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Facebookのサービス開始から20年。いまや複数のSNSが人々のコミュニケーションの場として広く普及している。
しかし、SNSは気軽に情報を発信・収集できるというメリットがある一方で、誤った情報の拡散、ネットいじめ、プライバシーの侵害などといったトラブルも絶えない。
また絶え間のない通知の嵐や、不特定多数の人から見られていること、オンライン上の人格を維持しなければならないというプレッシャーが、ユーザーを交流から遠ざけているという指摘も。
こうした背景のなかで、英国ロンドンを拠点とするテクノロジー企業のNYOUM社は、生成AIを活用し徹底したプライベートを確保するコミュニケーションアプリ「YOUM」のグローバルローンチを発表した。
同アプリは、ユーザーが親しい友人とだけ投稿を共有でき、フォローなどの機能もない点で一般的なSNSとは一線を画しており、プライバシーを守りながら密なコミュニケーションを楽しめるという。現在YOUMはAndroidとiOSでリリースされており、160か国・49の言語に対応している。
フォロワーも「いいね!」もない、新しいアプリ
YOUMはユーザーが投稿した写真、ビデオ、音声、テキストをユーザーの友達だけが見たり、聞いたり、読んだり、反応したりできるプライベートなアプリ。フォロワーも「いいね!」もないという、従来のSNSの対抗馬となる特性を備えている。コミュニケーションは完全にマルチモーダルで、内輪同士で共有するように設計されている。
YOUMは、組み込みの生成AIを使用して、友人だけが視聴したり読み取ったり、反応したりできるマルチメディアフィードを用意。そのほか、徹底的にプライベートなスレッドや、画像と音声をキャプチャする生成AIを搭載したマルチモーダル メッセージング機能も。大切な人との1日を記録して共有するモーメント機能なども備える。
YOUMはプライバシー保護の徹底のために、新しい分散型モデルに基づいて構築されているのが特徴で、データ処理とAIによる生成はデバイス上で行われ、暗号化もされるため、ユーザーのデータはYOUMを含め誰にも公開されないという。NYOUMの共同創設者兼CTOであるJames Ellis-Reeves氏は「テクノロジ アーキテクチャを根本から変えることで(中略)プライバシーを徹底的に保護します。」と述べている。
なおビデオや音声メッセージを共有する際は、組み込まれた自然言語処理(NLP)とオープンソースの大規模言語モデル(LLM)を使用して、サーバーレスでリアルタイムの文字起こしと翻訳を行う。さらに、オープンソースのLLMを活用してユニバーサルな検索を実現する。
“プラットフォームの民主化”を目指す
さらにYOUMでは、ユーザーの明確な許可を得た場合にのみ広告を配信している。すべての広告によって生み出された収益の50%がユーザーに支払われるという新しいパラダイムも特長的だ。
そのほか、NYOUM社は5年以内に投資家からユーザーへYOUMの所有権を移譲し、プラットフォームを民主化する計画だという。これには、少なくともデイリー・アクティブ・ユーザーが1億人に到達し、2/3以上のユーザーがオファーに参加することが条件となる。この試みは「コミュニケーションネットワーク」が誰に役立つべきかを再考する一歩となるかもしれない。
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