
Image by: BOURRIENNE PARIS X

Image by: BOURRIENNE PARIS X
白シャツに特化したパリ発のブランド「ブリエンヌ パリ・ディス(BOURRIENNE PARIS X)」は、世界の中でも特に日本の卸先が増えている。18世紀フランスで広まった男性のシャツをベースに、クラシカルなディテールを現代のワードローブに落とし込んだラインナップが特徴だ。今年4月、創業者のシャルル・ベグベデ(Charles Beigbeder)と妻のカリーヌ・ベグベデール(Carine Beigbeder)、デザイナーのセシル・フォシュー(Cecile Faucheur)が来日。フランスの職人技や伝統技法を取り入れた“スロー”なものづくりとブランド哲学を体現したイベントを開催した。
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18世紀のパリの社交場、男性のシャツに着想
同ブランドの誕生には、パリ10区の歴史的建造物であり、現在はブリエンヌ パリ・ディスのオフィス兼アトリエとなっている邸宅「オテル・ドゥ・ブリエンヌ(Hôtel de Bourrienne)」が深く関わっている。当時オフィスを探していたカリーヌが、1987年に建てられた同邸宅に一目惚れして購入。18世紀の服飾や文化から多大なインスピレーションを得たことから、2017年にブリエンヌ パリ・ディスがスタートした。メンズから始まり、現在はウィメンズも手掛けている。
オテル・ドゥ・ブリエンヌは18世紀のパリの社交界を代表する女性のひとりであるフォルチュネ・アムラン(Fortunée Hamelin)の住居であり、サロンとして活用されていた。アムランのサロンにはナポレオン1世やヴィクトル・ユゴー、シャトーブリアンといった文化人、著名人が訪れていたという。また、本人も当時のファッション界をけん引した「メルヴェイユーズ(Merveilleuses、驚くべき女性たち)」と呼ばれ、華やかなスタイルと行動で女性たちの憧れの存在だった。ブリエンヌ パリ・ディスでは彼女をミューズのひとりとしており、18世紀フランスの文化から、男性が甲冑の下に着用していた白いシャツや、ヴィンテージシャツのディテールを、コレクションに投影している。


オテル・ドゥ・ブリエンヌ
職人技を凝縮した「白シャツ」で勝負
ブリエンヌ パリ・ディスのラインナップは、メンズ・ウィメンズともにほぼ全てが白シャツだ。通年提案の最もベーシックな「アイコニックコレクション」、白以外に厳選したシーズンカラーも提案する「エッセンシャルコレクション」、不定期で発表する「コラボレーションコレクション」で構成している。
シンプルな白シャツは、カラー(襟)やカフス(袖)、ボタンといったディテールにブランドらしさが光る。例えばカラーは、軍の将校の制服に由来するオフィサーカラーや、スカーフが一体化したハイカラー、メルヴェイユーズのスタイルに着想したフリルカラーといったバリエーションで、カフスはフレンチカフスやシングルカフス、ロングカフスに加え、細かなギャザーとデザインベルトのようなタブ付きのカフスが特徴的な「ブリエンヌカフス」を揃える。
また、ものづくりのキーワードに「クラフトマンシップ」と「精密さ」を掲げる。ビブの極めて細いプリーツは、フランス北部ブルターニュ地方のアトリエで1956年から受け継がれる伝統的な技法で職人が仕上げる。随所に取り入れる刺繍のモチーフは、オテル・ドゥ・ブリエンヌのフレスコ画から引用し、それらの縁取りはフランス北部リル地方で150年の歴史を持つ職人のアトリエで行われる。リネンは高品質なノルマンディ産のものを用いるなど、フランスの服飾文化にオマージュを捧げた製造を追求している。






日本では2019年から販売し、フランス本国を含め最も卸先が多い。ユナイテッドアローズやトゥモローランド、ビショップといったセレクトショップで取り扱っているが、近年は個人経営のコンセプトストアとの取引が増えてており、ブランド担当者は「フランスのサヴォアフェールを大切にする私たちの世界観に共感したお店に声を掛けていただいている」と語る。また日本では、シルエットやディテールの好みに応じて、性差に捉われない着こなしが広がっているという。
イベントは顔を突き合わせて語り合える場に
今回のイベントは、日本上陸時から販売しているユナイテッドアローズで上級顧問クリエイティブディレクションを担う栗野宏文らの協力で実現した。会場は、川崎市中央卸売市場の中に位置するレストラン「調理室池田」。店舗の2階でアーティストの小町渉によるインスタレーションを展示したほか、ブランドのシャツに小町のアートワークを施した特別モデルや、「パラブーツ(Paraboot)」とのコラボシューズを同イベント限定で販売した。
「私たちは急速な成長よりも、じっくりと職人の技術や手仕事を伝えていくことの方が大切。華やかで大きなイベントより、顔を突き合わせて語り合える場が合っている」(同上)とし、イベントには高知県のセレクトショップ「ティー・オー(T.O)」といった遠方からの卸先が集うなど、アットホームな空間となっていた。今後も親密な関係性を重視し、日本のファンとのつながりを醸成していくという。






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