真集」に近いテイストで独自の視点からファッションに関するメッセージを伝えている。当初はユニセックスマガジンだったが、2006年にメンズが「コモンズアンドセンス マン(commons&sense man)」として分離。現在、両誌とも世界15ヶ国28都市で取り扱われている。
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同店は、東京メトロ表参道駅から徒歩3分の場所に位置。デンマーク出身のフラワーアーティスト ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)のギャラリー跡地に店を構える。「これまでコモンズアンドセンスではできなかったアプローチで環境問題解決に取り組みたい」という考えからプロジェクトが発足し、「大好きなファッションを買い続けるために!」をテーマに実店舗をオープンした。店名は、イギリスのポップミュージックバンド「カルチャークラブ(Culture Club)」の楽曲「Karma Chameleon」の歌詞に由来しているという。
地上1階(エントランス)
Image by FASHIONSNAP
店舗は、地下1階から地上2階までの3フロアで構成。1階には化粧品やハンドクリームといったボディケア用品を展開し、地下1階ではナチュールワインやサプリメント、お菓子などをラインナップする。一面ガラス張りの地上2階には、ルームフレグランスやバス用品、トイレ用品などの生活用品を用意した。取り扱うのはいずれも自社で設定したレギュレーションをクリアした「環境問題にコミットする」アイテムだ。
地下1階
Image by FASHIONSNAP
環境に配慮したコンセプトブティックを立ち上げ大きな理由は、環境に大きく負荷をかけてしまうとはいえ、ファッションを好きな気持ちは止められないということ。同プロジェクトの発起人でもある佐々木は「アメリカのアル・ゴア(Al Gore)元副大統領が主演するドキュメンタリー映画『不都合な真実』を観て環境問題を意識するようになった。一度は間接的に環境破壊を助長するコモンズアンドセンスの刊行をやめようかと思ったが、服を買うことはやめられない。それならば、せめてファッションを楽しむ以外の時間で地球環境に配慮した生活をしたいと思い、サステナブルな日用品を集めた店舗をオープンした」と話す。循環型社会の実現を目指し、店頭の什器や小物などは全てユーズド品を使用しているという。
地上2階
Image by FASHIONSNAP
また、同様の理由でショッパーの発注を廃止。顧客は自宅に眠っているショッパーやボックスを持ち込むことで、購入時に使用できるポイントと引き換えることができる。寄付されたショッパーに「リサイクル」と記載されたシールを貼りつけ、ショッパーとして活用していく。
ファッション誌が手掛けるコンセプトショップではあるものの、店頭には服、靴、バッグを置くことはしない。「ファッションに携わる人々をリスペクトしているからこそ、そういった人々のビジネスの助けになるような『ファッションを楽しむための店』にしたい。ただ、アパレルを置かない代わりにブランドとコラボしたユニフォームを作って宣伝し、コラボ先ブランドの顧客獲得に繋がるような取り組みをしていく」と佐々木。制服第1弾は「ミルク(MILK)」とビューティブランド「アムリターラ(AMRITARA)」とのトリプルコラボレーションで製作したという。
今後は、売上目標などは決めずに営業していく方針。佐々木は「環境に配慮したコンセプトショップとはいえ、まずは自社のスタッフや支えてくれる人たちが幸せを感じてくれることが第一優先。その延長線上で、5年で10店舗くらいまで増やすことができたら」と展望を語った。
■Red, Gold & Green
場所:東京都港区南青山5-5-20
commons&sense:公式サイト
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