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伊藤忠商事はなぜ韓国コスメ「ミュード」の日本展開を決めたのか? ブランドディレクターが見据える将来像

「ミュード」ディレクターのRaemi氏

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伊藤忠商事はなぜ韓国コスメ「ミュード」の日本展開を決めたのか? ブランドディレクターが見据える将来像

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 伊藤忠商事の繊維カンパニーが、韓国コスメブランドとのタッグで新領域であるビューティ市場での成長にアクセルを踏んでいる。2023年末、4つ目の韓国ブランドとして「ミュード(mude.)」を展開するミュードメイト(mudemate CO.,LTD)と日本における独占輸入販売契約を締結。コロナ禍の2020年にローンチし、急速に人気が広がった気鋭のクリエイターブランド、ミュードが日本で目指すこととは?そして、伊藤忠商事のミュード展開によるシナジーとは。来日したミュードのディレクター レミ(Raemi)氏と、同ブランドを担当する伊藤忠商事 繊維カンパニー ブランドマーケティング第二部ブランドマーケティング第四課 板坂未夢氏に話を聞いた。

「メイク台に残る」ブランドを作るために最初に「マスカラ」に注目

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ーまずはミュードについてお話を伺います。そもそも、レミ(Raemi)さんがブランドを立ち上げようと思ったきっかけはなんですか?

レミ ディレクター(以下、レミ):前職で化粧品のマーケティングを経験し、自分がインフルエンサーとしてさまざまなコスメを紹介する中で、「皆さんのメイク台に残る商品が作りたい」と考えるようになりました。日々ファンの方々にメイクやコスメを紹介する私だからこそ、本当に必要なものをお届けしたい。ブランド名は「muse+mood」から生まれた言葉で、コンセプトは「あなたは世界の誰かのミューズ」。メイクをすることで気持ちが華やかになりますし、誰でも誰かのミューズで、もしかしたら自分が自分のミューズだという人もいると思います。

ーブランドのデビューアイテムとしてマスカラ(インスパイアカーリングマスカラ)を打ち出すのは珍しいと思うのですが、なぜマスカラを選んだのでしょうか。

レミ:理由のひとつは、私が普段のメイクでまつげにこだわっているのですが、カールや持続力、塗りやすさなどトータルでバランスがいいものに巡り合えていなかったこと。前職では500点以上のマスカラを試す機会があったのですが、それでも自分が納得できるものにはなかなか出合えませんでした。2つ目の理由は、世の中にはすでにたくさん素晴らしい化粧品があり、アイシャドウやリップだけではブランドとして差別化が難しいと思ったためです。化粧品のマーケティングやインフルエンサーとして活動する中で、マスカラは他のアイテムに比べて気に入ったものを長く愛用してくださるロイヤリティが高いものだと感じていました。自分が納得するものを出せれば、ブランドのスターアイテムになると確信していましたが、思いが強かったため、納得がいくマスカラができるまで2年もかかってしまいました(笑)。

ー2年も! 具体的にはどのようなポイントにこだわりましたか?

レミ:私のフォロワーは韓国をはじめ、日本や東南アジアなどさまざまな国の方がいらっしゃるのですが、普段の投稿の反応を見ていると、国により少しずつニーズが異なると感じていました。だからこそ、多様なニーズのどれをとってもハマるような、オールマイティなマスカラを目指しました。しっかりとしたカール感と仕上がりの持続性、束感の作りやすさ、塗りやすいブラシの形状や液の粘度などにこだわりました。これ1本でアイドルのような繊細な束感と長さのまつげを作れますし、ボリューム感が欲しい人は重ね塗りすることで目元の印象をくっきりと仕上げることができます。アジア人の目元にフィットするようなブラシの形状に調整したので、使いやすさも兼ね備えていると思います。

ー普段から商品を作るときはフォロワーの意見を取り入れるのですか?

レミ:基本的には私自身が「欲しい・使いたい」と思ったものを追求していますが、メイクにどんな悩みを持っているのか、また使用感のニーズなどを知るために皆さんの意見を参考にすることもあります。マスカラを作るときは、日本の方にもテストしていただきました。

ーブランドはコロナ禍でのデビューでしたが、順調な滑り出しでした。何か工夫したことはありますか?

