ブームが終わってもキャンプを楽しむ人口は依然として増加傾向にある
アウトドア用品専用メディア「キャンプ×ギア」を運営するxGEAR(クロスギア)は、「巣ごもり需要が一段落し、キャンプブームは終了したのか」などSNSなどで話題になっていることを受け、20~60代の1085人を対象に8月、キャンプに行く回数やキャンプ用品の購買金額・頻度の変化をインターネットで調査した。それによると、「ブームが終わったのではなく、新たな形で定着しつつある」という結果が得られた。
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本当に終わった?
コロナ禍の3年間で人気が高まり、第2次キャンプブームと言われた。アウトドア用品メーカー・小売りの業績は軒並み右肩上がりで、新規ブランドも数多く誕生した。一方、一部メーカーの売り上げが落ちたことから、「ブームが終わった」という声も上がっていた。
コロナ禍の前と最中、明けの「キャンプに行く回数」の推移はグラフの通り。コロナ禍では半数近いキャンプ経験者がキャンプを控えたが、逆にキャンプを始めた人も一定数いた。「コロナ禍のキャンプ回数」については、コロナ前と比較して明確な変化が見られた。コロナ禍は55.5%(経験者745人中414人)がキャンプに行くことをやめ、回数を減らした人も11.4%(85人)いた。一方、コロナ禍で未経験からキャンプを始めた人が97人、回数が増えた人22.8%(170人)。特に年5回以上のヘビーユーザーはコロナ前の9人から39人に増えた。
「コロナ明けのキャンプ回数」は、「再開・始めたい」56%、「増やしたい」18.5%、「変わらない」18.6%、「減る」2.3%、「やめる」4.6%。再開したいと考えている人が多く、コロナ禍に始めた人も、コロナ明けにやめる人は少ない。コロナ明けの「キャンプに行きたい回数」を見ると、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広い層で、キャンプに対する関心が再燃している。このことからもキャンプブームが終わったのでなく、新たな形で進行中であることも明らかになった。
用品の特需は一巡
「キャンプ用品の購買」についてのコロナ前と後の変化も調べた。コロナ中は60%近くがキャンプを控えていたが、キャンプ用品は継続して購入している人が多かった。しかし、コロナ禍の3年間で特需が一巡し、明けは新セットの購入が大きく減った。コロナで控えていた人の再開需要もあり、購買人数としては増えているが、新セット購入者が減ったことで購買総額としては減った形だ。
また、キャンプには行くが昨今のキャンプ用品の値上がりと、他のレジャーにお金を使うために購入を控えるという傾向もある。子供の成長でキャンプをやめる層もいて、コロナをきっかけにキャンプを始めた人の一定数(22.2%、全体の6.0%)は、コロナ明けでキャンプをやめたことも判明した。この結果、中古市場にキャンプ用品が流れ、中古品販売は増加している。特需期間にメーカーや小売店が過度の供給をしたことで、現在の市場は需要と供給のバランスが崩れていることも確かだ。しかし、「この状況は一時的なものと考えられ、キャンプを楽しむ人口は依然として増加傾向にあり、市場には確実に需要が生まれる。市場の調整が進めば、バランスの乱れも次第に修正される。今後の動向に注目したい」とまとめている。
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