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Z世代が熱狂する「ネットフリックス・ハウス」とアメリカ小売業の逆襲

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

Z世代が熱狂する「ネットフリックス・ハウス」ダラス店の全貌を捉えたドローン映像。テキサス州の巨大ショッピングモールであるガレリア・ダラスの核テナント跡地を利用した約10万平方フィート(約2,800坪)の空間には、『ストレンジャー・シングス』の裏側の世界や『イカゲーム』の過酷な試練など、メガヒット作の世界が現実空間として広がっている。オンラインでの視聴体験から飛び出し、自身の足で歩き回って物語の世界に直接没入するという、現代のアメリカ小売業が突き進む究極の体験型エンターテインメントの圧倒的なスケール感を、まずはこの映像で体感してほしい。

Z世代が牽引するアメリカ小売業の新たな希望

ここ数年、アメリカの小売業界においてショッピングモールは死んだという論調が支配的であった。しかし現在、その閉塞感を打ち破る予想外の救世主が現れている。

デジタルネイティブであるはずのZ世代である。彼らが実店舗に押し寄せ、かつて若者のたまり場であったモールの熱狂を現代に蘇らせているのだ。

そして今、この熱狂を決定的なものにする起爆剤として誕生したのが「ネットフリックス・ハウス」である

アメリカのモールを中心に進む、実店舗とデジタルの融合、そして小売業の逆襲の最前線を深掘りしていく。

デジタルネイティブが求めるリアルな体験と即時性

パンデミック下で隔離されて過ごしたZ世代にとって、モールでの買い物は新鮮なエンターテインメントとなっている。

調査によると、18歳から24歳の若年層は全商品の62%を実店舗で購入しており、25歳以上の52%を上回っている。

Z世代は1500億ドル(約22兆5000億円)の購買力を持ち、2030年までには年間12兆ドル(約1800兆円)を消費すると予測される小売業界の最重要ターゲットである。

彼らがモールに向かう最大の理由は、オンラインでは得られないコミュニティとのつながりや居場所を求めているからだ。

スターバックスでコーヒーを買い、アップルで友人と製品を試し、TJマックスやターゲットでお得な商品を探すのが定番の過ごし方となっている。

さらに彼らは「今すぐ欲しい」という即時性を極めて重視しており、送料を払うことや、オンライン購入品を返送する手間を嫌う

実店舗であれば試着し、納得した上で購入でき、サイズが合わなければその場で返品できるため、結果的に最も合理的でストレスフリーな買い物体験となっているのだ。

スマホを駆使したモールの新たな歩き方

Z世代がかつての若者と決定的に違うのは、モール内でも常にスマートフォンをフル活用している点だ。

買い物の始まりはTikTokなどのインフルエンサーの投稿から得たインスピレーションである。

欲しい服を見つけると、ロッカー (Locker) のようなお気に入りアイテムを保存できるアプリに画像を集めてからモールへと向かう。

また、オンラインで購入し実店舗で受け取る仕組みも頻繁に利用されている。

ザラなどのアパレル店で商品を買う際、送料無料で翌日には店舗に届き、試着して合わなければ即座に返品できるため、モールは巨大な試着室兼物流拠点として機能している。

さらに、モールの体験そのものをSNSで発信し、承認欲求を満たすことも重要な目的だ

友人とお揃いの服を着て自撮りを行ったり、オンライン発のブランドであるエディクテッド (Edikted) などの実店舗に出向き、可愛い店内で動画を撮影したりするのが日常風景となっている。

これを受け、モール側も階段やエスカレーター下のスペースをSNS映えするデザインに改装するなど、コンテンツ制作スタジオとしての機能を持たせる工夫に奔走している。

アメリカ小売業の逆襲の象徴「ネットフリックス・ハウス」

長年モールを牽引してきたメーシーズやJCペニーといったデパートメントが撤退や規模縮小を進める中、空いた巨大スペースの救世主となったのが、究極の体験型施設「ネットフリックス・ハウス(Netflix House)」である。

ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のキング・オブ・プロシア・モールや、テキサス州のガレリア・ダラスにオープンしたこの施設は、核テナントの跡地を利用した10万平方フィート(約2800坪)以上の規格外のスケールを誇る。

施設への入場自体は無料で、写真映えするセットでの自撮りや、番組にちなんだ料理を味わえるレストランでの食事などは誰でも気軽に楽しめる。

しかし真の醍醐味は有料の没入型体験エリアだ。ダラスの店舗では『ストレンジャー・シングス(Stranger Things)』の裏側の世界を探検し、『イカゲーム(Squid Game)』の過酷な試練に挑戦できる。

フィラデルフィアの店舗では『ウェンズデー(Wendnesday)』の不気味な学園祭で謎を解き、『ワンピース(ONE PIECE)』の脱出ゲームで海賊気分を味わえるのだ。

平面の液晶画面に閉じ込められていた物語が、自分の足で歩き手で触れられる巨大な箱庭として現実世界に実体化している。

デジタル世界にどっぷり浸かってきた世代だからこそ、逆説的にリアルなつながりや五感を使った体験の価値が極限まで高まっている

スマートフォンを片手に持ちながらも、友人と同じ空間で笑い合い、物語の世界に直接没入する若者たちの姿は、アメリカのショッピングモールが決して過去の遺物ではなく、次世代の実店舗プラットフォームとして力強く逆襲を始めていることを証明している。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

フィラデルフィアとダラスのデパートメントストアの跡地に誕生した「ネットフリックス・ハウス」は、連日若者の熱気で溢れかえっています。

施設への入場自体は無料で、写真映えするセットでの自撮りや、番組にちなんだ料理を味わえるレストランでの食事などは誰でも気軽に楽しめます。

真の醍醐味は有料の没入型体験エリア。フィラデルフィアでは『ウェンズデー』の不気味な学園祭で謎を解き、『ONE PIECE』の脱出ゲームで海賊気分を味わえます。

一方のダラスでは『ストレンジャー・シングス』の裏側の世界を探索し、『イカゲーム』の過酷な試練に挑戦できます。

平面の液晶画面に閉じ込められていた物語が、自分の足で歩き手で触れられる巨大な箱庭として現実世界に実体化しているのです。

VRゲームには2時間待ちの行列ができるなど、その評判と集客力は絶大です。

もし仮に日本発の大ヒット作『地面師たち』の体験エリアがあったなら、ピエール瀧さん演じる後藤義雄のセリフ「もうええでしょう!」の音声認識ゲーム(絶妙なタイミングに関西弁の訛り具合、凄みや圧力で点数化するカラオケ採点みたいな)があれば面白そうですね。

最終更新日:

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