
Image by: ポーラ・オルビスホールディングス
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業が、長年のシワ研究により、「シワのための保湿メカニズム」「紫外線・表情圧が睡眠時のコラーゲン産生にブレーキをかける可能性」「シワのための新処方」の3つの研究成果を発表した。
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◾️シワのための保湿メカニズムについて
同社はシワ部位特有の乾燥感に着目した研究を進め、シワ部位は保湿因子フィラグリンを増やす酵素・SASPaseの発現が減少していることを見出し、水分を補ってもうるおいを保ちづらい角層構造に陥っている可能性を指摘。乾燥による小ジワが生じやすいという考えに至った。また、表皮細胞でSASPaseの発現が減少すると、好中球を誘引するIL-8の発現増加の影響を介して真皮のシワ形成にも関与しうることも突き止めた。そのうえで、ヒメフウロとクチナシの混合エキスが、表皮細胞でSASPaseの発現を増加させる作用とIL-8の発現を抑制する働きがあることを発見したという。
◾️紫外線・表情圧が睡眠時のコラーゲン産生にブレーキをかける可能性
また、紫外線や表情圧などの日中の肌ストレスがシワの引き金になるうる点にも着目。紫外線や表情圧を模した刺激を真皮線維芽細胞に与え、成長ホルモン受容体の発現量が減少したことを確認したという。さらに成長ホルモンの作用が十分に伝わらないことで、タンパク質の産生が促進されにくくなることが判明。このことから、日中の肌ストレスが、睡眠時の弾力性回復にブレーキをかけ、シワ発生部位が影響を受けやすい可能性を指摘した。次にストレス要因の影響を和らげる成分を探索、ビワ葉とレモングラスの混合エキスが成長ホルモン受容体の発現量を回復し、成長ホルモンのプロコラーゲン産生促進作用を回復することを細胞レベルで確認したという。 同研究から、睡眠時の肌のハリ回復力には、日中に受ける肌ストレスへのケアも重要あるという結論に至ったという。
◾️シワのための新処方「凹凸フィットベール技術」を開発
さらに、シワのケアにおいて重要な要素のひとつである保湿に注目。高保湿タイプの化粧水の使用でもシワが気になる部位では乾燥感が残っていると感じる要因として、シワのある肌表面には凹凸が複雑に入り組み、化粧水が広がりにくいうえに入り込みづらく、さらにはとどまりにくい特性があると指摘した。この肌表面の特性により、さらっとした化粧水は凹凸の底に溜まりやすく、とろみのある化粧水は凹凸内部に入り込みにくいという課題があったという。そこで油剤を微細化したナノエマルション技術を搭載することで肌なじみを高め、とろみがありながらも凹凸の奥まで入り込む設計を追求。親油基を持つ高分子と組み合わせることでシワ溝の側面にも密着、うるおいのベールを保持しやすい構成を導き出した。同社は同技術をシワのある肌の保湿課題に向けた処方設計の選択肢として、今後の研究開発に活用していくとした。
最終更新日:

Image by: ポーラ・オルビスホールディングス

図「SASPaseの減少によるシワリスクの増加(イメージ図)」
Image by: ポーラ化成工業

図「SASPase発現量とIL-8量の関係(代表例)」

図「SASPasによる角層の水分保持メカニズム(イメージ図)」

図「SASPase発現量とIL-8発現量の関係」

図「ヒメフウロとクチナシの混合エキスがSASPaseとIL-8の発現量に与える影響」

図「日中のストレス要因による成長ホルモン作用の変化」

図「複合エキスによる成長ホルモン作用の変化」

図「成長ホルモンと成長ホルモン受容体の働き」

図「日中のストレス要因による成長ホルモン受容体の発現変化と混合エキスの作用」

図「シワのある肌に化粧水を塗布した際の様子(イメージ図)」

図「凹凸フィットベール技術のメカニズム(イメージ図)」

図「製法の違いによるナノエマルションと非ナノエマルション」

図「人工皮革に対する接触角」

図「溝側面モデル実験による側面(勾配面)への密着性と下方への到達度の評価」

図「微細凹凸モデル実験による凹凸表面での広がりやすさと内部への入り込みやすさの評価」
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