毎年年末にビューティ業界を賑わせる「ベストコスメ」。韓国や中国にも、ビューティアワードは存在します。ランキングには現地で人気のブランドや、日本未上陸のブランドも多数。2023年に韓国・中国で発表された4つのビューティアワードから、注目のブランドや人気アイテムをピックアップ。今年日本でも流行るかもしれない?新しいアイテムも続々とラインクインしています。
目次
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【韓国】ファへ ビューティアワード2023
日本でもコスメマニアに人気の成分解析アプリ「ファへ」。ビューティアワードは9年目で、1000万人のファへユーザーのレビューをもとに、最も注目された人気製品と新せいひんを発表しています。
韓国のコスメ好きが選んだ、2023年の総合大賞受賞アイテムは?
総合大賞は「イッツスキン(It's skin)」の「パワー10 フォーミュラ LI ジェリーパット FIREFIGHTER」が受賞。カンゾウ根エキスを配合したうるおいエッセンスをたっぷり含んだ薄いパッドは、顔の曲線に合わせてピッタリ密着。ちなみに、同シリーズのジェルクリームは2022年の同アワード下半期ベスト新作ジェル部門で1位に選ばれています。
下半期の“ベスト新作美容液”は日本では知る人ぞ知るブランド
また、下半期に新しく浮上したルーキー製品を紹介する、下半期ベスト製品ランキングも発表。エッセンス・アンプル・セラム(美容液)の1位に輝いたのは、「ベガユル(Baegayul)」の「モイスチャーバランシングセラム」。日本では知る人ぞ知るブランド、ベガユルは、肌のさまざまな問題の根本的な原因は水分にあると考え、保湿をメインとするアイテムを展開しています。ランクインしたセラムは保湿力が高く、さらにベタつきがほとんどないと高評価を獲得。また、スキン(化粧水)・トナー部門でも、同ブランドの「モイスチャーバランシングトナー」が1位を受賞。
ローション・エマルジョン部門1位はデビューしたばかりのルーキー!
下半期ベスト製品のローション・エマルジョン部門1位は、「アロズ(Alos)」の「ジェントル ハイドレイティング ローション」。同ブランドは2023年にデビューしたばかりで、家族全員が安心して使用できるよう、安全とされる成分で処方されています。皮膚刺激テストも行い、肌の鎮静と保湿に焦点を当てたスキンケアを展開。ポップなイラストやロゴのパッケージも特徴です。
【ファへ ビューティアワード2023】総合ランキング受賞製品トップ3(一部抜粋)
・イッツスキン(It's skin)パワー10 フォーミュラ LI ジェリーパット FIREFIGHTER
・WELLAGE (ウェラージュ)リアルヒアルロニックブルー 100アンプル
・エスネイチャー(S.NATURE)アクア オアシストナー
【韓国】POWDER ROOM BEAUTY AWARD
韓国の美容コミュニティアプリ「パウダールーム(POWDER ROOM)」による「2023年下半期 ビューティアワード」は、美容への関心が高くトレンドに敏感な“コドク(韓国語でコスメマニアのこと)”や、若者ユーザーのレビュー、アプリ内のランキングや美容専門エディターらの意見をもとに、カテゴリー別にアイテムを選出。メイクアップ、スキンケア、クリーンビューティまで、幅広いジャンルのアイテムが並びます。
韓国で根強い人気!クッションファンデーション部門の1位は?
クッションファンデーション部門は、「バニラコ(BANILA CO)」の「カバーリシャスアルティメットホワイトクッション」が1位を獲得。薄づきなセミマットの仕上がりで、インフルエンサーを始め多くの人が紹介したアイテムです。美容成分のホワイトトリュフエッセンスとホワイトフラワーコンプレックスを配合し、黄み・赤みがかった肌や乾燥でくすんだ肌をトーンアップした印象に。また密着力と化粧持ちにもこだわり、しっかりと肌をカバーしてくれます。
ツヤ肌に欠かせないメイクアップベース部門の1位は?
