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「洗練とは、他者への敬意である」ブルネロ・クチネリが語る、現代メンズウェアにおけるエレガンスの正体

Image by: FASHIONSNAP

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 「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」の創業者ブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)と、メンズラグジュアリーEC「ミスターポーター(MR PORTER)」のトビー・ベイトマン(Toby Bateman)CEOによるトークセッションが「第109回ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo、以下ピッティ)」で開催された。「エスクァイア(Esquire)」のクリエイティブ・ディレクター、ニック・サリヴァン(Nick Sullivan)をモデレーターに迎え、現代におけるメンズエレガンスの定義について議論を交わした。

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 クチネリは現代のメンズウェアについて、「スマートでありながらフォーマルではなく、モダンかつエイジレスなもの」と定義。特にパンデミック以降、年齢による服装の境界線が曖昧になり、快適さと汎用性が重視されるようになったと説明した。また、議論の核となった「洗練(Sophistication)」の定義について、クチネリは衣服そのものよりも振る舞いに言及。「洗練とは、親切さ、礼儀正しさ、丁寧さ、そして他者に敬意を払うことである」と語り、現代社会では人の話を聞く姿勢や他者への配慮が失われつつあることに懸念を示した。これに対しベイトマンも、「自分のために装うことは自信につながるが、他者への敬意として装うことも必要だ」と応じ、服装における他者に対する振る舞いの重要性を強調した。

 ビジネスにおける「体験」や「ストーリーテリング」の役割についても意見が交わされた。ベイトマンは、小売業者がターゲットを見失いがちな現状を指摘した上で、「単に商品を売るのではなく、生産背景やその服が顧客の生活でどう機能するかを伝えるコンテンツが必要だ」と説明。クチネリもこれに同意し、特に若い世代は製品の出自や環境への影響を重視しているとし、「明日捨てるために物を買う文化は終わりつつある」との見解を示した。

 質疑応答ではAI(人工知能)の影響についても問われた。ベイトマンは検索機能などにおけるAIの有用性を認めつつ、「人々に夢や興奮を与えることの代替にはならない」と回答。クチネリは「AIは理性から生まれる素晴らしいものだが、『狂気』は人間にしかない」と述べ、人間の創造性がAIに取って代わられることはないという見方を示した。

FASHIONSNAP ディレクター

芳之内史也

Fumiya Yoshinouchi

1986年、愛媛県生まれ。立命館大学経営学部卒業後、レコオーランドに入社。東京を中心に、ミラノ、パリのファッションウィークを担当。国内若手デザイナーの発掘と育成をメディアのスタンスから行っている。2020年にはOTB主催「ITS 2020」でITS Press Choice Award審査員を、2019年から2023年までASIA FASHION COLLECTIONの審査員を務める。

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