レミ:世の中の状況によってメイクの中で目元に注目が集まっていたタイミングだったことは少なからず人気を後押ししてくれたと思います。発信面での工夫として、私自身のアカウントを通じて、こだわりや使い方、仕上がりをていねいに紹介したことで、多くの方が興味を持ってくださったのだと考えています。また“近所のお姉さん”のような距離感で皆さんの質問にも答えたことで、オフラインでの展開がない中でも、皆さん納得して購入してくださった印象です。

ーマスカラ以外に人気のアイテムは?

レミ:マスカラの次に人気なのが「ショールモーメント アイシャドウパレット」で、その次がチーク「フラッターブラッシャー」です。マスカラを入り口に、カラーアイテムの認知も高まっているので、ブランドとしていい傾向だと思います。

ー日本では2021年から本格的に展開していますが、これまでの課題と今回伊藤忠商事とタッグを組もうと思った決め手を教えてください。

レミ:日本の市場には、各分野ごとに特化した企業があり、どの企業と協力すればより日本のお客さまに私たちの商品を届けられるだろうかと探していました。韓国と日本では人気の傾向が異なる部分もあるので、もっと地域のお客さまに寄り添いたいという気落ちもありました。そんな中、伊藤忠商事さんは一括で日本市場をお任せできる基盤がありましたし、一番のポイントとしては私たちを単純な「韓国コスメ」としてではなく、「育てていくべき可能性を秘めたブランド」だと本気で向き合ってくれたので、一緒にやりたいと決断しました。

ー具体的に、伊藤忠商事との協業によって何を進めますか?

レミ:日本のお客さまは韓国よりもオフラインでの購入を大事にされているので、バラエティストアなどの実店舗への導入に力を入れます。それから、日本の皆さんに欲しいと思っていただけるような日本限定カラーの提案もしたいですね。

ー韓国と日本で人気商品にはどんな違いがあるのでしょうか?

レミ:韓国ではスキントーンになじむようなベージュやブラウンが圧倒的に人気ですが、日本ではもう少しカラフルなものが好まれます。ショールモーメント アイシャドウパレットを例に挙げると、韓国では「#01 ウォームメモリー」が人気で、日本では「#04 ライラックモーメント」が売れ筋です。体感ではパーソナルカラーでいうところのスプリング系のカラーが人気だと思います。

ブラウンのアイシャドウの画像

「ショールモーメント アイシャドウパレット」韓国で人気の01 ウォームメモリー

Image by mude

ピンクのアイシャドウの画像

「ショールモーメント アイシャドウパレット」日本で人気の04 ライラックモーメント

Image by mude

ーなるほど、人気の地域差があるんですね。ちなみに韓国、日本以外で進出している国は?

レミ:香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシアといった国と地域で展開しています。2024年はベトナムへの進出が決まっていて、今後はアメリカやアマゾン(Amazon)のような大きなマーケットへも視野に入れています。

ーブランドの今後の目標は?

レミ:12月に日本で発表会を行い、リアルな場への意欲が強まったので、韓国でもポップアップショップやイベントなど実際に商品に触れていただく機会を作りたいですね。メイクではマスカラを筆頭に「皆さんのメイク台に残る」商品を作ることができたので、ミュードの姉妹ブランドのような立ち位置でスキンケアブランドの立ち上げを検討中です。会社売上ベースで100億ウォン(約11億円)規模にまで成長させたいと考えています。

韓国コスメへの投資が続く伊藤忠商事、立ち上げ3年の新興ブランドになぜ注目したのか?