メイクアップベース部門で1位に輝いたのは、日焼け止めで有名な「エーエイチシー(AHC)」の「 ヌードトーンアップクリームナチュラルグロー」。スキンケア成分を76%配合し、エステ後のような生き生きとした輝く肌を演出してくれます。仕上がりの良さはもちろん、SPF50+、PA++++で紫外線対策もばっちり。
リップも土台が大事 ケアアイテムが人気?
リップバーム部門を受賞した「トコボ(TOCOBO)」の「ビタ グレーズド リップマスク」は、夜塗って寝る“オーバーナイトマスク”。くちびるの角質や乾燥をケアして、翌朝ぷりっとした仕上がりを実感できるアイテムです。人気の要因はその保湿感だけでなく、ぷっくりしたかわいいフォルムのパッケージ。高級感のあるガラス製のジャータイプで、ベットサイドにもぴったり。
【POWDER ROOM BEAUTY AWARD】各部門1位アイテム(一部抜粋)
・ファンデーション「エスポア(eSpoir)プロテーラー ビーグロウファンデーション ニュークラス」
・アイシャドウ部門「ピアー(BBIA)エッセンシャルアイパレット」
・リップティント(グロウ)部門「ピアー ローティント」
・リップティント(マット)「トニーモリー(TONY MOLY)ゲットイット ティント ウォータフルバター」
・リップスティック部門「ラカ(LAKA)ボンディンググロウリップスティック」
・ブラッシャー(チーク)部門「デイジーク(Dasique)ブレンディングムードチーク」
【中国】抖音トップ100ビューティリスト(抖in百大美力好物金榜)
(左から「HBN」「玛丽黛佳」「羽素」:画像はすべてWeibo公式アカウントから)
“中国版TikTok”として知られるショート動画アプリ「抖音(Douyin)」は近年EC機能が成長し、買い物をする場所としても注目を集めています。「抖音トップ100ビューティリスト」は、そんな抖音上の製品データやユーザー消費評価などのデータと、美容・スキンケアの専門家、メディアなどが参加したアワードです。使用実感に加えて、質感・使用感などの感性的な部分でも評価しています。特に今年の受賞製品は、「自分を喜ばせるスキンケア」と「自宅エステ」がポイントだそう。香りや製品に関連した体験までスキンケアの一部として評価されているようです。
スキンケアのトップは?レチノールは中国でも人気の成分
ホット化粧水・乳液・クリーム部門で受賞した「HBN」の「ダブルAナイトクリーム2.0」は、2019年から売れ続けているビタミンA(レチノール類)クリームが受賞。「HBN」は中国ブランドの中で、いち早くビタミンAに注目して研究し、より効率的なエイジングケアアイテムとして現地で人気を集めています。
ベースメイク競争を勝ち抜いたのは?
2023年の中国化粧品市場は、ベースメイクが豊作だったようです。その中で、年間を通じて売れたファンデーションのひとつが、「玛丽黛佳(MARIE DALGAR)」の「シード(種子)クッションファンデーション」です。「玛丽黛佳」は中国国内トップクラスの化粧品生産および研究開発力を持つ企業で、このクッションファンデーションは独自の“メイクキープ膜形成技術”によって、乾燥肌の悩みである粉ふきにアプローチ。化粧崩れしにくく、 つけたての美しさを保ってくれます。
ニキビは中国でも肌悩みの定番 ケアアイテムが人気に
ホームエステ部門では、ニキビ肌向けスキンケアブランドの「羽素(YOU&PURE)」から美容液「第二代ニキビ対策大灯泡エッセンス」が受賞。さまざまな原因で発生する赤みやニキビのある肌を落ち着け、健やかな肌に導きます。実験道具のようなユニークな形と、ポップなイエローが目を引くパッケージもSNSで注目されました。
【抖音トップ100ビューティリスト】一部受賞製品
・エッセンス(美容液)部門「PMPM ローズエッセンスオイル」など
・ホット化粧水・乳液・クリーム部門「丸美 リトルレッドペンアイクリーム」など
・ホームエステ部門「肌肤未来 377スキンジェネシス スポットクリーム」など
・機能性ベーシックスキンケア部門「且初(KIMTRUE)第3世代マッシュポテト クレンジング クリーム」
【中国】言安堂美容大賞
(左から「Bio-MESO肌活」「Diary言之有物」「MONSTER CODE野兽代码」:画像はすべてWeibo公式アカウントから)
中国には、スキンケアの専門コミュニティ「言安堂」があります。一般的なベストコスメとは異なり、化粧水やクリームなど、スキンケアに特化したビューティアワードを発表しています。
スキンケア特化型アワードで選ばれた化粧水は?
