


フランス製の靴を日本で輸入販売している会社に聞いた話だ。上質な本革のアッパーに天然ゴムのソールを組み合わせて作るそのブランドの靴は、ドレススタイルにもカジュアルな着こなしにも使えるデザインが特徴だ。
汎用性の高さが受け、日本では長年、人気を維持している。最近は若年層の新規客も増えているのだが、彼らは40~50代の顧客と違い、実際の足のサイズより0.5~1サイズ大きめを購入することが多いそうだ。
若年層が選ぶ靴のサイズが大きめになるのは、体格が昔より良くなったからではない。彼らが10代を過ごした10年代半ばは、東日本大震災によって節電が求められ、ドレスコード緩和が急激に進んだ時期だ。仕事でスーツを着て革靴を履く機会はどんどん減っていった。
スーツを着た大人と接する機会や、本革のドレスシューズを履いた経験が少ない今の20代の多くは、ホーズと呼ばれる革靴用の薄手の靴下の存在を知らない。どんな種類の靴を履くときも、靴下は普段スニーカーに合わせて履いている分厚いソックス一択だ。
若い新規客はスニーカーソックスをはいたまま試着してサイズを決めるので、靴下の厚みが増した分、靴のサイズも大きくなるわけだ。服装のカジュアル化と購買層の世代交代がさらに進めば、他のアイテムでもジャストサイズの概念が変わるかもしれない。
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