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帝人2026年3月期、純損益880億円の赤字 繊維・製品分野を今後の成長ドライバーに

 帝人の2026年3月期連結業績は、売上高に相当する売上収益が前期比13.2%減の8732億円、事業利益は同6.6%減の258億円だった。減収の主な要因は、複合成形材料の北米事業の連結除外効果によるもの。タイヤの補強材などに使われるアラミド繊維事業やヘルスケア領域では大規模な減損を計上し、純損益は880億円の赤字(前期は283億円の黒字)となった。一方、繊維・製品事業の売上収益は同0.5%減の3501億円、事業利益は同4.2%減の171億円と比較的踏みとどまり、衣料繊維分野では北米向けテキスタイルや国内・中国向け衣料品の販売が好調に推移するなど、繊維・製品事業を今後の成長ドライバーとして位置付ける。

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 2027年3月期は、売上収益が同2.7%減の8500億円、事業利益が同16.4%増の300億円となる見通し。純利益は450億円の黒字を見込む。

 決算発表に合わせて、2029年3月期に事業利益600億円・ROE 8%を目指す新中期経営計画を発表した。繊維・製品事業を核とした「顧客起点型ビジネス」への転換を図るために、今年4月1日付で組織再編を実施。顧客領域別にセグメントを再編し、従来の「マテリアル」「繊維・製品」「ヘルスケア」の3区分から、「アパレル&インダストリーズ」「ヘルスケア&ライフソリューションズ」「エレクトロニクス&エナジー」「スペシャリティマテリアルズ」の4区分へと変更した。

 新セグメントベースでの2027年3月期の事業利益予想は、アパレル&インダストリーズが190億円(前期暫定実績比19億円増)、ヘルスケア&ライフソリューションズが100億円(同34億円減)、エレクトロニクス&エナジーが150億円(同39億円減)、スペシャリティマテリアルズが30億円(前期は90億円の赤字)とする。

 内川哲茂 社長執行役員 CEOは、新中計で目指すビジネスモデルの転換について「素材自体の競争力を源泉とする戦い方から、帝人の強みを源泉とする顧客起点の戦い方へ転換する」と述べ、高収益を実現している繊維・製品事業と在宅医療事業が「顧客課題に立脚したビジネスモデル」を体現すると強調。「背水の陣を敷く覚悟を持って構造改革に取り組む」とした。

 また、成長ドライバーであるアパレル&インダストリーの強化のため、10月1日付で子会社の繊維専門商社である帝人フロンティアが旭化成アドバンスと経営統合し新会社を発足する。新会社の名称は「TAフロンティア」になると発表。新会社は、ポリエステルを得意とする帝人フロンティアとナイロンに強みを持つ旭化成アドバンスが、両社の相互補完による事業基盤強化と提案力向上を目的とし、株式の80%を帝人が、20%を旭化成が保有する。

 なお、中東情勢の緊迫化による原燃料価格上昇や調達への影響については、コスト削減・販売価格転嫁・在庫確保・生産計画の柔軟な調整などの対応により影響の最小化を図るとし、業績への影響がより明らかになった段階で必要に応じて業績予想を修正するとしている。

最終更新日:

FASHIONSNAP 編集記者

橋本知佳子

Chikako Hashimoto

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。ファッション雑貨、アクセサリー、繊維企業を中心に取材。

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