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荏原のリサイクルショップ「HAND TO MOUTH」 モノを通じて人と繋がる場所を提供

荏原のリサイクルショップ「HAND TO MOUTH」 モノを通じて人と繋がる場所を提供

ACROSS編集部
ACROSS

偶然を引き寄せる人柄と経験から成る「体感マーケティング」で、リサイクルショップの殻を破る

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モノを通じて人と繋がる場所

「Hand To Mouth(ハンドトゥマウス)」(以下 HTM)は、品川区荏原に位置する2021年に移転リニューアルオープンしたリサイクルショップ。以前は、大岡山の環七通り沿いでデザイン家電と小物を扱っていたが、建物の老朽化に伴い移転。現在は、ドイツ製品を彷彿とする無機質な雑貨、食器、ランプや電卓などの小型電気製品や家具、作りの凝った洋服を中心とした古物を取り揃えている。古物の買い付けだけでなく、店頭での買取や出張査定も行っている。

古物は以前誰かが所有していたモノ。それらを見つけてきては、新たな誰かの手に渡っていくのを見届ける。モノを通じて店に来る人同士のエネルギーが混ざり合う場所が、HTMだ。

静かな荏原の住宅街に突如明るく浮かび上がる店がHTMだ。メタリックな什器と蛍光灯による無機質な演出が特徴的。

買い付けは、店主の廣永さんによる地方のショップ巡りが中心。選定ポイントは、形・色味・素材・ディティールで、ブランドや年代など背景は重視しない。これには「人に対しても同じで、ブランドやステータスなどのバイアスをかけて判断するのではなく、本質を見てほしい」という廣永さんのメッセージも込められている。だからこそ、独自の視点でおもしろいと感じたものや資料的価値が高いと判断したものは、例えガラクタに見えるものでも”救出”してあげたくなるそう。

廣永さんのセレクトは、自身が18年前に始めたネットオークションによる古着の個人売買の経験をはじめ、過去に生業にしていたアパレルパタンナーや音楽現場でのローディーなど、自身の経験に基づく“体感マーケティング”を元にしており、鋭い嗅覚が特徴だ。

民芸品やお土産物があると思えば、デザイン家電やノスタルジックな雑貨、アノニマスな手芸作品などが並ぶ多岐に渡る品揃え。一見何の脈絡もなく見えるセレクトに、店主の興味やこだわりが垣間見られる。

荏原(西小山)では今なにが起きているのか

 西小山は、駅前に連なる数十店舗の個人商店や飲食店を擁するアーケードを抜けると、一気に閑静な住宅街が広がるこじんまりとした街だ。通っている路線は東急目黒線のみで、急行列車は止まらない。目黒まで電車で5分とかなりアクセスはいいものの、急行列車停車駅で巨大商店街やタワーマンションが立ち並ぶお隣、武蔵小山と比較すると利便性はいまひとつ。ただ、その住宅街の中に時々ユニークな個人店が存在する。ワインバー「wine bar WEST(ワインバーウエスト)ギャラリーショップ「Parque(パルケ)カフェ「小さかった女など、わざわざ遠方からそれらの店を目的にこの街へ足を運ぶ人も多い人気店が名を連ねている。廣永さんが現在の場所を店舗に選んだのは、この街への興味が大きい。「家庭を持つようになり、大好きだった街を離れて落ち着く場所を探した時、個人事業主が多い西小山に惹かれた。吉祥寺と西荻窪の関係と、武蔵小山と西小山の関係にはかなり類似点がある。どちらも前者は近年便利な街に生まれ変わり、資本主義の流れを感じる。一方、その隣に位地する後者は、どこからか店が移転してきたり、新たに個性的な店がオープンしてはそれらが融合して、自然発生的にカルチャーが誕生している街」と分析する。過去に10年ほど西荻窪に住んでいたという廣永さんだからこそ、気づくことのできる関係性だろう。

無骨な見た目のトランシーバー(無線)は昭和時代のSONY製。

そんな西小山では、開店前から不思議な出会いが連続したそう。店舗移転時にモノを通じて偶然出会った写真家の嶌村吉祥丸さんとデザイナーの長谷川踏太さんが運営する「Same Gallery(セイムギャラリー)や、世界的なウィッグアーティスト河野富広さんとビジュアルアーティストの丸山サヤカさんによるクリエイティブ・プラットフォーム「Konomad(コノマド)」など西小山を拠点とする気鋭のアーティストとのコミュニティが同心円上に広がり、クリエイティビティを拡張しあっているようだ。

廣永さんが発掘したアーカイブがまるで“資料室”さながらに揃う店内。奥には倉庫も併設している

老若男女のための資料部屋

HTMが目指すのは、人が集まり関わり合う場所であること。新型コロナウイルスにより崩れてしまった人との交流という行為を復活させるため、今後のお店の方向性を提案する意味もあるそうだ。「営利目的よりは、人とのエネルギーの高まり合いによる”セッション”を起こしたいという思いが強い。営業日も基本的に土日祝とマイペース。無理をしてまで働かずとも好きなことで満足な生活ができるというモデルケースを、自身の働き方スタイルを通して発信したい」という廣永さんの想いがある。その意味でも経済的な自立が可能な西小山は最適な場所だといえる。

服の値札はインクを使わず空押しで価格を表示。あえて価格を見え辛くしているのは、まずはそのものの価値を自らで感じ取ってほしいという想いがあってのこと。

来店客の年齢層は幅広いが、6~7割はクリエイターというから驚く。来店目的、きっかけも様々。若者はそのセレクトの物珍しさと店主とのおしゃべりに集まり、シニアは店主が選んだモノに懐かしさを覚え、そのモノの持つ意味や物語を語る。制作へのインスピレーションとその場所で起きる化学反応を求めにやってくるクリエイターも多いそう。HTMは昭和の個人商店のような温度のあるやりとりがあるからこそ、全世代に開かれた“地域の資料室”のような存在感を見せているようだ。

銀座ソニーパークの実験的POP-UPスペース「Sony Park Mini」で行われたHTMのポップアップショップの様子。

「HTM session」の今後

 HTMはSonyやAudio Technica、PARCO、千葉市美術館などの大手企業からその独自性と企画力が評価され、各所でポップアップショップを展開。既に地域のリサイクルショップの概念を大きく飛び越えている。

また、店とともに廣永さんは自らに向き合い続けることで、自分が得意なこと、なにを残していけるかを模索しながら、プロダクトデザインへの野望を抱いている。今はそのためにお店を通し、人と繋がり、アイデアを膨らませる自己投資期間だというが、プロダクトデザインといっても具体的な製品を制作するだけには留まらない。「HTMが提供できる企画力や抽象的なアイデアに、プロによる具現化のスキルを掛け合わせて、とにかく面白い企画、商品作りにチャレンジしていきたい」と廣永さんは目を輝かせた。


店主の廣永尚彦さん。「Sony Park Mini」ポップアップショップの店頭にて。

若手アーティストらとのコラボレーションによる実験的なオンラインショップも同年6月から構想し始め、総勢20名の協力を得て10月に完成した。それでもリサイクルショップであると名乗るのは、その殻を自分の手で破っていきたいという意気込みによるもの。他業界で各々得意を持つプロたちとのセッションによる、リサイクルショップの名を冠したプロジェクトの始動に期待が高まる。

【取材・文:ハセベチカ】

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