コロナ禍以降、多様で柔軟な働き方を実践する人が増えている。エーバルーンコンサルティング株式会社で転職コンサルタントとして活躍する藤家 藍さんもそのひとりだ。藤家さんはフルリモート勤務になったことをきっかけに東京から糸島に移住。現在はコンサルタントとして働く傍ら、自身が立ち上げたコスメブランドのディレクターとしても活動する。そんな藤家さんに、コスメブランド立ち上げの経緯、糸島へ移住した理由や自分らしい人生を送るために大事なことについて伺った。
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藤家 藍さん/エーバルーンコンサルティング株式会社 コンサルタント、コスメブランド「yugen」ディレクター
福岡県出身。アメリカ・ニューヨークの大学を卒業。2018年にエーバルーンコンサルティングに入社。現在転職コンサルタントとして、主に外資系クライアントのオフィスポジションを担当している。東京オフィスに勤務したのち、2020年から福岡・糸島に移住。現在はリモートで勤務しながら、自身のコスメブランド「yugen」のディレクターを務める。
エーバルーンコンサルティング株式会社
東京と大阪に拠点を持つ、ファッション業界に特化したスペシャリストが集う人材紹介サービス会社。販売スタッフからディレクター、エグゼクティブクラスまで、ファッション業界のほぼすべての職種への転職活動をサポートしている。他にはないトップマネジメント層のリテーナーやエクスクルーシブ案件の紹介や、外資系企業の日本法人立ち上げのための採用プロジェクトなどの実績も多い。
HP:https://www.aballoon.co.jp/
LinkedIn:@A Balloon Consulting
仕事を続けながら、夢だった自身のコスメブランドを立ち上げる
― まずはエーバルーンコンサルティングでの仕事内容について教えてください。
転職コンサルタントとして、主に外資系クライアントのオフィスポジションの求人を担当しています。中でもコスメやライフスタイルの領域を得意としています。
コロナ禍でフルリモートになったことをきっかけに、家族と共に糸島に移住。現在は糸島で業務を行っています。
― コンサルタント業務と並行してコスメブランドを立ち上げていますね。
エーバルーンコンサルティングでは副業が可能なので、2020年に環境保全を前提にした「人々の心身の豊かさ=ウェルネス」に繋がるブランド「yugen」を立ち上げました。
その後、「Biople by Costme Kitchen」のバイヤーさんにお声がけいただき、全国の店舗で取り扱われるようになりました。「婦人画報」でも掲載して頂いたおかげで、立ち上げ2年目で多くの方々に手に取ってもらえるブランドへと大きく成長しました。
― コスメブランドを立ち上げた理由は何だったのでしょう。
新卒でコスメ系商社に入社し、バイイング業務に携わる中で「いつか自分でコスメブランドを立ち上げたい」という想いが芽生えました。その後、結婚・出産を経てライフステージが変わっていく中でも変わらずにその夢を持ち続けていたのですが、タイミングの見極めが難しかったり、コンセプトが固まらなかったりと、なかなか実現には至りませんでした。
そんな中、2019年に家族旅行で行った石垣島で島由来のスキンケアグッズを取り扱うセレクトショップを訪れたんです。そのショップの「自然に寄り添った」というコンセプトに強く感銘を受け、自分の中にあったものがふっとすべてカタチになりました。決定的な瞬間でしたね。
気持ちが固まれば突っ走る性格なので、そこからは迷いなく行動し、「yugen」の立ち上げに至りました。
自分らしい働き方と子育てを実現するため、糸島に移住
― 糸島へ移住されたきっかけについて教えてください。
私は福岡市内で生まれ育ったのですが、幼い頃に父が糸島に別荘を建てたことから、よく糸島で休日を過ごしていたんです。バギーに乗って山道を走ったり、一日中海で過ごしたり、家族で露天風呂に入って海を見渡したりしたりと、家族との思い出がたくさん詰まった特別な場所です。
その後はニューヨークの大学に進学し、東京で就職。都市部で生活するようになりましたが、10年前に父が他界し、母が糸島へと移住したことで、私もまた糸島を訪れる機会が再び増えていきました。
都会で神経をすり減らしていた私にとって、糸島という自然豊かな土地はとても心地よく、父を身近に感じられる大事な場所だと再確認したのです。
若い頃は都会が大好きでした(笑)。2006年から8年間ニューヨークで生活した後、東京で就職。独身時代は刺激的で楽しかった都会での生活が、結婚・出産で一変。仕事と子育てに追われる毎日を過ごしていました。
泣く息子をベビーカーに乗せて満員電車で保育園まで送っていたのですが、電車内では見知らぬ人から「この時間にベビーカーで乗るな」と罵声を浴びせられることもありました。肩身が狭い思いをしながら保育園の送迎と通勤を繰り返す日々……。
家に帰れば家事に追われ、心身をすり減らしながら気を失うように眠りました。そんな生活を続けるうち、東京での仕事と子育ての両立に限界を感じるようになったんです。ちょうどその頃、コロナ禍になり、会社がリモートワーク中心になったことから、意を決して糸島の実家に移住することにしました。
― コロナによる働き方の変化、プライベートでの苦労や悩みが重なって、移住に至ったのですね。
そうです。今では必然的な流れだったと感じています。夫とは移住を機に別々の道を歩むことを選択してシングルマザーとなり、母の住む実家に身を寄せました。
その後、人生のリスタートを切るため、自分で新しく一軒家を建て、現在はそこで小学一年生の息子、愛犬2匹と暮らしています。
この決断によって母親としての責任感が一層強くなり、あらゆる力の源になっていると感じます。プライベートでも仕事面でも、「もっともっと頑張るぞ」という気持ちが湧くようになりました。
常に自分に問い続け、正しいと思う選択を重ねていく
― どのようなビジョンを持って働いていますか。
仕事の面では、今後も人材紹介のプロフェッショナルとして経験を重ね、”転職=エーバルーンの藤家さんに相談しよう!”と皆様から頼って頂けるような存在を目指して、日々努力しています。同時に「yugen」のディレクションにも注力しています。
デュアルワーク+子育てをしているので、普段はなかなか自分の時間を持てませんが、最近はサーフィンのレッスンを受けたり、子供を母に預けて外食したり……と、少しずつ自分のための時間も作るようにしています。
自分の人生の目標と会社の目標、理想の働き方などを明確にしながら重なりを見つけ、共感できるところでコミットする。こうした主体的な選択をしていくことが理想の人生を送ることにつながると思います。
― 夢があっても、子育てとの両立で悩んでいる人、なかなか一歩を踏み出せない人に向けて、ぜひメッセージをお願いします。
今はまだ手のかかる子供もいて、でも仕事も頑張りたい。24時間という決められた枠の中で、すべてのバランスを完璧に取ろうとするなんて無理な話です。だから気持ちを割り切って、状況に応じてバランスを変えています。
子育てをしながら仕事をしていると、周りから「もっと子供と過ごしてあげたら?」と言われるかもしれませんが、自分は自分。仕事、夢や目標、好きな事をがむしゃらに突き詰める姿勢を貫けば、子供も「一生懸命なお母さんってかっこいい!」と思ってくれると信じています。
「自分らしく生きるとはどういうことだろう?」と常に自分に問い続け、自分が正しいと思う選択を重ねていけば、その先にきっと“何にも代えがたい、生きがいのある人生”が見つかるはずです。
ぜひ、子供が大きくなった、少し先の未来を想像してみましょう。なりたい自分が見えるようであれば、勢いをつけて初めの一歩を踏み出してください。どんなに忙しくなろうとも、なりたい自分が見えていれば、前に進み続けることができると思います。
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