化粧水部門の受賞品「Bio-MESO肌活」の「蕴能焕颜精华水」は複合海藻発酵成分をキー成分とし、肌の乾燥を落ち着かせるアイテム。このブランドは前回の記事でも紹介した、ヒアルロン酸原料で有名な企業・華熙生物(Bloomage Biotechnology)の傘下ブランドで、この製品にも同社のヒアルロン酸が配合されていて、肌をなめらかに導きます。またジャスミン、グレープフルーツ、ビターオレンジなどのエッセンシャルオイルによる癒やしの香りも楽しめます。
“アーリーアンチエイジング”で支持されたクリーム
クリーム部門で受賞した「言之有物(Diary)」の「玻色因胜肽精华霜」は、中国で人気のエイジングケア成分プロキシレンやペプチドといった有効成分を詰め込んだクリーム。中国では成分の有効性や製品への配合濃度に注目してアイテムを選ぶ人が多く、また若者も“アーリーアンチエイジング”として早くからエイジングケアを開始するため、このクリームも幅広く支持されています。
エッセンスは効能ごとに6部門選出!マット仕上げのユニークなスキンケアも
スキンケア特化のアワードらしく、エッセンス(美容液)は効能ごとに6部門に分けて選ばれています。オイリー肌やニキビ肌向けのエッセンスでは、「野兽代码(MONSTER CODE)」の「油皮蕴能调控精华液」が受賞。オイリー肌の過剰な皮脂をコントロールするとともに、抗酸化作用のある成分も配合。総合的にオイリー肌のべたつきをケアしてくれます。また、爽やかな質感にこだわり、最後はマットな仕上がりになるというめずらしいテクスチャーです。
【言安堂美容大賞】エッセンス各部門受賞一部
・アンチオイルニキビ対策エッセンス「活玉 壬二酸祛痘凝胶」「皮宝 控油清颜精华乳」など
・多機能エッセンス「佰草集(HERBORIST)太极肌源修护精华蜜」など
・抗酸化エッセンス「蘭(LAN)晶致赋妍双萃精华液」など
・鎮静修復エッセンス「薇诺娜(WINONA)舒缓保湿特护精华液」など
・エイジングケアエッセンス「羽西(YUESAI)鎏金赋原修护精华液」など
・美白エッセンス「美肤宝(MEIFUBAO)美肤宝小白瓶精华」
韓国、中国ともにスキンケアの成分に注目する流れは続き、配合濃度を高めた製品や、独自の配合・複合成分が生まれました。そうした成分面のアップデートの流れから、日本の化粧品市場と同様に、人気製品のリニューアルが相次いだのも、2023年の傾向でした。2024年の韓国・中国ブランドでスキンケアを選ぶ際は、そうしたポイントにも注目してみてはいかがでしょうか。
また、この「最新アジアビューティ」連載は今回で最終回。韓国・中国をはじめアジアはトレンドの変化が激しく、新しいトレンドが毎月のように生まれます。連載では注目のメイクアップルックやトレンドのブランド、アイテムなどを多数紹介してきました。連載は終わってしまいますが、過去の記事なども参考にしながら、今後もアジアのトレンドをチェックしてみてください!
青山学院大学文学部卒業。産経新聞社サンケイスポーツ編集局記者職を経て、「WWD BEAUTY」記者として中国や欧米などの海外美容市場やビューティテック、スタートアップなどを中心に取材。2020年4月に独立し、現在は美容業界情報を中心に若者トレンドや中国市場に関する記事を執筆。
(企画・編集:平原麻菜実)
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