旗艦店「バルミューダ ザ・ストア 青山」(PHOTO:SEVENTIE TWO)
新興家電メーカーのバルミューダは、2022年12月期通期の連結業績予想を下方修正した。
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バルミューダが11月8日に発表した2022年12月期の第3四半期決算(2022年1月1日〜9月30日)は以下の通り。
・売上高:124億9300万円(前年同期比+12.7%)
・営業利益:1億5700万円(同−63.7%)
・経常利益:7400万円(同−81.8%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:4300万円(同−83.6%)
新製品の発売等に加えて、旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」での夏休み限定イベントの開催やSNSアカウントでの情報発信等、バルミューダブランドの構築及び製品の認知度向上策を推進したことで増収となった一方、記録的な円安ドル高により仕入コストが上昇し、売上総利益率が低下した結果。同社は商品開発やデザインに特化し、製造機能を持たない「ファブレス」の企業で、生産は海外に委託している。円安の進行が続き、原価率のさらなる上昇を見込み、2022年12月期(2022年1月1日〜12月31日)の業績予想を修正。修正内容は以下の通り。
・売上高:前回発表から修正なし
・営業利益:8億円→1億円(前期比−93.4%)
・経常利益:7億9000万円→400万円(同−99.7%)
・親会社株主に帰属する当期純利益:200万円(同−99.8%)
また、在庫過剰などの影響で掃除機の在庫評価損として9800万円を計上する。ただし、売上高は業績予想からの修正はなし。売上高については、ウィズコロナへの移行が進んだことによる外出機会の回復や、国内外において物価の上昇による家計への影響が強まったことが下押し要因となった。一方で、韓国でのキッチン家電の販売好調もあり、国内外で発売したキッチン関連の新製品が計画通りの販売台数で推移していることや、為替換算影響により海外売上が増加したこと等により、184億1000万円(前期比+0.2%)と従来見通しを据え置いている。
昨年11月26日に発売を開始した5Gスマートフォン「バルミューダフォン(BALMUDA Phone)」は、第3四半期累計で約1億7200万円を売り上げており、販売価格は78,000円のため約2,200台を販売したようだ。
寺尾玄社長は同日の決算説明会で「為替変動や巣ごもり需要の終わり、物価高で高級家電にお金が回らなくなっている」と事業環境の悪化を指摘した。対策として設計変更によるコストの削減や、円安の恩恵を受けられる海外展開を拡大する方針を示した。新しい外部環境に対応し、利益を生み出す事業構造に進化させ、経費コントロールを強化する必要がありそうだ。
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