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「神戸レザー」が世界進出、開発担当者に訊く誕生のきっかけと今後の展開

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極上の味わいで知られる日本のブランド牛・神戸牛(神戸ビーフ)。厳しい審査基準をクリアしたその肉は重宝されるが、国内では他の和牛の原皮紛れて流通している現状に、神戸ビーフと貴重な資源に価値を見いだしたい。そこで、そんな神戸牛の皮を有効活用できないか、という想いから誕生したのが「神戸レザー」だ。兵庫県内で革小物の製造販売を営んでいる片山喜市郎さんが神戸レザー協同組合を設立し、地元企業や職人、自治体と組みながら「神戸レザー」の世界的なブランド化を目指している。なぜ「神戸牛」の皮に目をつけたのか、どんな製品化事例があるのか、そして海外での評価は――。代表理事・片山喜市郎さんと副理事長・永田泰資さんに聞いた。

大量廃棄されていた「神戸牛」の皮をブランドに

― 神戸牛の皮に着目されたきっかけを教えてください。

片山喜市郎さん(以下、片山):私が代表を務める株式会社喜市では、革製品財布や小物の製造の販売をしています。日頃からお付き合いのある兵庫県内のタンナーさん(革のなめし工程を行う専門業者)から「神戸牛のもととなる但馬牛の原皮が余っている」という話を聞きまして。それを活用してブランド化できないだろうか、と考えたことがきっかけです。それで2019年に、神戸レザー協働組合を設立し、タンナーさん(なめし作業を行う製革業者)たちと共に製作活動をしながら徐々に自治体やメディアと連携していきました。

― 「但馬牛」というワードが出てきましたが、「神戸牛」とはどう違うのでしょうか。

片山:実は、皆さんがよく知っている「神戸牛」という品種の牛は、実は存在しません。「但馬牛」という品種のブランド牛が分類され、審査で上位に格付けされたお肉だけが「神戸牛」と呼ばれています。

― そうなんですね。「神戸牛」の皮はもともと流通していたのでしょうか。

片山:ほかの和牛の皮と一緒くたにされて流通していました。一般的に、「但馬牛」の皮は小さくて厚みがなく、扱いにくいという認識がありました。皮にまで脂がまわっているため、なめし加工に手間がかかり、扱いづらいことから素材としては好まれていなかったのです。

― なぜ扱いづらい皮を、レザー製品の素材として活かすことを目指したのでしょうか。

永田泰資さん(以下、永田):「神戸牛」は世界的なブランドとして知られる高級肉です。その副産物である皮に価値が見出されていないのはもったいないと感じていました。そして、我々神戸のメーカーや事業者がその素材を使って新たにブランディングができたら面白い、と思ったんです。

― 神戸レザーはどういったプロダクトに向いている革なのでしょうか。

片山:「神戸レザー」は一般的な革に比べて繊維の密度が高く、いろいろなものに転用できるのが特徴。柔らかい防水の革、形状記憶の革、表面オイルガラスの綺麗な革など、用途に合わせた革に加工することができます。だからさまざまな製品の素材に活用できますね。

永田:これまでの製品例としては、防水の革をアウトドア用のイスに使用したり、形状記憶の革を紙袋風デザインのバッグに使ったり。その製品に合わせて加工をチョイスできるんです。タンナーや職人など高い技術力の結晶によりさまざまな用途を見出しています。

右:神戸レザー協同組合 代表理事 片山氏 左:副代表 永田氏の両名。2024年、パリの展示会にて

育成~加工までを県内で完結させる地産地消が目標

― 神戸レザー協同組合ではサステナビリティに対しても積極的ですね。

永田:我々の活動は、“神戸牛の皮が余っているのはもったいない”という想いがベースにあります。今まで使われていなかった皮の部分を含め、1頭丸ごと余さずに有効活用できるように試行錯誤しています。

また、「但馬牛」の育成から「神戸レザー」の製品化までを兵庫県内で完結させ、循環と持続ができる仕組みをつくっていきたいと考えています。日本は原皮を海外から輸入することがほとんどですが、輸送でモノを動かせば動かすだけお金がかかりますし、CO²が排出されます。できる限り地産地消にすることで、かかるコストと環境負荷を削減していければと考えています。

―トレーサビリティも徹底されていますね。

永田:先ほども申し上げた通り、厳しい審査をクリアしたものだけが「神戸牛」と呼ばれます。追跡をして、どの個体の皮なのかを照合できなければ“「神戸牛」の皮”とは言えないので、1頭1頭の個体情報がしっかりとわかるようになっています。このシステムのおかげで、育った牧場の場所やどの個体と個体の間から生まれているのかなどが追跡でき、最終的に製品になった段階でも皮の個体情報や背景を確認できるようになっています。

― 欧米の展示会にも参加されていますが反響はありましたか。

片山:「神戸ビーフ」は欧米でも知られていて高級肉という認知もあるので、海外の方々の反応は良く、説明しやすいというメリットはありました。「食用の肉があるなら、皮が余るのは当たり前だよね」という共感を得ることができています。

海外ブランドやデザイナーとも積極的にコラボ

― ファッションブランドやデザイナーとのコラボも活発ですが、最近だと、どんな事例がありますか。

片山:神戸の企業であるモーターサイクルブランド・カワサキとは、EVオートバイでコラボレーションしました。実売商品ではないのですが、シートやタンクに神戸レザーを使用してコンセプトモデルを共同製作しました。他にもホッチキスで有名なマックスと神戸レザーを使った商品を開発したこともあります。

永田:海外の事例では、台湾のデザイナー、ジョニー・チュウさんと「BLOOM」というイスを製作し、台湾の栄誉あるデザインアワードで受賞させていただきました。見た人からは、「これ座れますか?」とよく聞かれますね(笑)。実際に座っていただくと「気持ち良いイスだね」「リッチだね」とご好評いただいています。デザイン性のあるイスなので、写真を撮られる方も多いです。

海外のファッションデザイナーや、建築家とのコラボレーションにも積極的に取り組む

ほかには、海外ブランドのフランス人デザイナーとスツールを作ったり、フランスファッションブランドの「ON AURA TOUT VU(オノラトヴュ)」と組んでドレスを制作してパリコレにも参加しました。

2024春 パリ・ファッションウィークのランウェイにも登場した神戸レザー

― 今後の展望についてお聞かせください。

永田:海外に進出しながら思うのは、やっぱり「神戸牛」の認知度はすごく高いということ。それと同じくらい「神戸レザー」を知ってもらえるようなブランドに育てていきたいです。「神戸牛」の認知度と並ぶことができればブランディングとしては成功だと思うので、コラボも含めて「神戸レザー」をアピールしていく場を増やしたいです。

片山:扱いが難しい素材ですが、タンナーさんたちの技術やお力を借りながら製品化できています。これからも、「神戸牛」の皮を有効活用して製品にしていきたいので、同じ思想を持ったブランドや企業と価値あるものをつくっていきたいです。もっと高級メゾンやブランドと組んで製品をつくっていければいいですね。

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