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繊研plus朝日新聞に世界遺産オーストリア・ハルシュタットでのオーバーツーリーズムの記事が載っていた。観光シーズンになれば、人口700人の小さな村に1日1万人が訪れる。あまりの過熱ぶりに業を煮やした地元住民は、村の中心部に通じるトンネル付近の道路を封鎖するという実力行使に踏み切ったという。
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ハルシュタットは古くから岩塩の採掘で栄え、今も湖畔に面した昔ながらの街並みが残る。ディズニー映画『アナと雪の女王』を想像させて人気を集めた。韓国ドラマ『春のワルツ』の舞台になり、撮影スポットを巡る人も多い。10年ほど前には、中国広東省で実物大の街並みが作られ話題になるなど、アジアからの観光客も多い。
住民は1日当たりの観光客数の制限、観光バスの通行規制などを求めてきたが、ついに堪忍袋の緒が切れたか。個人や住民意識の強い欧州とはいえ、実力行使に踏み切るのは珍しい。今後も世界中でこの種のニュースが増えることだろう。
日本でも、同じようなオーバーツーリズムの問題が顕在化している。地域住民の悩みも理解できる。とはいえ、少子高齢化で縮みゆく国勢を考えれば、これからも長きにわたってインバウンド(訪日外国人)需要に期待せざるを得ない。様々な問題も起こるだろうが、一時の感情に流されず、冷静な対応が求められる。
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