ー伊藤忠商事では「ジョンセンムル(JUNG SAEM MOOL)」、「トニーモリー(TONYMOLY)」、「スキンアールエックスラボ(SKINRx LAB)」といった韓国ブランドの日本展開を手掛けてきました。今回なぜミュードに注目したのでしょうか。

繊維カンパニー ブランドマーケティング第二部ブランドマーケティング第四課の板坂未夢(以下、板坂):ミュードは業界関係者の方々から高い評価を集めていて、私たちの耳にも勢いのあるブランドだという情報が届いていたと同時に、関係者を通じてちょうど日本展開の強化を検討していると聞き、大きな可能性を感じました。協議を進めていくうちに、レミさんをはじめとするチームの皆さんの熱意を感じましたし、初めから海外展開を視野に入れてブランドを育てていこうとする姿勢にもポテンシャルを感じたのです。また、レミさん自身がインフルエンサーとして発信している点や、まだ新しいブランドである点は当社にとっても魅力的な挑戦であると感じています。

板坂未夢氏(繊維カンパニー ブランドマーケティング第二部ブランドマーケティング第四課)

ーこれまでの3ブランドと比較すると、展開年数が短い、若いブランドだと思いますが、そこも決め手になったのでしょうか。

板坂:まだ新興のブランドだからこそ、チーム内での意思疎通がしやすく、議題から意思決定までがとてもスピーディ。市場のニーズをくみ取り、即時にトレンドを取り入れた商品へと昇華できる体制は大手ではハードルが高く、私たちとしても勉強させていただきたい部分です。

ー日本展開において、ミュードのベンチマークに据えているブランドは?

板坂:現在、日本への化粧品輸入国の第1が韓国で、多くのブランドで棚を取り合っている状況です。競争が激化する日本市場で、ミュードはクリエイターブランドとしてしっかりとコンセプトや世界観を愛していただけるブランドのポジションを確立すべきだと考えています。そうした意味で、同じ韓国ブランドでは「ヒンス(hince)」などをベンチマークに挙げています。

ー日本展開での目標として、2026年までに小売ベースで売上高5億円としています。実現に向けた計画を教えてください。

板坂:現在日本市場ではオンラインがメインということもあり10〜20代が中心ですが、私自身レミさんと同年代で商品に込められた想いやこだわりを伺っていると、30代にも刺さるポテンシャルがあると感じます。そうした可能性を活かすためにも、まずはオフラインでより多くの方の目に留まるように広げていきます。

 販売代理店として東京堂さんと独占契約を結んでいて、オフラインはロフト(LOFT)やアインズ&トルペ(AINZ&TULPE)、ハンズなどのバラエティショップを皮切りに、今年の春夏中にドラッグストアにも拡大する予定です。こうした多くの人の目に留まる店舗に加え、世界観をしっかりと表現できるようなポップアップや、当社グループが持つセールスチャネルの活用も積極的に検討していきます。さらに当社グループが展開するファッション・アパレルブランドとのコラボレーションも視野に、グループシナジーも発揮したいと思います。

 また、先ほどレミさんがおっしゃったように、日本限定アイテムの展開も実現させたいですね。

ーレミさんの発信力を活かした取り組みはいかがでしょうか。

板坂:まさにその点もミュードの個性なので、レミさんご登壇のブランドイベントなども考えたいです。現在日本のSNSアカウントも本国チームの意見を取り入れながら運用していますが、今後はより日本のオンライン・オフラインの店舗と絡めた発信を強化していきます。

ーミュードが加わったことで4つの韓国ブランドを手掛けることになりますが、カニバることはないのでしょうか?

板坂:ジョンセンムルはクッションファンデーション、トニーモリーはスキンケアといったように、それぞれのブランドでヒーローアイテムや立ち位置が異なるので、販路や売れ方を見るとカニバることなく幅広い市場をカバーできている状態です。各ブランドがどのフェーズにあるのかによって展開方法は変わりますから、自ずと差別化できます。ビューティの展開を始めた頃は「伊藤忠にできるのか?」と言われていましたが、韓国ブランドを日本でどう広げていくかのノウハウは徐々に蓄積されてきています。

ー今後、展開するとしたらまた韓国ブランドでしょうか?

板坂:韓国ブランドだけに絞るわけではなく、サステナビリティを意識したブランドやメンズコスメなど、確立した個性や強みを持ったブランドであれば、新たに展開する可能性があると思います。

 同時に、化粧品領域を強化してから女性社員の活躍がより発揮されるようになったと感じています。化粧品が好きという女性社員は多く、担当するブランドに対して愛情を持っているか否かで成長具合は変わりますから、そうした意味でも伸ばしていくべきカテゴリーであると捉え、成長させたいと思います。

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